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数学3 数列・極限 問題 27 解説

数学3 数列・極限 問題 27 解説

方針・初手

(1) は、関数 $f(x)$ についての不等式証明である。各辺の差をとり、与えられた $x$ の範囲で符号を調べる。 (2) は、方程式 $f(x) - x = 0$ を解く。(3) で求める極限値の候補を見つけるための誘導である。分母を払って3次方程式に帰着させる。 (3) は、漸化式 $a_{n+1} = f(a_n)$ で定まる数列の極限である。(2) で求めた解 $\alpha$ に応じて場合分けを行い、帰納法による有界性の証明と、差分 $|a_{n+1} - \text{極限値}| \le r |a_n - \text{極限値}|$ ($0 < r < 1$) を用いたはさみうちの原理を組み合わせる。

解法1

(1) $0 < x < 1$ のとき、$x^2 > 0$ であるから以下が成り立つ。

$$f(x) = \frac{3x^2}{2x^2+1} > 0$$

また、$1 - f(x)$ を計算する。

$$\begin{aligned} 1 - f(x) &= 1 - \frac{3x^2}{2x^2+1} \\ &= \frac{2x^2+1-3x^2}{2x^2+1} \\ &= \frac{1-x^2}{2x^2+1} \end{aligned}$$

$0 < x < 1$ のとき、$1-x^2 > 0$ であり、$2x^2+1 > 0$ であるから、$1 - f(x) > 0$ すなわち $f(x) < 1$ である。 以上より、$0 < x < 1$ ならば $0 < f(x) < 1$ となることが示された。

(2) $f(x) - x = 0$ より、以下の式が成り立つ。

$$\frac{3x^2}{2x^2+1} - x = 0$$

両辺に $2x^2+1 \ (\neq 0)$ を掛けて整理する。

$$\begin{aligned} 3x^2 - x(2x^2+1) &= 0 \\ -2x^3 + 3x^2 - x &= 0 \\ -x(2x^2 - 3x + 1) &= 0 \\ -x(2x-1)(x-1) &= 0 \end{aligned}$$

これを解いて、求める $x$ は以下の通りである。

$$x = 0, \frac{1}{2}, 1$$

(3) (2) の結果から、数列 $\{a_n\}$ が収束する場合、その極限値は $0, \frac{1}{2}, 1$ のいずれかになると予想される。 関数 $f(x)$ を微分すると以下のようになる。

$$\begin{aligned} f'(x) &= \frac{6x(2x^2+1) - 3x^2(4x)}{(2x^2+1)^2} \\ &= \frac{12x^3+6x-12x^3}{(2x^2+1)^2} \\ &= \frac{6x}{(2x^2+1)^2} \end{aligned}$$

$x > 0$ において $f'(x) > 0$ であるため、$f(x)$ は $x \ge 0$ の範囲において単調増加関数である。 初期値 $\alpha$ の値によって、以下の3つの場合に分けて考える。

(i) $\alpha = \frac{1}{2}$ のとき

$a_1 = \frac{1}{2}$ である。 $a_k = \frac{1}{2}$ と仮定すると、$a_{k+1} = f\left(\frac{1}{2}\right) = \frac{3(1/4)}{2(1/4)+1} = \frac{3/4}{3/2} = \frac{1}{2}$ となる。 数学的帰納法により、すべての自然数 $n$ について $a_n = \frac{1}{2}$ であるから、極限は以下の通りである。

$$\lim_{n \to \infty} a_n = \frac{1}{2}$$

(ii) $0 < \alpha < \frac{1}{2}$ のとき

まず、数学的帰納法により、すべての自然数 $n$ について $0 < a_n < \frac{1}{2}$ であることを示す。 $n=1$ のとき、$0 < a_1 = \alpha < \frac{1}{2}$ より成立する。 $n=k$ のとき、$0 < a_k < \frac{1}{2}$ を仮定する。$f(x)$ は単調増加であるから、以下の不等式が成り立つ。

$$f(0) < f(a_k) < f\left(\frac{1}{2}\right)$$

すなわち $0 < a_{k+1} < \frac{1}{2}$ となり、$n=k+1$ のときも成立する。 したがって、すべての自然数 $n$ について $0 < a_n < \frac{1}{2}$ である。

