数学B 検定 問題 1 解説

方針・初手
A型の薬の有効率を $p$ とおく。「B型の薬よりすぐれている」といえるかを調べるので、片側検定を行う。
帰無仮説を $H_0:p=0.6$、対立仮説を $H_1:p>0.6$ とする。A型の薬で効き目のあった人数を $X$ とすれば、帰無仮説のもとで $X$ は近似的に平均 $200\cdot 0.6$、分散 $200\cdot 0.6\cdot 0.4$ の正規分布に従う。
解法1
A型の薬を服用した $200$ 人のうち、効き目があった人数は $134$ 人であるから、標本比率は
$$ \hat{p}=\frac{134}{200}=0.67 $$
である。
帰無仮説 $H_0:p=0.6$ のもとで、効き目のあった人数 $X$ は
$$ X\sim B(200,0.6) $$
に従う。$n=200$ は十分大きいので、正規分布で近似すると、
$$ X\fallingdotseq N(200\cdot 0.6,\ 200\cdot 0.6\cdot 0.4) $$
すなわち
$$ X\fallingdotseq N(120,\ 48) $$
である。
したがって、検定統計量
$$ Z=\frac{X-120}{\sqrt{48}} $$
は、帰無仮説のもとで近似的に標準正規分布 $N(0,1)$ に従う。
観測値 $X=134$ を代入すると、
$$ Z=\frac{134-120}{\sqrt{48}} =\frac{14}{4\sqrt{3}} =\frac{7}{2\sqrt{3}} \fallingdotseq 2.02 $$
である。
有意水準 $5%$ の右片側検定では、標準正規分布の上側 $5%$ 点は
$$ 1.64 $$
である。したがって、棄却域は
$$ Z>1.64 $$
である。
今回は
$$ 2.02>1.64 $$
となるので、帰無仮説 $H_0:p=0.6$ は有意水準 $5%$ で棄却される。
よって、A型の薬の有効率は $0.6$ より高いと判断できる。したがって、A型の薬はB型の薬よりすぐれているといえる。
解説
この問題では、単に標本比率 $0.67$ が $0.6$ より大きいことだけでは結論を出せない。偶然によるばらつきとして説明できる範囲を超えているかを検定する必要がある。
「すぐれている」といえるかを調べるので、対立仮説は $p>0.6$ であり、右片側検定になる。両側検定にしてしまうと、問題の意図とずれる。
また、人数 $X$ を使って検定しても、標本比率 $\hat{p}$ を使って検定しても本質は同じである。標本比率を用いると、
$$ Z=\frac{\hat{p}-0.6}{\sqrt{0.6\cdot 0.4/200}} $$
となり、
$$ Z=\frac{0.67-0.6}{\sqrt{0.24/200}} \fallingdotseq 2.02 $$
となって同じ結論に至る。
答え
有意水準 $5%$ で、A型の薬はB型の薬よりすぐれているといえる。
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