数列の公式・定理・考え方
数学Bの数列で使う公式・定理・考え方を、大学入試数学で実際に使う場面に絞って整理します。数列は、公式に代入する問題だけでなく、規則を見抜く問題、漸化式を解く問題、数学的帰納法で証明する問題として出題されます。
入試問題解析では、1961年度〜2025年度の数学Bの数列767問を分類しています。関連して出やすい分類は、テーマ/漸化式421問、数学A/確率207問、数学3/極限181問、テーマ/確率漸化式143問、テーマ/数学的帰納法118問、テーマ/場合分け116問です。
等差数列・等比数列
基本形は、初項、公差または公比を正しく読むことです。
| 種類 | 一般項 | 和 |
|---|---|---|
| 等差数列 | $a_n=a_1+(n-1)d$ | $S_n=\frac{n}{2}(a_1+a_n)=\frac{n}{2}\{2a_1+(n-1)d\}$ |
| 等比数列 | $a_n=a_1r^{n-1}$ | $r\ne1$ のとき $S_n=\frac{a_1(r^n-1)}{r-1}$、$r=1$ のとき $S_n=na_1$ |
等比数列の和では、$r=1$ の場合を別に扱います。公比が文字のときにこの場合分けを落とすと失点します。
和の公式
頻出の和は、次の3つです。
$$\sum_{k=1}^n k=\frac{n(n+1)}{2}$$
$$\sum_{k=1}^n k^2=\frac{n(n+1)(2n+1)}{6}$$
$$\sum_{k=1}^n k^3=\left\{\frac{n(n+1)}{2}\right\}^2$$
和の公式を使う前に、添字が $1$ から始まっているか、$0$ から始まっているか、途中から始まっているかを確認します。必要なら、範囲をずらしてから公式に当てはめます。
階差数列
階差数列 $b_n=a_{n+1}-a_n$ が分かるとき、
$$a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1} b_k$$
です。この公式は $n \ge 2$ で使います。最後に $n=1$ でも同じ式が成り立つか、または別に確認する必要があります。
階差数列は、一般項が直接見えないときの入口です。隣り合う項の差を取ることで、等差数列や等比数列の形が出るかを見ます。
漸化式
漸化式では、型を見分けて処理を選びます。
| 型 | 見ること |
|---|---|
| $a_{n+1}=a_n+f(n)$ | 両辺を足し合わせて和に直します。 |
| $a_{n+1}=pa_n$ | 等比数列として扱います。 |
| $a_{n+1}=pa_n+q$ | 固定点 $\alpha=\frac{q}{1-p}$ を使い、$a_{n+1}-\alpha=p(a_n-\alpha)$ と直します。 |
| 確率や場合の数と結びつく型 | 状態を定義して、次の1手でどう移るかを書きます。 |
$a_{n+1}=pa_n+q$ では、$p=1$ の場合は別扱いです。固定点の式を機械的に使うと、分母が $0$ になります。
数学的帰納法
数学的帰納法は、数列の公式や不等式を証明するときに使います。基本は次の3段階です。
- $n=1$ で成り立つことを確認する
- $n=k$ で成り立つと仮定する
- その仮定を使って $n=k+1$ でも成り立つことを示す
帰納法では、仮定をどこで使ったかが答案に現れている必要があります。$n=k+1$ の式を変形しているだけで、帰納法の仮定を使っていない答案は不十分です。
群数列
群数列では、次の順番で整理します。
- 第 $m$ 群までに何項あるかを求める
- 目的の項が第何群に入るかを不等式で決める
- その群の中で何番目かを求める
- 群内の規則に従って値を出す
群数列で多い失点は、全体での項番号と群の中での番号を混同することです。項番号を一度、群番号と群内番号に変換してから計算してください。
数列で失点しやすい点
- 等比数列の和で $r=1$ の場合を落とす
- 和の公式で添字の始点と終点を確認しない
- 階差数列の公式を $n=1$ にそのまま使ってしまう
- 漸化式の型を見ずに変形を始める
- 数学的帰納法で、帰納法の仮定を使った箇所を書かない
- 群数列で、群番号と群内番号を取り違える
数列は、公式の多さよりも、添字と範囲の管理で差が出る分野です。
この公式集と一緒に見る問題
- 京都大学 2025年 理系 第6問: 数学A/確率、テーマ/確率漸化式
- 大阪大学 2025年 理系 第5問: 数学A/確率、数学A/場合の数、テーマ/確率漸化式
- 東京大学 2025年 理系 第5問: 数学A/場合の数
- 東北大学 2025年 理系 第2問: 数学2/指数対数、旧課程/行列・一次変換
- 北海道大学 2025年 理系 第1問: 数学2/指数対数、数学A/整数問題、テーマ/不等式の証明
関連する分野・テーマ
数列の対策では、一般項、和、階差、漸化式、帰納法、群数列を別々に暗記するのではなく、問題文の規則をどの型に翻訳するかを確認してください。
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