数学A 整数問題 問題 35 解説

方針・初手
素数の列 $p_1,p_2,\dots$ は小さい順に並んでいるので、$p_1,\dots,p_n$ 以外の素数はすべて $p_{n+1}$ 以上である。
したがって、積
$$ P=p_1p_2\cdots p_n $$
をおき、$P+1$ の素因数を考えるのが自然である。これはユークリッドの素数無限性の証明と同じ発想である。
解法1
まず
$$ P=p_1p_2\cdots p_n $$
とおく。
(1)
任意の $i=1,2,\dots,n$ に対して、$P$ は $p_i$ で割り切れる。したがって
$$ P\equiv 0 \pmod{p_i} $$
である。
よって
$$ P+1\equiv 1 \pmod{p_i} $$
となる。したがって、$P+1$ は $p_i$ では割り切れない。
これはすべての $i=1,2,\dots,n$ について成り立つので、
$$ p_1p_2\cdots p_n+1 $$
は $p_1,p_2,\dots,p_n$ のいずれでも割り切れない。
(2)
$P+1>1$ であるから、$P+1$ は少なくとも1つの素因数をもつ。その素因数の1つを $q$ とする。
すると
$$ q\mid P+1 $$
である。
(1)より、$P+1$ は $p_1,p_2,\dots,p_n$ のいずれでも割り切れない。したがって、$q$ は $p_1,p_2,\dots,p_n$ のどれとも一致しない。
素数は小さい順に
$$ p_1,p_2,\dots,p_n,p_{n+1},\dots $$
と並んでいるので、$p_1,\dots,p_n$ に含まれない素数 $q$ は
$$ q\geqq p_{n+1} $$
を満たす。
一方、$q$ は $P+1$ の素因数であるから
$$ q\leqq P+1 $$
である。よって
$$ p_{n+1}\leqq q\leqq P+1 $$
となり、
$$ p_{n+1}\leqq p_1p_2\cdots p_n+1 $$
が成り立つ。
(3)
$k=1,2,\dots,n$ に対して
$$ \log_2 p_k<2^k $$
が成り立つと仮定する。
(2)より
$$ p_{n+1}\leqq p_1p_2\cdots p_n+1 $$
である。両辺の $\log_2$ を考えるため、まず積の大きさを評価する。
仮定より
$$ \log_2 p_1+\log_2 p_2+\cdots+\log_2 p_n < 2^1+2^2+\cdots+2^n $$
である。左辺は積の対数だから
$$ \log_2(p_1p_2\cdots p_n) < 2^1+2^2+\cdots+2^n $$
となる。
等比数列の和より
$$ 2^1+2^2+\cdots+2^n=2^{n+1}-2 $$
であるから、
$$ \log_2 P<2^{n+1}-2 $$
である。したがって
$$ P<2^{2^{n+1}-2} $$
となる。
ここで $n$ は自然数なので $2^{n+1}\geqq 4$ である。よって
$$ P+1<2^{2^{n+1}-2}+1<2^{2^{n+1}} $$
が成り立つ。
(2)の不等式と合わせると
$$ p_{n+1}\leqq P+1<2^{2^{n+1}} $$
である。したがって、底 $2$ の対数をとって
$$ \log_2 p_{n+1}<2^{n+1} $$
を得る。
解説
この問題の中心は、$p_1p_2\cdots p_n+1$ を考える点である。この数は $p_1,\dots,p_n$ のどれで割っても余りが $1$ になるため、それらの素数を素因数にもたない。
したがって、その素因数は必ず $p_{n+1}$ 以上であり、これが
$$ p_{n+1}\leqq p_1p_2\cdots p_n+1 $$
につながる。
(3)では、対数をとることで積を和に変えるのが要点である。仮定
$$ \log_2 p_k<2^k $$
を足し合わせると、積 $p_1p_2\cdots p_n$ の大きさを上から評価できる。
答え
(1)
$$ p_1p_2\cdots p_n+1 $$
は $p_1,p_2,\dots,p_n$ のいずれでも割り切れない。
(2)
$$ p_{n+1}\leqq p_1p_2\cdots p_n+1 $$
が成り立つ。
(3)
$k=1,2,\dots,n$ に対して $\log_2 p_k<2^k$ が成り立つならば、
$$ \log_2 p_{n+1}<2^{n+1} $$
も成り立つ。
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