数学A 場合の数 問題 49 解説

方針・初手
与えられた ${}*nP_r$ は「連続する $r$ 個の整数の積」である。差をとると共通因数が現れるので、まず ${}*{k+1}P_{r+1}-{}*kP*{r+1}$ を直接計算する。
その後、(2) は (1) の結果を和にして望ましい形にする。つまり、階差の形に直して望遠和を作るのが基本方針である。
解法1
(1)
$k>r$ より、${}*{k+1}P*{r+1}$ と ${}*kP*{r+1}$ はともに定義される。
定義より、
$$ {}*{k+1}P*{r+1}=(k+1)k(k-1)\cdots(k-r+1) $$
また、
$$ {}*kP*{r+1}=k(k-1)\cdots(k-r+1)(k-r) $$
である。共通因数 $k(k-1)\cdots(k-r+1)={}_kP_r$ をくくると、
$$ \begin{aligned} {}*{k+1}P*{r+1}-{}*kP*{r+1} &={}_kP_r{(k+1)-(k-r)} \\ &={}_kP_r(r+1) \end{aligned} $$
したがって、
$$ {}*kP_r=\frac{1}{r+1}\left({}*{k+1}P_{r+1}-{}*kP*{r+1}\right) $$
が成り立つ。
(2)
(1) は $k>r$ のときに使える。したがって、初項 ${}_rP_r$ は別に扱う。
まず、
$$ {}_rP_r=r! $$
であり、
$$ {}*{r+1}P*{r+1}=(r+1)! $$
だから、
$$ {}*rP_r=\frac{{}*{r+1}P_{r+1}}{r+1} $$
である。
次に、$k=r+1,r+2,\ldots,n+r-1$ に対して (1) を用いると、
$$ {}*kP_r=\frac{1}{r+1}\left({}*{k+1}P_{r+1}-{}*kP*{r+1}\right) $$
である。よって、
$$ \begin{aligned} {}*rP_r+{}*{r+1}P_r+\cdots+{}*{n+r-1}P_r &=\frac{{}*{r+1}P_{r+1}}{r+1} +\frac{1}{r+1}\sum_{k=r+1}^{n+r-1}\left({}*{k+1}P*{r+1}-{}*kP*{r+1}\right) \end{aligned} $$
右辺の和は望遠和になるので、
$$ \sum_{k=r+1}^{n+r-1}\left({}*{k+1}P*{r+1}-{}*kP*{r+1}\right) ={}*{n+r}P*{r+1}-{}*{r+1}P*{r+1} $$
である。したがって、
$$ \begin{aligned} {}*rP_r+{}*{r+1}P_r+\cdots+{}*{n+r-1}P_r &=\frac{{}*{r+1}P_{r+1}}{r+1} +\frac{{}*{n+r}P*{r+1}-{}*{r+1}P*{r+1}}{r+1} \\ &=\frac{{}*{n+r}P*{r+1}}{r+1} \end{aligned} $$
となる。
(3)
各項を $k$ の多項式として展開する。
まず、
$$ {}_{k+3}P_4=(k+3)(k+2)(k+1)k $$
より、
$$ {}_{k+3}P_4=k^4+6k^3+11k^2+6k $$
である。また、
$$ {}_{k+2}P_3=(k+2)(k+1)k=k^3+3k^2+2k $$
$$ {}_{k+1}P_2=(k+1)k=k^2+k $$
$$ {}_kP_1=k $$
である。
したがって、与えられた等式の右辺は、
$$ \begin{aligned} &{}*{k+3}P_4+A{}*{k+2}P_3+B{}_{k+1}P_2+C{}_kP_1 \\ &=k^4+(6+A)k^3+(11+3A+B)k^2+(6+2A+B+C)k \end{aligned} $$
である。これがすべての自然数 $k$ に対して $k^4$ に等しいためには、
$$ \begin{cases} 6+A=0 \\ 11+3A+B=0 \\ 6+2A+B+C=0 \end{cases} $$
を満たせばよい。
順に解くと、
$$ A=-6 $$
$$ 11+3(-6)+B=0 $$
より、
$$ B=7 $$
さらに、
$$ 6+2(-6)+7+C=0 $$
より、
$$ C=-1 $$
である。
(4)
(3) より、
$$ k^4={}*{k+3}P_4-6{}*{k+2}P_3+7{}_{k+1}P_2-{}_kP_1 $$
である。これを $k=1,2,\ldots,n$ について和をとる。
