トップ 基礎問題 数学1 二次関数 関数 問題 4

数学1 関数 問題 4 解説

数学1 関数 問題 4 解説

方針・初手

与えられた関数 $f_n(x)$ は、絶対値を含む1次関数 $f_1(x)$ を $n$ 回合成したものである。このような入れ子になった絶対値の方程式では、以下の2つのアプローチが有効である。

  1. 外側から外す:$f_{n+1}(x) = 0 \iff f_1(f_n(x)) = 0$ から出発し、$f_n(x)$ がとるべき値の条件を漸化式的に求めて解の個数を追う方法。
  2. 内側から外す:関数の合成の順序を入れ替え、$f_{n+1}(x) = f_n(f_1(x)) = 0$ と捉えることで、解の具体的な値を数学的帰納法によって特定する方法。

ここでは、両方のアプローチをそれぞれ解法1、解法2として示す。

解法1

方程式 $f_n(x) = 0$ の実数解の個数を $N_n$ とする。

すべての実数 $x$ に対して $f_1(x) = |x| - 1 \ge -1$ であり、定義 $f_{n+1}(x) = |f_n(x)| - 1$ より、帰納的にすべての自然数 $n$ について $f_n(x) \ge -1$ が成り立つ。

$f_{n+1}(x) = 0$ の条件を変形すると、以下のようになる。

$$ |f_n(x)| - 1 = 0 \iff f_n(x) = 1 \text{ または } f_n(x) = -1 $$

したがって、$N_{n+1}$ は「$f_n(x) = 1$ の解の個数」と「$f_n(x) = -1$ の解の個数」の和となる。それぞれの解の個数を求める。

(i) $f_n(x) = -1$ の解の個数 ($n \ge 2$)

$$ |f_{n-1}(x)| - 1 = -1 \iff f_{n-1}(x) = 0 $$

よって、$f_n(x) = -1$ の解の個数は、$f_{n-1}(x) = 0$ の解の個数である $N_{n-1}$ に等しい。

(ii) $f_n(x) = 1$ の解の個数 ($n \ge 1$)

任意の自然数 $k$ と定数 $c > 0$ に対して、以下が成り立つ。

$$ f_k(x) = c \iff |f_{k-1}(x)| - 1 = c \iff f_{k-1}(x) = c+1 \text{ または } f_{k-1}(x) = -(c+1) $$

ここで、$f_{k-1}(x) \ge -1$ であるのに対し $-(c+1) < -1$ であるから、$f_{k-1}(x) = -(c+1)$ を満たす実数解は存在しない。ゆえに、$f_k(x) = c \iff f_{k-1}(x) = c+1$ が成り立つ。

これを繰り返し用いると、次のように変形できる。

$$ f_n(x) = 1 \iff f_{n-1}(x) = 2 \iff \dots \iff f_1(x) = n $$

$f_1(x) = n$ を解くと、

$$ |x| - 1 = n \iff |x| = n+1 $$

$n \ge 1$ より $n+1 > 0$ であるから、これを満たす $x$ は $\pm(n+1)$ の $2$ 個存在する。すなわち、$f_n(x) = 1$ の解の個数は常に $2$ 個である。

(i)(ii) より、$n \ge 2$ において以下の漸化式が得られる。

$$ N_{n+1} = N_{n-1} + 2 $$

ここで、初期の項を計算する。

$N_1$ について、$f_1(x) = |x| - 1 = 0 \iff x = \pm 1$ より $N_1 = 2$ である。 $N_2$ について、$f_2(x) = 0 \iff f_1(x) = \pm 1 \iff |x| - 1 = \pm 1 \iff x = \pm 2, 0$ より $N_2 = 3$ である。

