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数学A 数列・確率(数B) 問題 2 解説

数学A 数列・確率(数B) 問題 2 解説

方針・初手

合計が偶数か奇数かだけを考えればよい。カードの数字そのものではなく、各回に出る数字の偶奇に注目する。

カード $1,2,3$ のうち、偶数は $2$ のみなので、1回の操作で偶数が出る確率は $\frac{1}{3}$、奇数が出る確率は $\frac{2}{3}$ である。

解法1

$n$ 回の操作後の合計が偶数である確率を $P_n$ とする。このとき、$n+1$ 回目の操作後の合計が偶数になるのは、次の2通りである。

(i)

$n$ 回目までの合計が偶数で、$n+1$ 回目に偶数を引く。

(ii)

$n$ 回目までの合計が奇数で、$n+1$ 回目に奇数を引く。

よって、

$$ P_{n+1}=P_n \cdot \frac{1}{3}+(1-P_n)\cdot \frac{2}{3} $$

である。これを整理すると、

$$ \begin{aligned} P_{n+1} &= \frac{1}{3}P_n+\frac{2}{3}-\frac{2}{3}P_n \\ \frac{2}{3}-\frac{1}{3}P_n \end{aligned} $$

となる。したがって、

$$ P_{n+1}=\frac{2-P_n}{3} $$

である。

次に、この漸化式を解く。まず定数解を考えると、$P_{n+1}=P_n=\alpha$ とおいて、

$$ \alpha=\frac{2}{3}-\frac{1}{3}\alpha $$

より、

$$ \frac{4}{3}\alpha=\frac{2}{3} $$

したがって、

$$ \alpha=\frac{1}{2} $$

である。そこで、漸化式を

$$ \begin{aligned} P_{n+1}-\frac{1}{2} &= -\frac{1}{3}\left(P_n-\frac{1}{2}\right) \end{aligned} $$

と変形する。

また、1回目の合計が偶数であるのはカード $2$ を引いたときだけなので、

$$ P_1=\frac{1}{3} $$

である。よって、

$$ \begin{aligned} P_1-\frac{1}{2} &= \frac{1}{3}-\frac{1}{2} \\ -\frac{1}{6} \end{aligned} $$

となる。

したがって、数列 $P_n-\frac{1}{2}$ は初項 $-\frac{1}{6}$、公比 $-\frac{1}{3}$ の等比数列であるから、

$$ \begin{aligned} P_n-\frac{1}{2} &= -\frac{1}{6}\left(-\frac{1}{3}\right)^{n-1} \end{aligned} $$

である。これより、

$$ \begin{aligned} P_n &= \frac{1}{2} -\frac{1}{6}\left(-\frac{1}{3}\right)^{n-1} \end{aligned} $$

となる。

これを少し整えると、

$$ \begin{aligned} -\frac{1}{6}\left(-\frac{1}{3}\right)^{n-1} &= \frac{1}{2}\left(-\frac{1}{3}\right)^n \end{aligned} $$

だから、

$$ \begin{aligned} P_n &= \frac{1}{2} + \frac{1}{2}\left(-\frac{1}{3}\right)^n \end{aligned} $$

である。

よって、

$$ P_n=\frac{1}{2}\left\{1+\left(-\frac{1}{3}\right)^n\right\} $$

を得る。

解説

この問題では、合計の具体的な値ではなく、合計の偶奇だけを追えばよい。偶数を足すと偶奇は変わらず、奇数を足すと偶奇が反転する。この性質を使うと、状態は「合計が偶数」または「合計が奇数」の2つだけになる。

漸化式を作るときは、$n+1$ 回目で偶数になる場合を「偶数から偶数を足す場合」と「奇数から奇数を足す場合」に分けるのが自然である。

また、漸化式

$$ P_{n+1}=\frac{2}{3}-\frac{1}{3}P_n $$

はそのままでは等比数列ではないため、定数解 $\frac{1}{2}$ を引いて

$$ \begin{aligned} P_{n+1}-\frac{1}{2} &= -\frac{1}{3}\left(P_n-\frac{1}{2}\right) \end{aligned} $$

と変形するのが典型処理である。

答え

(1)

$$ P_{n+1}=\frac{2}{3}-\frac{1}{3}P_n $$

すなわち、

$$ P_{n+1}=\frac{2-P_n}{3} $$

(2)

$$ P_n=\frac{1}{2}\left\{1+\left(-\frac{1}{3}\right)^n\right\} $$

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