トップ 基礎問題 数学1 二次関数 関数 問題 14

数学1 関数 問題 14 解説

数学1 関数 問題 14 解説

方針・初手

絶対値記号を含む関数 $f(x)$ と直線 $y = 2x + b$ の上下関係を考える問題である。すべての実数 $x$ に対して $f(x) \geqq 2x + b$ が成り立つ条件は、差の関数 $g(x) = f(x) - 2x$ の最小値が $b$ 以上となることである。 $f(x)$ の絶対値の中身 $x^2+2ax+a$ の符号は、判別式 $D/4 = a^2-a = a(a-1)$ の符号、すなわち $a$ の値によって変化する。したがって、(1) および (3) では $a$ の値によって場合分けをして考える必要がある。

解法1

(1) $f(x) = |x^2+2ax+a|$ とする。 $y = x^2+2ax+a = (x+a)^2 - a^2 + a$ $x^2+2ax+a=0$ の判別式を $D$ とすると、$D/4 = a^2-a = a(a-1)$ である。 $a > 0$ であるから、以下の3つの場合に分けられる。

(i) $0 < a < 1$ のとき $D < 0$ となり、すべての $x$ に対して $x^2+2ax+a > 0$ である。 よって $f(x) = x^2+2ax+a$ となり、グラフは下に凸の放物線である。 頂点は $(-a, -a^2+a)$ であり、$x$軸と交わらない。

(ii) $a = 1$ のとき $D = 0$ となり、$f(x) = |x^2+2x+1| = (x+1)^2$ である。 グラフは下に凸の放物線で、頂点 $(-1, 0)$ で$x$軸に接する。

(iii) $a > 1$ のとき $D > 0$ となり、$x^2+2ax+a=0$ は異なる2つの実数解をもつ。これらを $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$) とおく。 $\alpha \leqq x \leqq \beta$ のとき、$x^2+2ax+a \leqq 0$ より $f(x) = -x^2-2ax-a$ $x \leqq \alpha, \beta \leqq x$ のとき、$x^2+2ax+a \geqq 0$ より $f(x) = x^2+2ax+a$ グラフは、$y = x^2+2ax+a$ の $\alpha < x < \beta$ の部分を$x$軸に関して対称に折り返した形になる。 極大値は $x = -a$ のとき $a^2-a$、極小値は $x = \alpha, \beta$ のとき $0$ となる。

(2) $a=2$ のとき、$f(x) = |x^2+4x+2|$ である。 $x^2+4x+2=0$ の解は $x = -2 \pm \sqrt{2}$ であるから、 $\alpha = -2-\sqrt{2}, \beta = -2+\sqrt{2}$ とおくと、$\alpha \fallingdotseq -3.41, \beta \fallingdotseq -0.58$ である。 $g(x) = f(x) - 2x$ とおき、$g(x)$ の最小値を求める。

(i) $x \leqq \alpha, \beta \leqq x$ のとき $g(x) = (x^2+4x+2) - 2x = x^2+2x+2 = (x+1)^2+1$ 放物線 $y = (x+1)^2+1$ の頂点は $x = -1$ であり、$\beta = -2+\sqrt{2} > -1$ である。 したがって、区間 $x \leqq \alpha$ では単調減少、区間 $\beta \leqq x$ では単調増加する。 この範囲における最小値は $g(\beta) = (\beta+1)^2+1 = (-1+\sqrt{2})^2+1 = 4-2\sqrt{2}$ である。

(ii) $\alpha < x < \beta$ のとき $g(x) = -(x^2+4x+2) - 2x = -x^2-6x-2 = -(x+3)^2+7$ 放物線 $y = -(x+3)^2+7$ の頂点は $x = -3$ であり、$\alpha < -3 < \beta$ を満たす。 上に凸の関数であるから、この区間における最小値の候補は両端の値の極限である。 $x \to \alpha + 0$ のとき $g(x) \to f(\alpha)-2\alpha = -2(-2-\sqrt{2}) = 4+2\sqrt{2}$ $x \to \beta - 0$ のとき $g(x) \to f(\beta)-2\beta = -2(-2+\sqrt{2}) = 4-2\sqrt{2}$

以上 (i), (ii) より、すべての実数 $x$ における $g(x)$ の最小値は $4-2\sqrt{2}$ である。 $g(x) \geqq b$ が常に成り立つ条件は、$b$ が $g(x)$ の最小値以下であることなので、 $b \leqq 4-2\sqrt{2}$

(3) $g(x) = |x^2+2ax+a| - 2x$ とおき、$0 < a \leqq \frac{3}{2}$ の範囲で $g(x)$ の最小値を求める。

