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数学A 確率 問題 66 解説

数学A 確率 問題 66 解説

方針・初手

各粒子は独立に変化するので、時刻ごとの粒子数で場合分けする。

1個の粒子が1時間後に生じる粒子数を $Y$ とすると、

$$ P(Y=2)=\frac{1}{3},\quad P(Y=1)=\frac{1}{2},\quad P(Y=0)=\frac{1}{6} $$

である。粒子が複数あるときは、それぞれが独立にこの規則で変化する。

解法1

時刻 $t$ 時間後の粒子数を $X_t$ とする。最初は $X_0=1$ である。

(1) 2時間後に粒子が2個である確率

1時間後の粒子数で場合分けする。

(i)

$X_1=1$ の場合

この確率は $\frac{1}{2}$ である。この1個の粒子が次の1時間で2個になればよいから、その確率は $\frac{1}{3}$ である。

したがって、この場合の確率は

$$ \frac{1}{2}\cdot\frac{1}{3}=\frac{1}{6} $$

である。

(ii)

$X_1=2$ の場合

この確率は $\frac{1}{3}$ である。2個の粒子がそれぞれ変化して、合計2個になればよい。

2個の粒子の変化後の個数の組は

$$ (0,2),\ (1,1),\ (2,0) $$

である。よって、その確率は

$$ 2\cdot\frac{1}{6}\cdot\frac{1}{3}+\left(\frac{1}{2}\right)^2 =\frac{1}{9}+\frac{1}{4} =\frac{13}{36} $$

である。

したがって、この場合の確率は

$$ \frac{1}{3}\cdot\frac{13}{36} =\frac{13}{108} $$

である。

以上より、

$$ P(X_2=2) =\frac{1}{6}+\frac{13}{108} =\frac{18}{108}+\frac{13}{108} =\frac{31}{108} $$

である。

(2) 3時間後に粒子が5個である確率

2時間後の粒子数で場合分けする。

3時間後に5個になるには、2時間後の粒子数は $3$ 個または $4$ 個でなければならない。なぜなら、1個の粒子から1時間で最大2個しか生じないからである。

まず、$P(X_2=3)$ と $P(X_2=4)$ を求める。

$X_2=3$ となるには、1時間後に2個となり、その2個が次の1時間で合計3個になればよい。したがって、

$$ P(X_2=3) =\frac{1}{3}\cdot 2\cdot\frac{1}{2}\cdot\frac{1}{3} =\frac{1}{9} $$

である。

また、$X_2=4$ となるには、1時間後に2個となり、その2個がともに2個ずつになればよい。したがって、

$$ P(X_2=4) =\frac{1}{3}\cdot\left(\frac{1}{3}\right)^2 =\frac{1}{27} $$

である。

次に、それぞれの場合から3時間後に5個になる確率を求める。

(i)

$X_2=3$ の場合

3個の粒子から合計5個になるには、3個のうち2個が2個になり、1個が1個になればよい。よって、

$$ P(X_3=5\mid X_2=3) ={}_3C_1\left(\frac{1}{2}\right)\left(\frac{1}{3}\right)^2 =\frac{1}{6} $$

である。

(ii)

$X_2=4$ の場合

4個の粒子から合計5個になる場合は、次の2通りである。

(ア)

$2,1,1,1$ となる場合

$$ {}_4C_1\cdot\frac{1}{3}\left(\frac{1}{2}\right)^3 =\frac{1}{6} $$

である。

(イ)

$2,2,1,0$ となる場合

$$ \frac{4!}{2!1!1!} \left(\frac{1}{3}\right)^2 \left(\frac{1}{2}\right) \left(\frac{1}{6}\right) =\frac{1}{9} $$

である。

したがって、

$$ P(X_3=5\mid X_2=4) =\frac{1}{6}+\frac{1}{9} =\frac{5}{18} $$

である。

以上より、

$$ \begin{aligned} P(X_3=5) &=P(X_2=3)P(X_3=5\mid X_2=3) +P(X_2=4)P(X_3=5\mid X_2=4)\\ &=\frac{1}{9}\cdot\frac{1}{6} +\frac{1}{27}\cdot\frac{5}{18}\\ &=\frac{1}{54}+\frac{5}{486}\\ &=\frac{9}{486}+\frac{5}{486}\\ &=\frac{14}{486}\\ &=\frac{7}{243} \end{aligned} $$

である。

(3) $n$ 時間後に最大で存在しうる粒子数とその確率

1個の粒子は1時間後に最大で2個になる。したがって、毎時間すべての粒子が2個ずつになったとき、粒子数は最大になる。

よって、$n$ 時間後の最大粒子数は

$$ 2^n $$

である。

この最大数 $2^n$ 個になるためには、最初の1個から始まり、各時間で存在するすべての粒子が必ず2個にならなければならない。

そのような変化が起こる粒子の総数は

$$ 1+2+2^2+\cdots+2^{n-1} =2^n-1 $$

である。

各粒子が2個になる確率は $\frac{1}{3}$ であり、それぞれの変化は独立である。したがって、最大数 $2^n$ 個になる確率は

$$ \left(\frac{1}{3}\right)^{2^n-1} $$

である。

解説

この問題では、粒子が複数あるときに「それぞれが独立に変化する」ことを正しく使うのが重要である。

(1) と (2) では、最終時刻の1つ前の粒子数で場合分けすると計算が整理される。特に (2) では、3時間後に5個になるには2時間後に3個または4個でなければならない、という上限から候補を絞るのが有効である。

(3) では、最大個数を考えているので、すべての粒子が毎回2個になる場合だけを考えればよい。そのとき実際に「2個になる」という変化が起こる回数は、粒子数そのものではなく

$$ 1+2+\cdots+2^{n-1}=2^n-1 $$

回である。この点を $2^n$ 回と誤らないように注意する。

答え

(1)

$$ \frac{31}{108} $$

(2)

$$ \frac{7}{243} $$

(3)

$n$ 時間後に最大で存在しうる粒子数は

$$ 2^n $$

であり、その確率は

$$ \left(\frac{1}{3}\right)^{2^n-1} $$

である。

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