数学A 確率 問題 41 解説

方針・初手
各回の移動を、正の向きへの移動を $+1$、負の向きへの移動を $-1$ と考える。したがって $X(n)$ は $n$ 回の移動の和であり、正の向きに進んだ回数を数えればよい。
(3) は「最終位置」ではなく「途中で一度も $0$ にならない」という条件なので、単に $X(6)\neq 0$ とするのは誤りである。
解法1
正の向きに進んだ回数を $a$、負の向きに進んだ回数を $b$ とする。このとき
$$ a+b=n,\qquad X(n)=a-b $$
である。
(1)
$X(8)=2$ となるには
$$ a+b=8,\qquad a-b=2 $$
を満たせばよい。これを解くと
$$ a=5,\qquad b=3 $$
である。
したがって、8回のうち正の向きに進む5回を選べばよいから、
$$ P(X(8)=2)={}_{8}\mathrm{C}_{5}\left(\frac{1}{2}\right)^8 =\frac{56}{256} =\frac{7}{32} $$
である。
(2)
$7$ 回移動したとき、正の向きに進んだ回数を $a$ とすると
$$ X(7)=a-(7-a)=2a-7 $$
である。よって
$$ |X(7)|=|2a-7| $$
となる。
$a=0,1,\dots,7$ について調べると、期待値は
$$ \begin{aligned} E(|X(7)|) &=\sum_{a=0}^{7}|2a-7|{}_{7}\mathrm{C}_{a}\left(\frac{1}{2}\right)^7 \\ &=\frac{1}{128}\left\{ 7{}_{7}\mathrm{C}_{0} +5{}_{7}\mathrm{C}_{1} +3{}_{7}\mathrm{C}_{2} +1{}_{7}\mathrm{C}_{3} +1{}_{7}\mathrm{C}_{4} +3{}_{7}\mathrm{C}_{5} +5{}_{7}\mathrm{C}_{6} +7{}_{7}\mathrm{C}_{7} \right\}. \end{aligned} $$
ここで
$$ {}_{7}\mathrm{C}_{0}=1,\quad {}_{7}\mathrm{C}_{1}=7,\quad {}_{7}\mathrm{C}_{2}=21,\quad {}_{7}\mathrm{C}_{3}=35 $$
であり、対称性を用いると
$$ \begin{aligned} E(|X(7)|) &=\frac{1}{128}{2\cdot 7\cdot 1+2\cdot 5\cdot 7+2\cdot 3\cdot 21+2\cdot 1\cdot 35} \\ &=\frac{1}{128}(14+70+126+70) \\ &=\frac{280}{128} \\ &=\frac{35}{16}. \end{aligned} $$
したがって
$$ E(|X(7)|)=\frac{35}{16} $$
である。
(3) 最初の移動後、点 $P$ は $1$ または $-1$ にある。対称性により、最初に $1$ に進んだ場合を数え、その2倍を考えればよい。
最初に $1$ に進んだ場合、以後6回目の移動終了まで一度も $O$ に戻らないためには、各時点で座標が常に正でなければならない。
まず1回目の移動後は座標 $1$ である。残り5回の移動で、座標が $0$ にならないように進む通り数を数える。
時刻ごとの可能な座標と通り数を追う。
1回目終了時:
$$ 1:1 $$
2回目終了時:
$$ 2:1 $$
3回目終了時:
$$ 1:1,\quad 3:1 $$
4回目終了時:
$$ 2:2,\quad 4:1 $$
5回目終了時:
$$ 1:2,\quad 3:3,\quad 5:1 $$
6回目終了時:
$$ 2:5,\quad 4:4,\quad 6:1 $$
したがって、最初に正の向きに進み、その後も一度も $0$ に戻らない通り数は
$$ 5+4+1=10 $$
通りである。
最初に負の向きに進む場合も同様に $10$ 通りあるので、条件を満たす全通り数は
$$ 10+10=20 $$
通りである。
6回の移動の全通り数は
$$ 2^6=64 $$
であるから、求める確率は
$$ \frac{20}{64}=\frac{5}{16} $$
である。
解説
(1) は二項分布の基本問題であり、「正の向きに何回進んだか」を決めればよい。
(2) は $X(7)$ の期待値ではなく $|X(7)|$ の期待値である点に注意する。単に対称性から $E(X(7))=0$ としてはいけない。絶対値を取るため、原点からの距離の平均を計算する問題になる。
(3) は途中経過に条件があるため、$X(6)\neq 0$ だけでは不十分である。例えば途中で一度 $0$ に戻ってから、6回目終了時に $2$ にいる場合は条件を満たさない。したがって、各時点で座標が $0$ にならないように通り数を数える必要がある。
答え
(1)
$$ \frac{7}{32} $$
(2)
$$ \frac{35}{16} $$
(3)
$$ \frac{5}{16} $$
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