(i) $0 < a \leqq 1$ のとき すべての実数 $x$ に対して $x^2+2ax+a \geqq 0$ であるから、 $g(x) = x^2+2ax+a-2x = x^2+2(a-1)x+a = (x+a-1)^2 - a^2+3a-1$ $g(x)$ は $x = 1-a$ で最小値 $-a^2+3a-1$ をとる。

(ii) $1 < a \leqq \frac{3}{2}$ のとき $x^2+2ax+a=0$ の2つの解を $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$) とおく。 $\alpha = -a-\sqrt{a^2-a}, \beta = -a+\sqrt{a^2-a}$ $x \leqq \alpha, \beta \leqq x$ のとき、$g(x) = (x+a-1)^2 - a^2+3a-1$ $\alpha < x < \beta$ のとき、$g(x) = -x^2-2(a+1)x-a = -(x+a+1)^2 + a^2+a+1$

$\beta \leqq x$ の範囲における $g(x)$ の最小値を調べるために、下に凸の放物線の頂点 $x = 1-a$ と境界 $\beta$ の位置関係を比較する。 $(1-a) - \beta = 1-a - (-a+\sqrt{a^2-a}) = 1-\sqrt{a^2-a}$ $1 < a \leqq \frac{3}{2}$ のとき、$a^2-a = a(a-1) \leqq \frac{3}{2} \cdot \frac{1}{2} = \frac{3}{4} < 1$ であるから、$\sqrt{a^2-a} < 1$ となる。 したがって $1-\sqrt{a^2-a} > 0$、すなわち $\beta < 1-a$ である。 よって、頂点 $x = 1-a$ は $\beta \leqq x$ の区間に含まれており、この範囲での最小値は $g(1-a) = -a^2+3a-1$ となる。

一方、$x \leqq \alpha$ の範囲では頂点 $1-a$ は区間外であり、$g(x)$ は単調減少する。 また、$\alpha < x < \beta$ の範囲では上に凸の放物線であるため、最小値は両端の極限 $\alpha, \beta$ に近づくときの値のいずれかより大きくなる。 境界での値は $g(\alpha) = -2\alpha = 2a+2\sqrt{a^2-a}$、$g(\beta) = -2\beta = 2a-2\sqrt{a^2-a}$ であり、明らかに $g(\beta) < g(\alpha)$ である。 さらに、$\beta \leqq x$ の範囲に頂点 $x = 1-a$ が含まれることから、$g(1-a) < g(\beta)$ である。 (実際に差をとると $g(\beta) - g(1-a) = (\sqrt{a^2-a}-1)^2 > 0$ である) 以上より、実数全体における $g(x)$ の最小値は $g(1-a) = -a^2+3a-1$ となる。

(i), (ii) より、$0 < a \leqq \frac{3}{2}$ のすべての範囲において、$g(x)$ の最小値は $-a^2+3a-1$ である。 したがって、求める条件は $b \leqq -a^2+3a-1$ である。

また、この条件をみたす点 $(a, b)$ の領域は、 $b \leqq -(a-\frac{3}{2})^2 + \frac{5}{4}$ かつ $0 < a \leqq \frac{3}{2}$ で表される。境界線は放物線 $b = -a^2+3a-1$ の $0 < a \leqq \frac{3}{2}$ の部分および直線 $a=\frac{3}{2}$ の $b \leqq \frac{5}{4}$ の部分であり、境界線上の点のうち $a=0$ となる部分は含まない。

解説

絶対値を含む関数のグラフと直線の上下関係を扱う標準的な問題である。グラフの概形を把握した上で、「すべての実数で不等式が成り立つ」という条件を「(左辺)-(右辺)の最小値 $\geqq 0$」と言い換える手法が極めて有効である。 (3) において $1 < a \leqq \frac{3}{2}$ の場合分けを処理する際、絶対値がそのまま外れる範囲(下に凸の放物線)の頂点 $x = 1-a$ が、境界となる $x = \beta$ より右側に存在することを示すのが最大の山場である。ここを正確に論証できれば、不必要な場合分けや計算を省くことができる。

答え

(1) - $0 < a < 1$ のとき、頂点 $(-a, -a^2+a)$ で下に凸の放物線($x$軸と交わらない)。

$a = 1$ のとき、頂点 $(-1, 0)$ で下に凸の放物線($x$軸に接する)。

$a > 1$ のとき、$y = x^2+2ax+a$ の $x$軸より下の部分を$x$軸に関して対称に折り返したグラフ(極大値は $x=-a$ で $a^2-a$、極小値は $x=-a \pm \sqrt{a^2-a}$ で $0$)。

(2) $b \leqq 4-2\sqrt{2}$

(3) $b \leqq -a^2+3a-1$ (領域の図示は、$ab$平面上で放物線 $b = -a^2+3a-1$ の $0 < a \leqq \frac{3}{2}$ の部分とその下側の領域。境界線を含むが、点 $(0, -1)$ は白丸で除く。)

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