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数学A 整数問題 問題 45 解説

数学A 整数問題 問題 45 解説

方針・初手

$(1+x)^kP(x)$ の $x^j$ の係数は、$P(x)$ の $j$ 次以下の係数だけで決まる。したがって、低次の係数から順に調べる帰納法が有効である。

解法1

$P(x)$ を

$$ P(x)=a_0+a_1x+a_2x^2+\cdots $$

とおく。ただし、$a_i$ は $P(x)$ の $x^i$ の係数である。

また、

$$ (1+x)^kP(x)=b_0+b_1x+b_2x^2+\cdots $$

とおく。仮定より、$b_0,b_1,\ldots,b_n$ はすべて整数である。

二項定理より、

$$ (1+x)^k=\sum_{r=0}^{k}{}_{k}\mathrm{C}_{r}x^r $$

であるから、$0\leq j\leq n$ に対して、$(1+x)^kP(x)$ の $x^j$ の係数 $b_j$ は

$$ b_j=\sum_{r=0}^{\min(k,j)}{}_{k}\mathrm{C}_{r}a_{j-r} $$

と表される。特に $r=0$ の項は $a_j$ であるから、

$$ \begin{aligned} b_j &= a_j+ \sum_{r=1}^{\min(k,j)}{}_{k}\mathrm{C}_{r}a_{j-r} \end{aligned} $$

である。

これを用いて、$a_0,a_1,\ldots,a_n$ がすべて整数であることを数学的帰納法で示す。

まず $j=0$ のとき、

$$ b_0=a_0 $$

である。仮定より $b_0$ は整数なので、$a_0$ は整数である。

次に、ある $j$ について $1\leq j\leq n$ とし、$a_0,a_1,\ldots,a_{j-1}$ がすべて整数であると仮定する。このとき

$$ \begin{aligned} b_j &= a_j+ \sum_{r=1}^{\min(k,j)}{}_{k}\mathrm{C}_{r}a_{j-r} \end{aligned} $$

である。

ここで、$1\leq r\leq \min(k,j)$ ならば $j-r<j$ であるから、帰納法の仮定より $a_{j-r}$ は整数である。また、${}_{k}\mathrm{C}_{r}$ も整数である。したがって

$$ \sum_{r=1}^{\min(k,j)}{}_{k}\mathrm{C}_{r}a_{j-r} $$

は整数である。

さらに、仮定より $b_j$ は整数であるから、

$$ \begin{aligned} a_j &= b_j- \sum_{r=1}^{\min(k,j)}{}_{k}\mathrm{C}_{r}a_{j-r} \end{aligned} $$

も整数である。

よって数学的帰納法により、$a_0,a_1,\ldots,a_n$ はすべて整数である。

したがって、$P(x)$ の $n$ 次以下の項の係数はすべて整数である。

解説

この問題の要点は、$(1+x)^k$ の定数項が $1$ であることにある。積 $(1+x)^kP(x)$ の $x^j$ の係数には、$P(x)$ の $x^j$ の係数 $a_j$ が係数 $1$ で現れ、それ以外は $a_0,\ldots,a_{j-1}$ だけで構成される。

そのため、低次から順番に係数を決定していくと、すでに整数であると分かった係数だけを使って次の係数の整数性を示せる。高次の項は $x^j$ の係数に影響しないので、$n$ 次以下だけを考えれば十分である。

答え

$P(x)=a_0+a_1x+\cdots$ とおくと、$(1+x)^kP(x)$ の $x^j$ の係数 $b_j$ は

$$ \begin{aligned} b_j &= a_j+ \sum_{r=1}^{\min(k,j)}{}_{k}\mathrm{C}_{r}a_{j-r} \end{aligned} $$

である。

$b_0=a_0$ より $a_0$ は整数であり、以後この式を用いて帰納的に $a_1,\ldots,a_n$ がすべて整数であることが従う。

よって、$P(x)$ の $n$ 次以下の項の係数はすべて整数である。

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