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京都大学 2007年 理系 第2問(乙) 解説

数学3/極限数学B/数列テーマ/軌跡・領域テーマ/漸化式
京都大学 2007年 理系 第2問(乙) 解説

方針・初手

漸化式 $a_{n+1} = x a_n + y^{n+1}$ の両辺を $x^{n+1}$ で割ることで階差数列の形に持ち込み、一般項 $a_n$ を求めます。

求めた一般項の式において、$n \to \infty$ としたときの極限が有限の値に確定するような $x, y$ の条件を場合分けして調べます。

問題文より $x, y$ は「相異なる正の実数」であること(すなわち $x > 0, y > 0, x \neq y$)に注意して処理します。

解法1

漸化式 $a_{n+1} = x a_n + y^{n+1}$ の両辺を $x^{n+1}$ で割ると、

$$ \frac{a_{n+1}}{x^{n+1}} = \frac{a_n}{x^n} + \left( \frac{y}{x} \right)^{n+1} $$

$b_n = \dfrac{a_n}{x^n}$ とおくと、

$$ b_{n+1} - b_n = \left( \frac{y}{x} \right)^{n+1} $$

$b_1 = \dfrac{a_1}{x} = 0$ であるから、$n \geqq 2$ のとき、

$$ b_n = b_1 + \sum_{k=1}^{n-1} \left( \frac{y}{x} \right)^{k+1} = \sum_{k=1}^{n-1} \left( \frac{y}{x} \right)^{k+1} $$

問題の条件より $x \neq y$ であるから $\dfrac{y}{x} \neq 1$ である。

したがって、これは初項 $\left(\dfrac{y}{x}\right)^2$、公比 $\dfrac{y}{x}$、項数 $n-1$ の等比数列の和として計算でき、

$$ b_n = \frac{\left(\frac{y}{x}\right)^2 \left\{ 1 - \left(\frac{y}{x}\right)^{n-1} \right\}}{1 - \frac{y}{x}} = \frac{y^2(x^{n-1} - y^{n-1})}{x^n(x-y)} $$

よって、一般項 $a_n = x^n b_n$ より、

$$ a_n = \frac{y^2(x^{n-1} - y^{n-1})}{x-y} $$

(これは $n=1$ のときも $a_1 = 0$ となり成り立つ)

次に、$\lim_{n \to \infty} a_n$ が有限の値に収束する条件を考える。

$$ a_n = \frac{y^2}{x-y} x^{n-1} - \frac{y^2}{x-y} y^{n-1} $$

であり、係数 $\dfrac{y^2}{x-y}$ は $0$ ではない定数であるため、等比数列 $\{x^{n-1}\}$ と $\{y^{n-1}\}$ の極限がどうなるかで場合分けする。

(i) $0 < x \leqq 1$ かつ $0 < y \leqq 1$ のとき(ただし $x \neq y$)

$x^{n-1}$ は $0$ または $1$ に収束し、$y^{n-1}$ も $0$ または $1$ に収束する。

したがって、$x^{n-1} - y^{n-1}$ も有限の値に収束し、$a_n$ は有限の値に収束する。

(ii) $x > 1$ または $y > 1$ のとき

$x$ と $y$ の大小関係で分ける。

$$ a_n = \frac{y^2}{x-y} x^{n-1} \left\{ 1 - \left(\frac{y}{x}\right)^{n-1} \right\} $$

$0 < \dfrac{y}{x} < 1$ より $\lim_{n \to \infty} \left(\dfrac{y}{x}\right)^{n-1} = 0$ であり、$\lim_{n \to \infty} x^{n-1} = \infty$、$\dfrac{y^2}{x-y} > 0$ であるから、$\lim_{n \to \infty} a_n = \infty$ となり発散する。

$$ a_n = \frac{y^2}{y-x} y^{n-1} \left\{ 1 - \left(\frac{x}{y}\right)^{n-1} \right\} $$

$0 < \dfrac{x}{y} < 1$ より $\lim_{n \to \infty} \left(\dfrac{x}{y}\right)^{n-1} = 0$ であり、$\lim_{n \to \infty} y^{n-1} = \infty$、$\dfrac{y^2}{y-x} > 0$ であるから、$\lim_{n \to \infty} a_n = \infty$ となり発散する。

以上 (i), (ii) より、$\lim_{n \to \infty} a_n$ が有限の値に収束するための必要十分条件は、

$$ 0 < x \leqq 1 \text{ かつ } 0 < y \leqq 1 \text{ かつ } x \neq y $$

である。

解説

$a_{n+1} = p a_n + q^n$ 型の漸化式は、両辺を $p^{n+1}$ または $q^{n+1}$ で割ることで階差数列に帰着させるのが定石です。

$x^n - y^n$ のような複数の累乗を含む式の極限を考える際、両方が収束する場合はそのまま極限をとれますが、片方または両方が発散する場合は「底の大きい方でくくり出す」ことで不定形を解消し、発散することを厳密に示すことができます。

領域を図示する際は、問題文の前提条件である「正の実数($x>0, y>0$)」と「相異なる($x \neq y$)」を見落とさないよう注意が必要です。

答え

求める領域の条件は

$$ 0 < x \leqq 1 \text{ かつ } 0 < y \leqq 1 \text{ かつ } x \neq y $$

である。これを図示すると、$xy$ 平面上の点 $(0,0), (1,0), (1,1), (0,1)$ を頂点とする正方形の内部(ただし、境界線は $x=1\ (0 < y < 1)$ および $y=1\ (0 < x < 1)$ のみ含み、辺 $x=0, y=0$ は含まない。また、直線 $y=x$ 上の点も含まない)となる領域。

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