漸化式より、$N_n$ は偶数番目と奇数番目でそれぞれ公差 $2$ の等差数列となる。

$n$ が奇数のとき、$n = 2k-1$ とおくと、

$$ N_{2k-1} = N_1 + 2(k-1) = 2 + 2k - 2 = 2k = n + 1 $$

$n$ が偶数のとき、$n = 2k$ とおくと、

$$ N_{2k} = N_2 + 2(k-1) = 3 + 2k - 2 = 2k + 1 = n + 1 $$

いずれの場合も $N_n = n+1$ が成り立つ。 したがって、求める $f_{2004}(x) = 0$ の解の個数は、

$$ N_{2004} = 2004 + 1 = 2005 $$

解法2

関数 $f_n(x)$ は $f_1$ を $n$ 回合成した関数 $\underbrace{f_1 \circ f_1 \circ \dots \circ f_1}_{n}(x)$ である。関数の合成において結合法則が成り立つため、定義 $f_{n+1}(x) = f_1(f_n(x))$ は次のように書き換えることができる。

$$ f_{n+1}(x) = f_n(f_1(x)) $$

方程式 $f_n(x) = 0$ の解が「$n$ と偶奇が一致する $-n$ 以上 $n$ 以下のすべての整数」であることを、数学的帰納法を用いて証明する。

(I) $n=1$ のとき

$$ f_1(x) = 0 \iff |x| - 1 = 0 \iff x = \pm 1 $$

解は $-1, 1$ であり、「$1$ と偶奇が一致する $-1$ 以上 $1$ 以下のすべての整数」となっているため成立する。

(II) $n=k$ のとき

命題が成立すると仮定する。すなわち、$f_k(x) = 0$ を満たす $x$ は「$k$ と偶奇が一致する $-k$ 以上 $k$ 以下のすべての整数」である。

$n=k+1$ のときを考える。

$$ f_{k+1}(x) = 0 \iff f_k(f_1(x)) = 0 $$

帰納法の仮定より、$f_1(x)$ は「$k$ と偶奇が一致する $-k$ 以上 $k$ 以下の整数」である。これを $m$ とおく。

$$ f_1(x) = m \iff |x| - 1 = m \iff |x| = m+1 $$

$|x| \ge 0$ であるため、実数解をもつ条件は $m+1 \ge 0 \iff m \ge -1$ である。 $m$ は $-1 \le m \le k$ の範囲で、$k$ と偶奇が同じ整数をすべて動く。 このとき、$m+1$ は $0 \le m+1 \le k+1$ の範囲で、$k+1$ と偶奇が同じ整数をすべて動く。

$|x| = m+1$ より $x = \pm(m+1)$ であるから、$x$ は $-(k+1) \le x \le k+1$ の範囲で、$k+1$ と偶奇が同じ整数をすべて動くことになる。 よって、$n=k+1$ のときも命題は成立する。

(I)(II) より、任意の自然数 $n$ に対して、$f_n(x) = 0$ の解は「$n$ と偶奇が一致する $-n$ 以上 $n$ 以下のすべての整数」である。

この条件を満たす整数の個数は、$-n$ から $n$ までの幅 $2n$ の区間内に $2$ 刻みで存在するため、$n+1$ 個である。 したがって、$f_{2004}(x) = 0$ の解の個数は、

$$ 2004 + 1 = 2005 $$

解説

入れ子になった関数の処理能力を問う問題である。 解法1のように外側から式を評価していくと、方程式の解の「個数」だけを漸化式で鮮やかに追うことができる。一方で、解法2のように内側($f_1(x)$)から評価していくと、解の「具体的な値」そのものを帰納的に見つけることができる。

また、グラフを用いて視覚的に捉えることも直観的な理解の助けとなる。$y=f_{n+1}(x)$ のグラフは、$y=f_n(x)$ のグラフの $x$ 軸より下の部分を折り返し、全体を下に $1$ だけ平行移動したものである。これを繰り返すと、$x$ 軸との区間 $[-n, n]$ において山と谷が交互に連なる「のこぎり」のようなグラフとなり、操作を1回行うごとに $x$ 軸との交点が1つずつ増えていく様子が確認できる。

答え

2005

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