数学A 整数問題 問題 61 解説

方針・初手
奇数 $n$ については $n=2k+1$ とおけるので、まず $n^2-1$ を因数分解して $8$ の倍数であることを示す。
次に $n^5-n$ については、$3,5,8$ でそれぞれ割り切れることを示し、$3,5,8$ が互いに素であることから $120=3\cdot 5\cdot 8$ の倍数であると結論する。
解法1
$n$ は奇数であるから、ある整数 $k$ を用いて
$$ n=2k+1 $$
と表せる。
(1)
このとき
$$ \begin{aligned} n^2-1 &=(2k+1)^2-1\\ &=4k^2+4k\\ &=4k(k+1) \end{aligned} $$
である。
ここで $k$ と $k+1$ は連続する2整数であるから、どちらか一方は偶数である。したがって $k(k+1)$ は $2$ の倍数である。
よって、ある整数 $m$ を用いて $k(k+1)=2m$ と書けるので、
$$ n^2-1=4k(k+1)=8m $$
となる。したがって、$n^2-1$ は $8$ の倍数である。
(2)
$n^5-n$ を因数分解すると
$$ n^5-n=n(n^4-1)=n(n^2-1)(n^2+1) $$
である。
特に
$$ n^5-n=n(n-1)(n+1)(n^2+1) $$
と書ける。
ここで $n-1,n,n+1$ は連続する3整数であるから、このうち少なくとも1つは $3$ の倍数である。したがって積
$$ n(n-1)(n+1)(n^2+1) $$
は $3$ の倍数である。
よって、$n^5-n$ は $3$ の倍数である。
(3)
まず、(1) より $n^2-1$ は $8$ の倍数である。したがって
$$ n^5-n=n(n^2-1)(n^2+1) $$
も $8$ の倍数である。
また、(2) より $n^5-n$ は $3$ の倍数である。
残りとして、$5$ の倍数であることを示す。整数 $n$ を $5$ で割った余りによって分ける。
(i)
$n\equiv 0 \pmod{5}$ のとき、
$$ n^5-n\equiv 0^5-0\equiv 0 \pmod{5} $$
である。
(ii)
$n\equiv 1 \pmod{5}$ のとき、
$$ n^5-n\equiv 1^5-1\equiv 0 \pmod{5} $$
である。
(iii)
$n\equiv 2 \pmod{5}$ のとき、
$$ n^5-n\equiv 2^5-2=32-2=30\equiv 0 \pmod{5} $$
である。
(iv)
$n\equiv 3 \pmod{5}$ のとき、
$$ n^5-n\equiv 3^5-3=243-3=240\equiv 0 \pmod{5} $$
である。
(v)
$n\equiv 4 \pmod{5}$ のとき、
$$ n^5-n\equiv 4^5-4=1024-4=1020\equiv 0 \pmod{5} $$
である。
以上より、どの場合でも $n^5-n$ は $5$ の倍数である。
したがって、$n^5-n$ は $8,3,5$ のすべての倍数である。さらに $8,3,5$ は互いに素であるから、$n^5-n$ は
$$ 8\cdot 3\cdot 5=120 $$
の倍数である。
解説
(1) は奇数を $2k+1$ とおく典型処理である。$n^2-1$ を計算すると $4k(k+1)$ となり、連続する2整数の積 $k(k+1)$ が偶数であることから $8$ の倍数が出てくる。
(2) は $n^5-n$ を因数分解して、連続する3整数 $n-1,n,n+1$ を含む形にするのが自然である。連続する3整数の中には必ず $3$ の倍数があるので、積全体が $3$ の倍数となる。
(3) では $120=8\cdot 3\cdot 5$ と分解し、それぞれの素因数について割り切れることを確認する。(1) と (2) により $8$ と $3$ はすでに処理されているため、追加で $5$ の倍数であることを示せばよい。
答え
(1)
$n^2-1$ は $8$ の倍数である。
(2)
$n^5-n$ は $3$ の倍数である。
(3)
$n^5-n$ は $120$ の倍数である。
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