数学A ユークリッドの互除法 問題 5 解説

方針・初手
(1) は、分数の関係式を整数の等式に直して、共通の約数が何を割り切るかを見る。
(2) は、(1) を使える形に変形する。特に $28n+5$ と $21n+4$ の差に注目する。
解法1
(1)
条件
$$ \frac{b}{a}=\frac{c}{a}+d $$
の両辺に $a$ をかけると、
$$ b=c+ad $$
である。
ここで、$a$ と $b$ の任意の公約数を $m$ とする。つまり、
$$ m \mid a,\qquad m \mid b $$
である。
このとき $m \mid a$ より $m \mid ad$ であり、また $m \mid b$ であるから、
$$ m \mid b-ad $$
が成り立つ。ところが $b=c+ad$ なので、
$$ b-ad=c $$
である。したがって、
$$ m \mid c $$
も成り立つ。
よって $m$ は $a$ と $c$ の公約数である。ところが、仮定より $a$ と $c$ は互いに素であるから、
$$ m=1 $$
でなければならない。
したがって、$a$ と $b$ の公約数は $1$ のみである。ゆえに、$a$ と $b$ は互いに素である。
(2)
任意の自然数 $n$ に対して、
$$ a=21n+4,\qquad b=28n+5,\qquad c=7n+1,\qquad d=1 $$
とおく。
このとき、
$$ b=28n+5=(7n+1)+(21n+4)=c+a $$
であるから、
$$ \frac{b}{a}=\frac{c}{a}+1 $$
が成り立つ。
あとは $a$ と $c$ が互いに素であることを示せば、(1) より $a$ と $b$ が互いに素であると分かる。
ここで、
$$ a=21n+4=3(7n+1)+1=3c+1 $$
である。
$c$ と $a$ の公約数を $m$ とすると、$m \mid c$ かつ $m \mid a$ である。したがって、
$$ m \mid a-3c $$
が成り立つ。ところが、
$$ a-3c=1 $$
なので、
$$ m \mid 1 $$
である。よって $m=1$ である。
したがって、$a$ と $c$ は互いに素である。
ゆえに (1) より、$a$ と $b$、すなわち
$$ 21n+4 $$
と
$$ 28n+5 $$
は互いに素である。
したがって、任意の自然数 $n$ に対して、$28n+5$ と $21n+4$ は互いに素である。
解法2
(2) は、ユークリッドの互除法を用いて直接示すこともできる。
$28n+5$ と $21n+4$ の最大公約数を $g$ とする。
$$ g=\gcd(28n+5,21n+4) $$
とおく。
すると $g$ はこれらの整数係数の差も割り切る。まず、
$$ (28n+5)-(21n+4)=7n+1 $$
より、
$$ g \mid 7n+1 $$
である。
また、
$$ 21n+4=3(7n+1)+1 $$
であるから、$g \mid 21n+4$ かつ $g \mid 7n+1$ より、
$$ g \mid (21n+4)-3(7n+1) $$
が成り立つ。
右辺は
$$ (21n+4)-3(7n+1)=1 $$
であるから、
$$ g \mid 1 $$
である。よって、
$$ g=1 $$
である。
したがって、
$$ \gcd(28n+5,21n+4)=1 $$
であり、$28n+5$ と $21n+4$ は互いに素である。
解説
(1) は、互いに素であることを示す典型的な方法である。「共通の約数を任意に取り、それが $1$ しかありえないことを示す」という流れを使う。
(2) では、$28n+5$ と $21n+4$ の差が
$$ 7n+1 $$
になることが重要である。さらに、
$$ 21n+4=3(7n+1)+1 $$
となるため、共通の約数は最終的に $1$ を割り切ることになる。
(1) を使う場合は、
$$ 28n+5=(7n+1)+(21n+4) $$
と見て、$a=21n+4,\ c=7n+1,\ d=1$ と置くのが自然である。
答え
(1)
$a$ と $b$ は互いに素である。
(2)
任意の自然数 $n$ に対して、$28n+5$ と $21n+4$ は互いに素である。
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