次に、極限値 $0$ に収束することを示すため、$a_n$ の減衰を評価する。

$$a_{n+1} = \frac{3a_n^2}{2a_n^2+1} = a_n \cdot \frac{3a_n}{2a_n^2+1}$$

ここで、$h(x) = \frac{3x}{2x^2+1}$ とおくと、その導関数は以下の通りである。

$$h'(x) = \frac{3(2x^2+1) - 3x(4x)}{(2x^2+1)^2} = \frac{3(1-2x^2)}{(2x^2+1)^2}$$

$0 < x < \frac{1}{2}$ の範囲において $x^2 < \frac{1}{4}$ であるから $1-2x^2 > 0$ となり、$h'(x) > 0$ である。よって $h(x)$ はこの範囲で単調増加である。 また、(2) の計算過程より $f(x) - x = \frac{-x(2x-1)(x-1)}{2x^2+1}$ であり、$0 < x < \frac{1}{2}$ のとき $2x-1 < 0, x-1 < 0$ より $f(x) - x < 0$、すなわち $a_{n+1} < a_n$ となる。 したがって数列 $\{a_n\}$ は単調減少であるから、$a_n \le a_1 = \alpha$ となる。 $h(x)$ の単調増加性より、$h(a_n) \le h(\alpha)$ が成り立つ。 $r = h(\alpha)$ とおくと、$0 < \alpha < \frac{1}{2}$ より $0 < r < h\left(\frac{1}{2}\right) = 1$ である。

$$a_{n+1} = a_n h(a_n) \le r a_n$$

この不等式を繰り返し用いると、以下の評価が得られる。

$$0 < a_n \le r^{n-1} a_1$$

$0 < r < 1$ であるから $\lim_{n \to \infty} r^{n-1} a_1 = 0$ となる。 はさみうちの原理より、以下の極限が導かれる。

$$\lim_{n \to \infty} a_n = 0$$

(iii) $\frac{1}{2} < \alpha < 1$ のとき

(ii) と同様に数学的帰納法と $f(x)$ の単調増加性を用いると、すべての自然数 $n$ について $\frac{1}{2} < a_n < 1$ であることが示される。 極限値 $1$ に収束することを示すため、$1 - a_n$ の減衰を評価する。

$$\begin{aligned} 1 - a_{n+1} &= 1 - \frac{3a_n^2}{2a_n^2+1} \\ &= \frac{1-a_n^2}{2a_n^2+1} \\ &= (1 - a_n) \frac{1+a_n}{2a_n^2+1} \end{aligned}$$

ここで、$k(x) = \frac{1+x}{2x^2+1}$ とおくと、その導関数は以下の通りである。

$$k'(x) = \frac{1(2x^2+1) - (1+x)(4x)}{(2x^2+1)^2} = \frac{-2x^2-4x+1}{(2x^2+1)^2}$$

$\frac{1}{2} < x < 1$ のとき、$-2x^2-4x+1 < -2\left(\frac{1}{4}\right) - 4\left(\frac{1}{2}\right) + 1 = -\frac{3}{2} < 0$ となる。 よって $k(x)$ はこの範囲で単調減少である。 また、$\frac{1}{2} < x < 1$ のとき、$f(x) - x = \frac{-x(2x-1)(x-1)}{2x^2+1}$ について、$2x-1 > 0, x-1 < 0$ より $f(x) - x > 0$、すなわち $a_{n+1} > a_n$ となる。 したがって数列 $\{a_n\}$ は単調増加であるから、$a_n \ge a_1 = \alpha$ となる。 $k(x)$ の単調減少性より、$k(a_n) \le k(\alpha)$ が成り立つ。 $R = k(\alpha)$ とおくと、$\frac{1}{2} < \alpha < 1$ より $R = k(\alpha) < k\left(\frac{1}{2}\right) = \frac{1+1/2}{2(1/4)+1} = 1$ である。また $a_n > 0$ より $k(a_n) > 0$ なので $R > 0$ である。

$$1 - a_{n+1} = (1 - a_n) k(a_n) \le R (1 - a_n)$$

この不等式を繰り返し用いると、以下の評価が得られる。

$$0 < 1 - a_n \le R^{n-1} (1 - a_1)$$

$0 < R < 1$ であるから $\lim_{n \to \infty} R^{n-1} (1 - a_1) = 0$ となる。 はさみうちの原理より $\lim_{n \to \infty} (1 - a_n) = 0$ となるため、以下の極限が導かれる。

$$\lim_{n \to \infty} a_n = 1$$

解説

非線形漸化式で定まる数列の極限を求める、大学入試における典型的な頻出テーマである。 (1) と (2) の結果は、(3) を解くための強力な誘導となっている。(1) は数列の有界性を保証し、(2) は極限値の候補となる $x$ を特定する役割を果たす。 漸化式の極限においては、$|a_{n+1} - \alpha| \le r |a_n - \alpha|$(ただし $0 < r < 1$)という形を作り、はさみうちの原理を利用するのが定石である。本問では等比数列の公比にあたる部分が定数ではなく $a_n$ に依存する式となるため、数列自体の単調性を利用して、その係数部分を $1$ より小さい定数 $r$ や $R$ で厳密に上から押さえる論証が求められる。

答え

(1) 略(解答群の通り)

(2)

$x = 0$

$x = \frac{1}{2}$

$x = 1$

(3)

$\alpha = \frac{1}{2}$ のとき、$\lim_{n \to \infty} a_n = \frac{1}{2}$

$0 < \alpha < \frac{1}{2}$ のとき、$\lim_{n \to \infty} a_n = 0$

$\frac{1}{2} < \alpha < 1$ のとき、$\lim_{n \to \infty} a_n = 1$

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