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北海道大学 2025年 理系 第5問 解説

数学A/場合の数数学A/整数問題数学1/方程式不等式テーマ/不等式の証明
北海道大学 2025年 理系 第5問 解説

方針・初手

(1)は、与えられた不等式を満たす整数の組が、ある区間から異なる3つの整数を選ぶ組み合わせに等しいことを見抜きます。 (2)は(1)の形を利用し、特定の部分集合から選んだ組が常に $a+b>c$ を満たすことを示します。その上で、その部分集合以外にも条件を満たす組が少なくとも1つ存在することを具体的に挙げることで、真の不等式($>$)を証明します。

解法1

(1)

条件 $k < a < b < c \leqq k+n$ を満たす整数 $a, b, c$ は、$k+1$ 以上 $k+n$ 以下の $n$ 個の整数の中から異なる3つを選び、小さい順に $a, b, c$ と割り当てたものと1対1に対応する。 したがって、求める選び方の総数は、$n$ 個のものから3個を選ぶ組合せの総数に等しい。 よって、

$$ {}_n\text{C}_3 = \frac{n(n-1)(n-2)}{6} $$

(2)

(1)において、$k=n$ とした場合を考える。このとき、選ばれる整数の集合は $S = \{n+1, n+2, \dots, 2n\}$ となる。 $S$ に含まれる $n$ 個の整数の中から異なる3つを選び、小さい順に $a, b, c$ としたとき、その選び方は ${}_n\text{C}_3$ 通りある。 これらはすべて $n < a < b < c \leqq 2n$ を満たすため、当然 $1 \leqq a < b < c \leqq 2n$ を満たす。

次に、この $S$ から選ばれた任意の組 $(a, b, c)$ について、$a+b > c$ が成り立つことを示す。 $a, b, c \in S$ かつ $a < b < c$ であるから、最小の数 $a$ は $a \geqq n+1$ であり、$b > a$ より $b \geqq n+2$ である。 ゆえに、

$$ a+b \geqq (n+1)+(n+2) = 2n+3 $$

となる。一方で、$c$ は $S$ の要素であるから $c \leqq 2n$ である。 したがって、

$$ a+b \geqq 2n+3 > 2n \geqq c $$

となり、$a+b > c$ が常に成り立つ。 すなわち、$S$ から選ばれた ${}_n\text{C}_3$ 通りの組はすべて、問題の条件である $1 \leqq a < b < c \leqq 2n$ と $a+b > c$ を満たす。

さらに、$S$ に含まれない要素を持つ組として、$(a, b, c) = (n, n+1, n+2)$ を考える。 $n \geqq 3$ であるから、

$$ 1 \leqq n < n+1 < n+2 \leqq 2n $$

が成り立つ(右側の不等式 $n+2 \leqq 2n$ は $n \geqq 2$ より成立する)。 また、$a+b = 2n+1$、$c = n+2$ であり、$n \geqq 3$ より $2n+1 > n+2$ となるため、$a+b > c$ も満たす。 この組は $a = n \notin S$ であるため、$S$ から選ばれた ${}_n\text{C}_3$ 通りの組とは異なる、条件を満たす組である。

以上より、条件を満たす組の総数 $L$ は、$S$ から選ばれる ${}_n\text{C}_3$ 通りと、少なくともそれ以外の1通りを合わせた数以上存在することがわかる。 したがって、

$$ L \geqq {}_n\text{C}_3 + 1 > {}_n\text{C}_3 $$

が成り立ち、$L > {}_n\text{C}_3$ であることが示された。

解説

「特定の部分集合での選び方を数え上げ、それ以外にも条件を満たすものが存在することを示す」という論理展開がカギとなる問題です。 (1)が(2)の誘導になっており、$k=n$ を代入した範囲に注目できれば見通しが良くなります。等号を含まない真の不等式($>$)を示すためには、「少なくとも1つの反例(別枠の存在)」を提示する点がポイントです。本解答では $a=n$ を含むものを具体例として挙げました。

答え

(1)

$$ \frac{n(n-1)(n-2)}{6} $$

(2)

$$ L > {}_n\text{C}_3 $$

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