$$ \sum_{k=1}^n k^4 =\sum_{k=1}^n {}*{k+3}P_4 -6\sum*{k=1}^n {}*{k+2}P_3 +7\sum*{k=1}^n {}*{k+1}P_2 -\sum*{k=1}^n {}_kP_1 $$
(2) を用いると、
$$ \sum_{k=1}^n {}*{k+3}P_4 =\sum*{j=4}^{n+3} {}*jP_4 =\frac{{}*{n+4}P_5}{5} $$
$$ \sum_{k=1}^n {}*{k+2}P_3 =\sum*{j=3}^{n+2} {}*jP_3 =\frac{{}*{n+3}P_4}{4} $$
$$ \sum_{k=1}^n {}*{k+1}P_2 =\sum*{j=2}^{n+1} {}*jP_2 =\frac{{}*{n+2}P_3}{3} $$
$$ \sum_{k=1}^n {}*kP_1 =\frac{{}*{n+1}P_2}{2} $$
である。よって、
$$ \sum_{k=1}^n k^4 =\frac{{}*{n+4}P_5}{5} -\frac{6{}*{n+3}P_4}{4} +\frac{7{}*{n+2}P_3}{3} -\frac{{}*{n+1}P_2}{2} $$
ここで、
$$ {}_{n+4}P_5=(n+4)(n+3)(n+2)(n+1)n $$
$$ {}_{n+3}P_4=(n+3)(n+2)(n+1)n $$
$$ {}_{n+2}P_3=(n+2)(n+1)n $$
$$ {}_{n+1}P_2=(n+1)n $$
だから、$n(n+1)$ をくくると、
$$ \begin{aligned} \sum_{k=1}^n k^4 &=n(n+1)\left\{ \frac{(n+4)(n+3)(n+2)}{5} -\frac{3(n+3)(n+2)}{2} +\frac{7(n+2)}{3} -\frac{1}{2} \right\} \end{aligned} $$
中かっこ内を整理する。
$$ \begin{aligned} &\frac{(n+4)(n+3)(n+2)}{5} -\frac{3(n+3)(n+2)}{2} +\frac{7(n+2)}{3} -\frac{1}{2} \\ &=\frac{6(n+4)(n+3)(n+2)-45(n+3)(n+2)+70(n+2)-15}{30} \\ &=\frac{6n^3+9n^2+n-1}{30} \end{aligned} $$
したがって、
$$ \sum_{k=1}^n k^4 =\frac{n(n+1)(6n^3+9n^2+n-1)}{30} $$
一方、
$$ 1+2+\cdots+n=\frac{n(n+1)}{2} $$
である。よって、
$$ \begin{aligned} \frac{1^4+2^4+\cdots+n^4}{1+2+\cdots+n} &=\frac{\dfrac{n(n+1)(6n^3+9n^2+n-1)}{30}}{\dfrac{n(n+1)}{2}} \\ &=\frac{6n^3+9n^2+n-1}{15} \end{aligned} $$
これは $n$ の $3$ 次式である。
解説
この問題の中心は、順列 ${}_nP_r$ を階差の形に変形することである。
(1) の式は、${}*{k+1}P*{r+1}$ と ${}*kP*{r+1}$ の差をとると共通因数 ${}_kP_r$ が現れることを利用している。この形にできれば、(2) は望遠和として処理できる。
(3) は $k^4$ を順列記号の線形結合で表す問題であり、(4) で和を簡単に求めるための準備である。通常の累乗和公式を直接使うのではなく、(2) の結果に接続できる形へ変形している点が重要である。
答え
(1)
$$ {}*kP_r=\frac{1}{r+1}\left({}*{k+1}P_{r+1}-{}*kP*{r+1}\right) $$
が成り立つ。
(2)
$$ {}*rP_r+{}*{r+1}P_r+{}*{r+2}P_r+\cdots+{}*{n+r-1}P_r =\frac{{}*{n+r}P*{r+1}}{r+1} $$
が成り立つ。
(3)
$$ A=-6,\qquad B=7,\qquad C=-1 $$
(4)
$$ \frac{1^4+2^4+3^4+\cdots+n^4}{1+2+3+\cdots+n} =\frac{6n^3+9n^2+n-1}{15} $$
自分の記録
誤りを報告
問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





