数学A 確率 問題 3 解説

方針・初手
赤玉の位置だけを追えばよい。特に重要なのは、$k=1,2,\ldots,N$ の操作の直前には、赤玉は番号 $k$ の箱には入っていないという点である。
この性質を使うと、最初の $N$ 回の操作では、赤玉が番号 $N+1$ の箱に残る確率だけを簡単に追跡できる。
解法1
$k=1,2,\ldots,N$ について、$k$ 回目の操作の直前に赤玉が番号 $k$ の箱に入っていないことを示す。
最初、赤玉は番号 $N+1$ の箱に入っているので、$k=1$ の操作の直前に赤玉は番号 $1$ の箱には入っていない。
また、$1,2,\ldots,k-1$ 回目までの操作では、それぞれ操作の対象となる箱の番号は $1,2,\ldots,k-1$ である。番号 $k$ の箱が選ばれて中身を交換されることはあり得るが、そのとき赤玉が移ってくるためには、交換相手である番号 $1,2,\ldots,k-1$ の箱に、各操作の直前に赤玉が入っている必要がある。
しかし、同じ議論により、各 $i=1,2,\ldots,k-1$ の操作直前には赤玉は番号 $i$ の箱に入っていない。したがって、番号 $k$ の箱に赤玉が移ることはない。
よって、$k=1,2,\ldots,N$ の操作の直前には、赤玉は番号 $k$ の箱に入っていない。
ここで、$k=1,2,\ldots,N$ の操作に注目する。この操作では、番号 $k$ 以外の $N$ 個の箱から $1$ 個を選ぶ。操作直前に赤玉は番号 $k$ の箱にないので、赤玉が番号 $N+1$ の箱に入っている場合、それがそのまま番号 $N+1$ に残るのは、番号 $N+1$ の箱が選ばれない場合である。
その確率は
$$ 1-\frac{1}{N}=\frac{N-1}{N} $$
である。
したがって、最初の $N$ 回の操作が終わった時点で、赤玉が番号 $N+1$ の箱に入っている確率は
$$ \left(\frac{N-1}{N}\right)^N $$
である。
最後に、$k=N+1$ の操作を考える。このとき番号 $N+1$ 以外の $N$ 個の箱から $1$ 個を選び、番号 $N+1$ の箱の中身と交換する。
この最後の操作後に赤玉が番号 $N+1$ の箱に入るためには、最後の操作の直前に赤玉が番号 $N+1$ の箱に入っていてはいけない。もし入っていれば、交換によって必ず外へ出てしまう。
最後の操作の直前に赤玉が番号 $N+1$ の箱に入っていない確率は
$$ 1-\left(\frac{N-1}{N}\right)^N $$
である。
このとき、赤玉は番号 $N+1$ 以外のどれか $1$ つの箱に入っている。最後の操作で、その赤玉の入っている箱が選ばれれば、赤玉は番号 $N+1$ の箱に移る。番号 $N+1$ 以外の $N$ 個の箱から一様に選ぶので、その確率は
$$ \frac{1}{N} $$
である。
よって、求める確率は
$$ \frac{1}{N}\left\{1-\left(\frac{N-1}{N}\right)^N\right\} $$
である。
解説
この問題では、すべての箱の状態を追う必要はない。赤玉だけを追跡すれば十分である。
最大のポイントは、$k=1,2,\ldots,N$ の操作直前に赤玉が番号 $k$ の箱に入っていないことである。これに気づくと、最初の $N$ 回では「赤玉が番号 $N+1$ に残る確率」が毎回 $\frac{N-1}{N}$ 倍されるだけになる。
最後の $N+1$ 回目の操作では、赤玉が直前に番号 $N+1$ にある場合は必ず外へ出るため、直前に番号 $N+1$ にない場合だけを考える必要がある。そのうえで、赤玉の入っている箱が選ばれる確率が $\frac{1}{N}$ である。
答え
$$ \boxed{\frac{1}{N}\left\{1-\left(\frac{N-1}{N}\right)^N\right\}} $$
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