数学A 確率 問題 95 解説

方針・初手
あたりくじが何回目に現れるかだけに注目する。無作為に順に引くことは、「$n$ 個の位置のうち、あたりくじが入る $2$ つの位置を等確率に選ぶ」ことと同じである。
したがって、あたりくじの位置の組を
$$ (a,b)\quad (1\leqq a<b\leqq n) $$
とすると、すべての組は同じ確率で起こり、その総数は
$$ {}_{n}\mathrm{C}_{2} $$
である。このとき $X=a,\ Y=b$ である。
解法1
あたりくじの位置の組 $(a,b)$ は、$1\leqq a<b\leqq n$ を満たすすべての組の中から等確率で決まる。
よって、まず同時確率はただちに求まる。$X=i,\ Y=j$ となるのは、あたりくじの位置がちょうど $(i,j)$ である場合である。したがって、$1\leqq i<j\leqq n$ に対して
$$ P(X=i,\ Y=j)=\frac{1}{{}_{n}\mathrm{C}_{2}} =\frac{2}{n(n-1)} $$
である。
次に $P(X=i)$ を求める。$X=i$ とは、最初のあたりくじが第 $i$ 回に出ることである。このとき、もう一方のあたりくじは第 $i+1$ 回から第 $n$ 回までのどこかにある。
したがって、$Y$ の位置は
$$ i+1,\ i+2,\ \ldots,\ n $$
の $n-i$ 通りである。よって
$$ P(X=i)=\frac{n-i}{{}_{n}\mathrm{C}_{2}} =\frac{2(n-i)}{n(n-1)} $$
である。
次に $P(Y=j)$ を求める。$Y=j$ とは、最後のあたりくじが第 $j$ 回に出ることである。このとき、もう一方のあたりくじは第 $1$ 回から第 $j-1$ 回までのどこかにある。
したがって、$X$ の位置は
$$ 1,\ 2,\ \ldots,\ j-1 $$
の $j-1$ 通りである。よって
$$ P(Y=j)=\frac{j-1}{{}_{n}\mathrm{C}_{2}} =\frac{2(j-1)}{n(n-1)} $$
である。
解法2
順に引く確率で直接計算しても同じ結果が得られる。
まず $X=i$ となるには、第 $1$ 回から第 $i-1$ 回までがすべてはずれで、第 $i$ 回があたりであればよい。
第 $i-1$ 回までに引くくじはすべて、$n-2$ 本のはずれくじの中から選ばれる必要があるので、その確率は
$$ \frac{{}_{n-2}\mathrm{C}_{i-1}}{{}_{n}\mathrm{C}_{i-1}} $$
である。その後、第 $i$ 回であたりを引く確率は、残り $n-i+1$ 本のうちあたりが $2$ 本残っているから
$$ \frac{2}{n-i+1} $$
である。したがって
$$ \begin{aligned} P(X=i) &=\frac{{}_{n-2}\mathrm{C}_{i-1}}{{}_{n}\mathrm{C}_{i-1}}\cdot \frac{2}{n-i+1} \\ &=\frac{2(n-i)}{n(n-1)} \end{aligned} $$
となる。
また、$Y=j$ となるには、第 $j$ 回があたりであり、第 $j+1$ 回から第 $n$ 回までがすべてはずれであればよい。対称性により、第 $j$ 回までの位置で考えると、$2$ 本のあたりくじのうち一方が第 $j$ 回にあり、もう一方が第 $1$ 回から第 $j-1$ 回までのどこかにある場合である。
したがって
$$ P(Y=j)=\frac{j-1}{{}_{n}\mathrm{C}_{2}} =\frac{2(j-1)}{n(n-1)} $$
である。
さらに $X=i,\ Y=j$ となるには、あたりくじの位置が第 $i$ 回と第 $j$ 回に固定される必要がある。$2$ 本のあたりくじの位置の組は ${}_{n}\mathrm{C}_{2}$ 通りで等確率なので、
$$ P(X=i,\ Y=j)=\frac{1}{{}_{n}\mathrm{C}_{2}} =\frac{2}{n(n-1)} $$
である。
解説
この問題では、くじを順に引く過程を直接追うよりも、「あたりくじが現れる位置」を先に考える方が簡潔である。
あたりくじは $2$ 本だけなので、必要なのは $n$ 個の位置から $2$ 個を選ぶ組合せだけである。その小さい方が $X$、大きい方が $Y$ になる。したがって、同時確率がまず一定値として求まり、周辺確率 $P(X=i),P(Y=j)$ はそれぞれ取り得る相手の位置の個数を数えればよい。
答え
(1)
$1\leqq i\leqq n-1$ に対して
$$ P(X=i)=\frac{2(n-i)}{n(n-1)} $$
(2)
$2\leqq j\leqq n$ に対して
$$ P(Y=j)=\frac{2(j-1)}{n(n-1)} $$
(3)
$1\leqq i<j\leqq n$ に対して
$$ P(X=i,\ Y=j)=\frac{2}{n(n-1)} $$
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