数学3 数列・極限 問題 30 解説

方針・初手
与えられた連立漸化式を解き、$n \to \infty$ としたときの極限を求める。式の対称性に注目し、2式の和と差をそれぞれ計算することで、$x_n + y_n$ と $x_n - y_n$ に関する漸化式を導くのがよい。
解法1
与えられた漸化式は以下の通りである。
$$\begin{cases} x_{n+1} = \frac{2}{3}x_n + \frac{1}{3}y_n & \cdots (1) \\ y_{n+1} = \frac{1}{3}x_n + \frac{2}{3}y_n & \cdots (2) \end{cases}$$
(1) と (2) の辺々を足すと、次式を得る。
$$x_{n+1} + y_{n+1} = \left(\frac{2}{3} + \frac{1}{3}\right)x_n + \left(\frac{1}{3} + \frac{2}{3}\right)y_n$$
$$x_{n+1} + y_{n+1} = x_n + y_n$$
これより、数列 $\{x_n + y_n\}$ はすべての $n$ において一定の値をとる定数数列であることがわかる。したがって、
$$x_n + y_n = x_0 + y_0 \quad \cdots (3)$$
次に、(1) から (2) の辺々を引くと、次式を得る。
$$x_{n+1} - y_{n+1} = \left(\frac{2}{3} - \frac{1}{3}\right)x_n + \left(\frac{1}{3} - \frac{2}{3}\right)y_n$$
$$x_{n+1} - y_{n+1} = \frac{1}{3}(x_n - y_n)$$
これより、数列 $\{x_n - y_n\}$ は初項 $x_0 - y_0$、公比 $\frac{1}{3}$ の等比数列であることがわかる。したがって、
$$x_n - y_n = (x_0 - y_0) \left(\frac{1}{3}\right)^n \quad \cdots (4)$$
(3) と (4) の辺々を足すと、
$$2x_n = (x_0 + y_0) + (x_0 - y_0) \left(\frac{1}{3}\right)^n$$
よって、$x_n$ は次のように表される。
$$x_n = \frac{1}{2} \left\{ (x_0 + y_0) + (x_0 - y_0) \left(\frac{1}{3}\right)^n \right\}$$
また、(3) から (4) の辺々を引くと、
$$2y_n = (x_0 + y_0) - (x_0 - y_0) \left(\frac{1}{3}\right)^n$$
よって、$y_n$ は次のように表される。
$$y_n = \frac{1}{2} \left\{ (x_0 + y_0) - (x_0 - y_0) \left(\frac{1}{3}\right)^n \right\}$$
ここで、$n$ が限りなく増すとき、$n \to \infty$ において $\left(\frac{1}{3}\right)^n \to 0$ であるから、各座標の極限値はそれぞれ次のようになる。
$$\lim_{n \to \infty} x_n = \frac{x_0 + y_0}{2}$$
$$\lim_{n \to \infty} y_n = \frac{x_0 + y_0}{2}$$
したがって、点 $P_n$ は点 $\left( \frac{x_0+y_0}{2}, \frac{x_0+y_0}{2} \right)$ に近づく。
解説
2項間の連立漸化式を解く基本的な問題である。本問のように $x_n$ と $y_n$ の係数が対称的な場合は、2式の和と差をとることで独立した漸化式に分解し、容易に一般項を求めることができる。また、係数の和が $1$ になることは「確率推移」のモデルと見なすこともでき、極限においてある一定の平衡状態に収束することを示唆している。計算量も少なく、連立漸化式の基礎的な解法を確認するのに適した良問である。
答え
$(x, y) = \left( \frac{x_0+y_0}{2}, \frac{x_0+y_0}{2} \right)$
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