数学1 データの分析 問題 3 解説

方針・初手
与えられたデータの平均値と分散の定義に従い、$a$ と $b$ に関する2つの条件式を立てる。分散を求める式は「(偏差の2乗の平均)」を用いる基本の定義式と、「(2乗の平均)$- $(平均の2乗)」を用いる公式の2通りがある。本問では平均値が $7$ という扱いやすい整数であるため、どちらの方針でも容易に計算できる。得られた連立方程式を解き、条件 $a \leqq b$ を満たすものを解とする。
解法1
データの個数は $8$ 個であり、その合計は $6 + 5 + 7 + 5 + 10 + 8 + a + b = 41 + a + b$ である。
平均値が $7$ であるから、以下の式が成り立つ。
$$\frac{41 + a + b}{8} = 7$$
これを整理すると、
$$41 + a + b = 56$$
$$a + b = 15 \quad \cdots (1)$$
次に、分散が $3$ であるという条件を用いる。分散は各データの偏差(データ $- $ 平均値)の2乗の平均であるため、
$$\frac{(6-7)^2 + (5-7)^2 + (7-7)^2 + (5-7)^2 + (10-7)^2 + (8-7)^2 + (a-7)^2 + (b-7)^2}{8} = 3$$
$$\frac{(-1)^2 + (-2)^2 + 0^2 + (-2)^2 + 3^2 + 1^2 + (a-7)^2 + (b-7)^2}{8} = 3$$
$$\frac{1 + 4 + 0 + 4 + 9 + 1 + (a-7)^2 + (b-7)^2}{8} = 3$$
$$\frac{19 + (a-7)^2 + (b-7)^2}{8} = 3$$
$$19 + (a-7)^2 + (b-7)^2 = 24$$
$$(a-7)^2 + (b-7)^2 = 5 \quad \cdots (2)$$
(1) より $b = 15 - a$ であるから、これを (2) に代入して $b$ を消去する。
$$(a-7)^2 + (15 - a - 7)^2 = 5$$
$$(a-7)^2 + (8 - a)^2 = 5$$
$$(a^2 - 14a + 49) + (a^2 - 16a + 64) = 5$$
$$2a^2 - 30a + 113 = 5$$
$$2a^2 - 30a + 108 = 0$$
両辺を $2$ で割って整理する。
$$a^2 - 15a + 54 = 0$$
$$(a - 6)(a - 9) = 0$$
これより、$a = 6, 9$ を得る。
問題の条件 $a \leqq b$ を用いて吟味する。
(i) $a = 6$ のとき、(1) より $b = 15 - 6 = 9$ となり、$a \leqq b$ を満たす。
(ii) $a = 9$ のとき、(1) より $b = 15 - 9 = 6$ となり、$a \leqq b$ を満たさない。
以上より、$a = 6$、$b = 9$ と定まる。
解法2
分散の公式 $s^2 = \overline{x^2} - (\bar{x})^2$(2乗の平均 $- $ 平均の2乗)を用いて計算する。
平均の条件から $a + b = 15 \cdots (1)$ を得るまでは解法1と同様である。
各データの2乗の和は、
$$6^2 + 5^2 + 7^2 + 5^2 + 10^2 + 8^2 + a^2 + b^2 = 36 + 25 + 49 + 25 + 100 + 64 + a^2 + b^2 = 299 + a^2 + b^2$$
分散が $3$ であり、平均が $7$ であるから、
$$\frac{299 + a^2 + b^2}{8} - 7^2 = 3$$
$$\frac{299 + a^2 + b^2}{8} - 49 = 3$$
$$\frac{299 + a^2 + b^2}{8} = 52$$
$$299 + a^2 + b^2 = 416$$
$$a^2 + b^2 = 117 \quad \cdots (3)$$
(1) より $b = 15 - a$ を (3) に代入する。
$$a^2 + (15 - a)^2 = 117$$
$$a^2 + a^2 - 30a + 225 = 117$$
$$2a^2 - 30a + 108 = 0$$
$$a^2 - 15a + 54 = 0$$
$$(a - 6)(a - 9) = 0$$
これ以降は解法1と同様にして、$a=6, b=9$ を得る。
解説
データの分析における平均値と分散の定義を正しく理解し、連立方程式を立てて解く典型的な問題である。分散の計算は、平均値が整数の場合は「偏差の2乗の平均(解法1)」、平均値が分数や小数の場合は「2乗の平均から平均の2乗を引く(解法2)」と使い分けると計算ミスのリスクを減らせる。本問ではどちらでも計算量は同程度である。最後に $a \leqq b$ の大小関係を忘れないように注意が必要である。
答え
$a = 6$
$b = 9$
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