数学A 確率(反復試行) 問題 28 解説
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方針・初手
各試行で記録される数が偶数になるのは、取り出した2枚の番号の偶奇が一致するときである。
1回の試行ごとに取り出した番号札を袋に戻すので、各試行は独立であり、「偶数が記録されるかどうか」は同じ確率で起こる反復試行として扱える。
解法1
1から10までの番号札のうち、奇数は
$$ 1,3,5,7,9 $$
の5枚、偶数は
$$ 2,4,6,8,10 $$
の5枚である。
2枚の番号札を取り出すとき、番号の和が偶数になるのは、次のどちらかの場合である。
(i) 2枚とも奇数である。
(ii) 2枚とも偶数である。
したがって、1回の試行で偶数が記録される確率は
$$ \begin{aligned} \frac{{}_{5}\mathrm{C}_{2}+{}_{5}\mathrm{C}_{2}}{{}_{10}\mathrm{C}_{2}} &= \frac{10+10}{45} \\ \frac{4}{9} \end{aligned} $$
である。
よって、1回の試行で偶数が記録される確率は
$$ \frac{4}{9} $$
である。
次に、試行を3回続けて行う場合を考える。各試行後に番号札を袋に戻すので、各試行は独立である。したがって、3回中ちょうど $r$ 回偶数が記録される確率は二項分布で表される。
2個以上の偶数が記録される確率は、3回中ちょうど2回または3回偶数が記録される確率であるから、
$$ {}_{3}\mathrm{C}_{2}\left(\frac{4}{9}\right)^2\left(\frac{5}{9}\right) + {}_{3}\mathrm{C}_{3}\left(\frac{4}{9}\right)^3 $$
である。これを計算すると、
$$ \begin{aligned} 3\cdot \frac{16}{81}\cdot \frac{5}{9} + \frac{64}{729} &= \frac{240}{729} + \frac{64}{729} &= \frac{304}{729} \end{aligned} $$
となる。
次に、試行を100回続けて行う場合を考える。100回中ちょうど $k$ 回偶数が記録される確率 $p_k$ は
$$ \begin{aligned} p_k &= {}_{100}\mathrm{C}_{k} \left(\frac{4}{9}\right)^k \left(\frac{5}{9}\right)^{100-k} \end{aligned} $$
である。
したがって、$1\leqq k\leqq 100$ のとき、
$$ \begin{aligned} \frac{p_k}{p_{k-1}} &= \frac{ {}_{100}\mathrm{C}_{k} \left(\frac{4}{9}\right)^k \left(\frac{5}{9}\right)^{100-k} }{ {}_{100}\mathrm{C}_{k-1} \left(\frac{4}{9}\right)^{k-1} \left(\frac{5}{9}\right)^{101-k} } \end{aligned} $$
である。これを整理すると、
$$ \begin{aligned} \frac{p_k}{p_{k-1}} &= \frac{{}_{100}\mathrm{C}_{k}}{{}_{100}\mathrm{C}_{k-1}} \cdot \frac{4}{5} \end{aligned} $$
となる。ここで、
$$ \begin{aligned} \frac{{}_{100}\mathrm{C}_{k}}{{}_{100}\mathrm{C}_{k-1}} &= \frac{101-k}{k} \end{aligned} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} \frac{p_k}{p_{k-1}} &= \frac{101-k}{k}\cdot \frac{4}{5} \\ \frac{4(101-k)}{5k} \end{aligned} $$
である。
最後に、$p_k$ が最大となる $k$ を求める。上で求めた比より、
$$ \begin{aligned} \frac{p_k}{p_{k-1}} &= \frac{4(101-k)}{5k} \end{aligned} $$
である。
$p_k>p_{k-1}$ となる条件は
$$ \frac{4(101-k)}{5k}>1 $$
である。$k>0$ なので、
$$ 4(101-k)>5k $$
すなわち
$$ 404>9k $$
である。したがって、
$$ k<\frac{404}{9} $$
である。
ここで
$$ \frac{404}{9}=44+\frac{8}{9} $$
であるから、整数 $k$ については、$k\leqq 44$ のとき $p_k>p_{k-1}$ であり、$k\geqq 45$ のとき $p_k<p_{k-1}$ である。
よって、確率 $p_k$ は $k=44$ まで増加し、その後減少する。したがって、最大となるのは
$$ k=44 $$
である。
解説
この問題の中心は、各試行を「偶数が記録されるかどうか」の二項分布として見ることである。
1回の試行では、和が偶数になる条件を直接数える。奇数同士または偶数同士の組合せであり、確率は $\frac{4}{9}$ である。
その後は、番号札を毎回戻すため各試行は独立である。したがって、3回や100回の試行は二項分布
$$ {}_{n}\mathrm{C}_{k} \left(\frac{4}{9}\right)^k \left(\frac{5}{9}\right)^{n-k} $$
で処理できる。
$p_k$ の最大を求めるときは、$p_k$ 自体を直接最大化するよりも、隣り合う項の比 $\frac{p_k}{p_{k-1}}$ を調べるのが自然である。比が1より大きい間は増加し、1より小さくなると減少するため、最大となる $k$ が判定できる。
答え
(1)
$$ \frac{4}{9} $$
(2)
$$ \frac{304}{729} $$
(3)
$$ \begin{aligned} \frac{p_k}{p_{k-1}} &= \frac{4(101-k)}{5k} \end{aligned} $$
(4)
$$ k=44 $$
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