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数学A 数列・確率(数B) 問題 10 解説

数学A 数列・確率(数B) 問題 10 解説

方針・初手

$1$ の目が出た回数の偶奇だけに注目する。$n+1$ 回目で $1$ が出ると偶奇が入れ替わり,$1$ 以外が出ると偶奇は変わらない。この性質から漸化式を立て,それを解く。

解法1

まず $p_1,p_2,p_3$ を求める。

$1$ 回投げたとき,$1$ の目が出る回数が奇数であるのは,$1$ が出る場合だけであるから,

$$ p_1=\frac{1}{6} $$

である。

$2$ 回投げたとき,$1$ の目が出る回数が奇数であるのは,ちょうど $1$ 回だけ $1$ が出る場合である。したがって,

$$ p_2={}_2\mathrm{C}_{1}\frac{1}{6}\frac{5}{6} =\frac{10}{36} =\frac{5}{18} $$

である。

$3$ 回投げたとき,$1$ の目が出る回数が奇数であるのは,$1$ の目がちょうど $1$ 回出る場合,または $3$ 回出る場合である。よって,

$$ p_3={}_3\mathrm{C}_{1}\frac{1}{6}\left(\frac{5}{6}\right)^2+\left(\frac{1}{6}\right)^3 =\frac{75}{216}+\frac{1}{216} =\frac{19}{54} $$

である。

次に,漸化式を示す。

$n+1$ 回投げたとき,$1$ の目が出る回数が奇数であるためには,次のどちらかが起こればよい。

(i)

$n$ 回目までで $1$ の目が出る回数が奇数であり,$n+1$ 回目に $1$ 以外が出る。

(ii)

$n$ 回目までで $1$ の目が出る回数が偶数であり,$n+1$ 回目に $1$ が出る。

これらは同時には起こらないので,

$$ p_{n+1}=p_n\cdot \frac{5}{6}+(1-p_n)\cdot \frac{1}{6} $$

である。これを整理すると,

$$ p_{n+1} =\frac{5}{6}p_n+\frac{1}{6}-\frac{1}{6}p_n =\frac{2}{3}p_n+\frac{1}{6} $$

となる。したがって,

$$ p_{n+1}=\frac{2}{3}p_n+\frac{1}{6} $$

が成り立つ。

最後に,この漸化式を解く。

$$ p_{n+1}=\frac{2}{3}p_n+\frac{1}{6} $$

の定数解を $p_n=\alpha$ とすると,

$$ \alpha=\frac{2}{3}\alpha+\frac{1}{6} $$

より,

$$ \alpha=\frac{1}{2} $$

である。

そこで,漸化式から $\frac{1}{2}$ を引くと,

$$ p_{n+1}-\frac{1}{2} =\frac{2}{3}\left(p_n-\frac{1}{2}\right) $$

となる。したがって,数列 $p_n-\frac{1}{2}$ は公比 $\frac{2}{3}$ の等比数列である。

初項は,

$$ p_1-\frac{1}{2} =\frac{1}{6}-\frac{1}{2} =-\frac{1}{3} $$

であるから,

$$ p_n-\frac{1}{2} =-\frac{1}{3}\left(\frac{2}{3}\right)^{n-1} $$

となる。よって,

$$ p_n =\frac{1}{2}-\frac{1}{3}\left(\frac{2}{3}\right)^{n-1} $$

である。

これは次のようにも書ける。

$$ p_n =\frac{1}{2}\left\{1-\left(\frac{2}{3}\right)^n\right\} $$

解法2

$1$ の目が出る確率は $\frac{1}{6}$,$1$ 以外の目が出る確率は $\frac{5}{6}$ である。

$n$ 回投げたとき,$1$ の目がちょうど $k$ 回出る確率は,

$$ {}_n\mathrm{C}_{k}\left(\frac{1}{6}\right)^k\left(\frac{5}{6}\right)^{n-k} $$

である。

求める確率は $k$ が奇数の場合の和であるから,

$$ p_n=\sum_{\substack{0\leq k\leq n\ k\ \mathrm{is\ odd}}} {}_n\mathrm{C}_{k}\left(\frac{1}{6}\right)^k\left(\frac{5}{6}\right)^{n-k} $$

である。

ここで二項展開を用いる。一般に,

$$ (a+b)^n=\sum_{k=0}^{n}{}_n\mathrm{C}_{k} a^k b^{n-k} $$

であり,

$$ (b-a)^n=\sum_{k=0}^{n}{}_n\mathrm{C}_{k(-a)}^k b^{n-k} $$

である。

この2式を引くと,$k$ が偶数の項は消え,$k$ が奇数の項だけが残るので,

$$ (a+b)^n-(b-a)^n =2\sum_{\substack{0\leq k\leq n\ k\ \mathrm{is\ odd}}} {}_n\mathrm{C}_{k} a^k b^{n-k} $$

となる。

ここで,

$$ a=\frac{1}{6},\qquad b=\frac{5}{6} $$

とおくと,

$$ a+b=1,\qquad b-a=\frac{2}{3} $$

である。したがって,

$$ 2p_n=1^n-\left(\frac{2}{3}\right)^n $$

となるので,

$$ p_n=\frac{1}{2}\left\{1-\left(\frac{2}{3}\right)^n\right\} $$

を得る。

解説

この問題では,$1$ の目が出た回数そのものではなく,その偶奇に注目するのが重要である。

漸化式を作るときは,$n+1$ 回目に $1$ が出るかどうかで偶奇がどう変わるかを考える。$1$ が出れば偶奇が反転し,$1$ 以外が出れば偶奇は変わらない。この見方により,

$$ p_{n+1}=p_n\cdot \frac{5}{6}+(1-p_n)\cdot \frac{1}{6} $$

が自然に得られる。

また,解法2のように,奇数回だけを二項展開から取り出す方法も典型的である。偶数項と奇数項を分けたいときは,$(a+b)^n$ と $(b-a)^n$ を組み合わせる発想が有効である。

答え

(1)

$$ p_1=\frac{1}{6},\qquad p_2=\frac{5}{18},\qquad p_3=\frac{19}{54} $$

(2)

$$ p_{n+1}=\frac{2}{3}p_n+\frac{1}{6} $$

が成り立つ。

(3)

$$ p_n=\frac{1}{2}\left\{1-\left(\frac{2}{3}\right)^n\right\} $$

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