数学B 正規分布 問題 1 解説

方針・初手
1個の重さ $X$ は正規分布に従うので、標準化して標準正規分布表を用いる。
また、50個の重さの合計 $Y$ は、独立な正規分布の和として扱えばよい。正規分布の和は再び正規分布に従い、平均は平均の和、分散は分散の和になる。
解法1
$X$ は
$$ X \sim N(40,18) $$
に従う。標準偏差は
$$ \sigma=\sqrt{18}=3\sqrt{2}=3\cdot 1.41=4.23 $$
である。
(1)
求める割合は
$$ P(X\geq 35) $$
である。標準正規分布に従う確率変数を $Z$ とすると、
$$ Z=\frac{X-40}{4.23} $$
と標準化できる。したがって、
$$ \begin{aligned} P(X\geq 35) &= P\left(Z\geq \frac{35-40}{4.23}\right) \\ P(Z\geq -1.18) \end{aligned} $$
である。
標準正規分布の対称性より、
$$ P(Z\geq -1.18)=P(Z\leq 1.18) $$
である。正規分布表より、
$$ P(Z\leq 1.18)=0.8810 $$
であるから、小数第3位を四捨五入して
$$ 0.88 $$
となる。
よって、重さが35グラム以上のまんじゅうの割合は約 $0.88$、すなわち約 $88%$ である。
(2)
50個のまんじゅうの重さを
$$ X_1,X_2,\dots,X_{50} $$
とすると、それぞれ
$$ X_i \sim N(40,18) $$
に従う。
合計を
$$ Y=X_1+X_2+\cdots+X_{50} $$
とおく。
平均は
$$ E(Y)=E(X_1)+E(X_2)+\cdots+E(X_{50}) =50\cdot 40=2000 $$
である。
また、無作為に選ばれた50個の重さを独立とみなすと、分散は
$$ V(Y)=V(X_1)+V(X_2)+\cdots+V(X_{50}) =50\cdot 18=900 $$
である。
したがって、
$$ Y\sim N(2000,900) $$
であり、平均は $2000$、分散は $900$ である。
(3)
(2)より、
$$ Y\sim N(2000,900) $$
である。したがって、$Y$ の標準偏差は
$$ \sqrt{900}=30 $$
である。
「95%以上の確率で $Y\geq T$ となる」という条件は
$$ P(Y\geq T)\geq 0.95 $$
である。
標準化すると、
$$ \begin{aligned} P(Y\geq T) &= P\left(Z\geq \frac{T-2000}{30}\right) \end{aligned} $$
である。これが $0.95$ 以上になるためには、左側の確率が $0.05$ 以下になればよい。すなわち、
$$ P\left(Z\leq \frac{T-2000}{30}\right)\leq 0.05 $$
である。
標準正規分布表より、
$$ P(Z\leq -1.64)\fallingdotseq 0.0505,\qquad P(Z\leq -1.65)\fallingdotseq 0.0495 $$
であるから、95%以上を保証する境目は
$$ \frac{T-2000}{30}\leq -1.65 $$
と考えればよい。
よって、
$$ T-2000\leq -49.5 $$
より、
$$ T\leq 1950.5 $$
である。
$T$ は整数なので、最大の $T$ は
$$ T=1950 $$
である。
解説
この問題では、正規分布の標準化と、正規分布の和の扱いが中心である。
(1)では、$X$ をそのまま扱うのではなく、平均を引いて標準偏差で割ることで標準正規分布に直す。$35$ は平均 $40$ より小さいため、確率は $0.5$ より大きくなる。この感覚を持っておくと、計算結果 $0.88$ が自然かどうか確認しやすい。
(2)では、50個の合計なので平均は $50$ 倍、分散も $50$ 倍になる。標準偏差を $50$ 倍してはいけない点に注意する。
(3)では、「95%以上の確率で $Y\geq T$」という条件から、$T$ は分布の下側5%付近に置くことになる。平均 $2000$ よりかなり小さい値になる点を確認しておくと、$1950$ という答えの妥当性が分かる。
答え
(1)
$$ 0.88 $$
約 $88%$。
(2)
平均は
$$ 2000 $$
分散は
$$ 900 $$
(3)
$$ T=1950 $$
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