数学3 数列・極限 問題 51 解説

方針・初手
(1) は「すべての自然数 $n$ に対し」という命題であるため、数学的帰納法を用いて証明するのが自然な発想である。
(2) は、(1) で証明した式変形をヒントにする。$a_{n+1} - 2$ を $a_n$ で表した式において両辺の逆数をとることで、指定された $b_n$ の隣接2項間漸化式を導出できる。
(3) は、(2) で求めた $b_n$ の一般項を用いて $a_n$ の一般項を表し、極限を計算する。
解法1
(1)
すべての自然数 $n$ に対し、$a_n > 2$ であることを数学的帰納法で示す。
(i) $n=1$ のとき 与えられた条件より $a_1 = 3$ であり、$3 > 2$ より成り立つ。
(ii) $n=k$ ($k$ は自然数) のとき $a_k > 2$ が成り立つと仮定する。 $n=k+1$ のときの $a_{k+1} - 2$ の符号を調べる。与えられた漸化式より、
$$a_{k+1} - 2 = \frac{5a_k - 4}{2a_k - 1} - 2$$
$$a_{k+1} - 2 = \frac{5a_k - 4 - 2(2a_k - 1)}{2a_k - 1}$$
$$a_{k+1} - 2 = \frac{a_k - 2}{2a_k - 1}$$
仮定 $a_k > 2$ より分子は $a_k - 2 > 0$ であり、分母は $2a_k - 1 > 2 \cdot 2 - 1 = 3 > 0$ であるから、
$$\frac{a_k - 2}{2a_k - 1} > 0$$
したがって、$a_{k+1} - 2 > 0$ すなわち $a_{k+1} > 2$ となり、$n=k+1$ のときも成り立つ。
(i), (ii) より、すべての自然数 $n$ に対して $a_n > 2$ が成り立つ。
(2)
(1) の計算過程より、すべての自然数 $n$ において以下の式が成り立つ。
$$a_{n+1} - 2 = \frac{a_n - 2}{2a_n - 1}$$
(1) の結果よりすべての自然数 $n$ で $a_n > 2$ すなわち $a_n - 2 \neq 0$ であるため、両辺の逆数をとることができる。
$$\frac{1}{a_{n+1} - 2} = \frac{2a_n - 1}{a_n - 2}$$
右辺の分子を $a_n - 2$ をくくり出す形に変形する。
$$\frac{1}{a_{n+1} - 2} = \frac{2(a_n - 2) + 3}{a_n - 2}$$
$$\frac{1}{a_{n+1} - 2} = \frac{3}{a_n - 2} + 2$$
ここで、$b_n = \frac{1}{a_n - 2}$ とおくと、上記の式は次のように表される。
$$b_{n+1} = 3b_n + 2$$
この漸化式を変形すると、
$$b_{n+1} + 1 = 3(b_n + 1)$$
よって、数列 $\{b_n + 1\}$ は等比数列となる。その初項は、
$$b_1 + 1 = \frac{1}{a_1 - 2} + 1 = \frac{1}{3 - 2} + 1 = 2$$
公比は $3$ であるから、数列 $\{b_n + 1\}$ の一般項は、
$$b_n + 1 = 2 \cdot 3^{n-1}$$
したがって、求める一般項 $b_n$ は、
$$b_n = 2 \cdot 3^{n-1} - 1$$
(3)
$b_n = \frac{1}{a_n - 2}$ であるから、これを $a_n$ について解く。
$$a_n - 2 = \frac{1}{b_n}$$
$$a_n = 2 + \frac{1}{b_n}$$
(2) で求めた $b_n$ の結果を代入する。
$$a_n = 2 + \frac{1}{2 \cdot 3^{n-1} - 1}$$
$n \to \infty$ のとき、$3^{n-1} \to \infty$ となるため、
$$\lim_{n \to \infty} a_n = \lim_{n \to \infty} \left( 2 + \frac{1}{2 \cdot 3^{n-1} - 1} \right) = 2 + 0 = 2$$
解説
分数型の漸化式 $a_{n+1} = \frac{pa_n + q}{ra_n + s}$ における典型的な誘導問題である。本問のように特性方程式 $x = \frac{5x - 4}{2x - 1}$ が重解 $x=2$ を持つ場合、一般に $b_n = \frac{1}{a_n - 2}$ と置換することで、等差数列または本問のような $b_{n+1} = pb_n + q$ 型の漸化式に帰着させることができる。
(1) の証明は単なる性質の確認だけでなく、(2) で両辺の逆数をとる際に「分母が $0$ にならないこと」を保証するための重要な数学的準備となっている。
答え
(1) 解法1に記載の通り、数学的帰納法により証明される。
(2) $b_n = 2 \cdot 3^{n-1} - 1$
(3) $2$
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