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数学A 確率 問題 111 解説

数学A 確率 問題 111 解説

方針・初手

Aについては,1回のゲームで1段のぼるかどうかだけを見ればよい。Aがのぼる確率は,Aが勝つ確率である。

Bについては,1回のゲームでの移動を確率つきで整理する。特に,Bが0段目に戻る確率は,現在の段が0段目かどうかで扱いが少し異なる。

解法1

Aが1回のゲームで勝つ確率は $\dfrac{1}{3}$ である。よって,Aは各ゲームで確率 $\dfrac{1}{3}$ で1段のぼり,確率 $\dfrac{2}{3}$ で同じ段にとどまる。

したがって,$n$ 回のゲーム後にAが $m$ 段目にいることは,$n$ 回中ちょうど $m$ 回勝つことと同値である。ゆえに,二項分布より

$$ x_{n,m}={}_{n}\mathrm{C}_{m}\left(\frac{1}{3}\right)^m\left(\frac{2}{3}\right)^{n-m} $$

である。

次にBについて考える。Bの1回のゲームでの移動は次の通りである。

Bがグーまたはチョキで勝つ確率は

$$ \frac{2}{9} $$

であり,このとき1段のぼる。Bがパーで勝つ確率は

$$ \frac{1}{9} $$

であり,このとき3段のぼる。

また,Bがあいこ,またはグー・チョキで負ける確率は

$$ \frac{3}{9}+\frac{2}{9}=\frac{5}{9} $$

であり,このとき同じ段にとどまる。Bがパーで負ける確率は

$$ \frac{1}{9} $$

であり,このとき0段目に戻る。

まず,Bが0段目にいる状態から1回ゲームを行うと,0段目にとどまる確率は,通常の停止と0段目への戻りを合わせて

$$ \frac{5}{9}+\frac{1}{9}=\frac{2}{3} $$

である。したがって,1回目終了後のBの位置は

$$ P(0)=\frac{2}{3},\quad P(1)=\frac{2}{9},\quad P(3)=\frac{1}{9} $$

である。

これをもとに2回目終了後の確率を計算する。

0段目にいる確率は

$$ y_0=\frac{2}{3}\cdot\frac{2}{3}+\frac{2}{9}\cdot\frac{1}{9}+\frac{1}{9}\cdot\frac{1}{9} =\frac{13}{27} $$

である。

1段目にいる確率は,1回目に0段目にいて2回目に1段のぼる場合と,1回目に1段目にいて2回目にとどまる場合であるから,

$$ y_1=\frac{2}{3}\cdot\frac{2}{9}+\frac{2}{9}\cdot\frac{5}{9} =\frac{22}{81} $$

である。

2段目にいる確率は,1回目に1段目にいて2回目に1段のぼる場合のみなので,

$$ y_2=\frac{2}{9}\cdot\frac{2}{9} =\frac{4}{81} $$

である。

3段目にいる確率は,1回目に0段目にいて2回目に3段のぼる場合と,1回目に3段目にいて2回目にとどまる場合であるから,

$$ y_3=\frac{2}{3}\cdot\frac{1}{9}+\frac{1}{9}\cdot\frac{5}{9} =\frac{11}{81} $$

である。

4段目にいる確率は,1回目に1段目にいて2回目に3段のぼる場合と,1回目に3段目にいて2回目に1段のぼる場合であるから,

$$ y_4=\frac{2}{9}\cdot\frac{1}{9}+\frac{1}{9}\cdot\frac{2}{9} =\frac{4}{81} $$

である。

6段目にいる確率は,1回目に3段目にいて2回目に3段のぼる場合のみなので,

$$ y_6=\frac{1}{9}\cdot\frac{1}{9} =\frac{1}{81} $$

である。

以上より,

$$ y_m= \begin{cases} \dfrac{13}{27} & (m=0),\\ \dfrac{22}{81} & (m=1),\\ \dfrac{4}{81} & (m=2),\\ \dfrac{11}{81} & (m=3),\\ \dfrac{4}{81} & (m=4),\\ \dfrac{1}{81} & (m=6),\\ 0 & (\text{それ以外}) \end{cases} $$

である。

最後に,$n$ 回後にBが0段目にいる確率を $z_n$ とする。Bが現在0段目にいるとき,次のゲーム後も0段目にいる確率は

$$ \frac{2}{3} $$

である。一方,Bが現在0段目以外にいるとき,次のゲーム後に0段目に戻る確率は,Bがパーで負ける場合だけなので

$$ \frac{1}{9} $$

である。

よって,$z_n$ は漸化式

$$ z_{n+1}=\frac{2}{3}z_n+\frac{1}{9}(1-z_n) $$

を満たす。整理すると

$$ z_{n+1}=\frac{5}{9}z_n+\frac{1}{9} $$

である。また,最初は0段目にいるから

$$ z_0=1 $$

である。

この漸化式の定常値を $\alpha$ とすると,

$$ \alpha=\frac{5}{9}\alpha+\frac{1}{9} $$

より

$$ \alpha=\frac{1}{4} $$

である。したがって,

$$ \begin{aligned} z_{n+1}-\frac{1}{4} &= \frac{5}{9}\left(z_n-\frac{1}{4}\right) \end{aligned} $$

となる。$z_0=1$ より,

$$ \begin{aligned} z_n-\frac{1}{4} &= \left(1-\frac{1}{4}\right)\left(\frac{5}{9}\right)^n \\ \frac{3}{4}\left(\frac{5}{9}\right)^n \end{aligned} $$

である。ゆえに,

$$ z_n=\frac{1}{4}+\frac{3}{4}\left(\frac{5}{9}\right)^n $$

を得る。

解説

Aは「勝った回数」だけで位置が決まるので,二項分布をそのまま使えばよい。

Bは移動量が $0,1,3$ のほかに「0段目へ戻る」という操作を含むため,単純な二項分布にはならない。ただし,(3)では0段目にいるかどうかだけを追えばよい。0段目から0段目に残る確率と,0段目以外から0段目に戻る確率を分けることで,1次漸化式に帰着できる。

答え

(1)

$$ x_{n,m}={}_{n}\mathrm{C}_{m}\left(\frac{1}{3}\right)^m\left(\frac{2}{3}\right)^{n-m} \quad (0\leqq m\leqq n) $$

(2)

$$ y_m= \begin{cases} \dfrac{13}{27} & (m=0),\\ \dfrac{22}{81} & (m=1),\\ \dfrac{4}{81} & (m=2),\\ \dfrac{11}{81} & (m=3),\\ \dfrac{4}{81} & (m=4),\\ \dfrac{1}{81} & (m=6),\\ 0 & (\text{それ以外}) \end{cases} $$

(3)

$$ z_n=\frac{1}{4}+\frac{3}{4}\left(\frac{5}{9}\right)^n $$

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