トップ 京都大学 2024年 理系 第6問

京都大学 2024年 理系 第6問 解説

数学A/場合の数数学A/整数問題数学3/極限数学2/指数対数
京都大学 2024年 理系 第6問 解説

方針・初手

$a_k$ の「整数部分の桁数」および「最高位の数字」に関する条件を、常用対数 $\log_{10} a_k$ を用いた不等式に言い換えます。 $k$ についての不等式を導き、条件を満たす $k$ の範囲(区間)の長さを評価します。極限計算においては、実数区間に含まれる整数の個数とその区間の長さの差が $1$ 未満に収まることを利用し、はさみうちの原理に持ち込みます。

解法1

$a_k = 2^{\sqrt{k}}$ とする。底が $10$ の常用対数をとると、

$$ \log_{10} a_k = \log_{10} 2^{\sqrt{k}} = \sqrt{k} \log_{10} 2 $$

ここで、記述を簡潔にするため $p = \frac{1}{\log_{10} 2}$ とおく。

($N_n$ について)

$a_k$ の整数部分が $n$ 桁であるための条件は、

$$ 10^{n-1} \leqq a_k < 10^n $$

各辺の常用対数をとると、

$$ n-1 \leqq \log_{10} a_k < n $$

$$ n-1 \leqq \sqrt{k} \log_{10} 2 < n $$

$$ \frac{n-1}{\log_{10} 2} \leqq \sqrt{k} < \frac{n}{\log_{10} 2} $$

$p$ を用いて表し、各辺を2乗すると

$$ p^2 (n-1)^2 \leqq k < p^2 n^2 \quad \cdots \text{①} $$

$N_n$ は、この不等式を満たす自然数 $k$ の個数である。 区間 $[p^2 (n-1)^2, p^2 n^2)$ の長さを $w_N$ とすると、

$$ w_N = p^2 n^2 - p^2 (n-1)^2 = p^2 (2n - 1) $$

実数の半開区間 $[A, B)$ に含まれる整数の個数は、区間の長さ $B-A$ に対して $(B-A) - 1$ より大きく $(B-A) + 1$ 未満となるため、

$$ w_N - 1 < N_n < w_N + 1 $$

すなわち

$$ p^2(2n-1) - 1 < N_n < p^2(2n-1) + 1 $$

各辺を $n$ で割ると、

$$ p^2\left(2 - \frac{1}{n}\right) - \frac{1}{n} < \frac{N_n}{n} < p^2\left(2 - \frac{1}{n}\right) + \frac{1}{n} $$

$n \to \infty$ のとき、両辺はともに $2p^2$ に収束するため、はさみうちの原理より

$$ \lim_{n \to \infty} \frac{N_n}{n} = 2p^2 \quad \cdots \text{②} $$

($L_n$ について)

$a_k$ の整数部分が $n$ 桁であり、その最高位の数字が $1$ であるための条件は、

$$ 1 \cdot 10^{n-1} \leqq a_k < 2 \cdot 10^{n-1} $$

各辺の常用対数をとると、

$$ n-1 \leqq \log_{10} a_k < n - 1 + \log_{10} 2 $$

$$ n-1 \leqq \sqrt{k} \log_{10} 2 < n - 1 + \log_{10} 2 $$

$$ \frac{n-1}{\log_{10} 2} \leqq \sqrt{k} < \frac{n-1}{\log_{10} 2} + 1 $$

$p$ を用いて表し、各辺を2乗すると

$$ p^2 (n-1)^2 \leqq k < \{p(n-1) + 1\}^2 \quad \cdots \text{③} $$

$L_n$ は、この不等式を満たす自然数 $k$ の個数である。 区間 $[p^2 (n-1)^2, \{p(n-1) + 1\}^2)$ の長さを $w_L$ とすると、

$$ w_L = \{p(n-1) + 1\}^2 - p^2(n-1)^2 = 2p(n-1) + 1 $$

$N_n$ と同様に、

$$ w_L - 1 < L_n < w_L + 1 $$

すなわち

$$ 2p(n-1) < L_n < 2p(n-1) + 2 $$

各辺を $n$ で割ると、

$$ 2p\left(1 - \frac{1}{n}\right) < \frac{L_n}{n} < 2p\left(1 - \frac{1}{n}\right) + \frac{2}{n} $$

$n \to \infty$ のとき、両辺はともに $2p$ に収束するため、はさみうちの原理より

$$ \lim_{n \to \infty} \frac{L_n}{n} = 2p \quad \cdots \text{④} $$

(極限の計算)

求める極限は、②および④を用いて次のように計算できる。

$$ \lim_{n \to \infty} \frac{L_n}{N_n} = \lim_{n \to \infty} \frac{\frac{L_n}{n}}{\frac{N_n}{n}} = \frac{2p}{2p^2} = \frac{1}{p} $$

$p = \frac{1}{\log_{10} 2}$ であったから、

$$ \lim_{n \to \infty} \frac{L_n}{N_n} = \log_{10} 2 $$

解説

「整数の桁数」や「最高位の数字」から常用対数をとって不等式評価を行う、という定石通りに進める問題です。 今回は $a_k = 2^{\sqrt{k}}$ と累乗部分に $\sqrt{k}$ が含まれているため、対数をとった後の不等式を $k$ について解く際に「2乗」の操作が入ります。これにより、区間の長さが定数ではなく $n$ の1次式($O(n)$)になります。 区間に含まれる整数の個数(格子点数)を数える際、ガウス記号を用いて厳密に立式することもできますが、本問のように極限を求めるだけであれば、「(区間の長さ) $- 1 <$ (整数の個数) $< $ (区間の長さ) $+ 1$」という事実を使って大まかに評価し、はさみうちの原理を用いるのが最も簡潔で見通しの良い手法です。

答え

$$ \log_{10} 2 $$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。