数学A 整数問題 問題 106 解説

方針・初手
(1) は $n!+2, n!+3,\ldots,n!+n$ がそれぞれ割り切れることに着目する。
(2) は $n!-1$ の素因数を1つ取る。もしその素因数が $n$ 以下なら、$n!$ も割り切るため矛盾が出る。
解法1
まず $n\geqq 3$ とする。
(1)
$n!+1<p\leqq n!+n$ を満たす整数 $p$ があるとすれば、ある整数 $k$ を用いて
$$ p=n!+k\qquad (2\leqq k\leqq n) $$
と表せる。
このとき、$k\leqq n$ であるから、$n!$ は $k$ で割り切れる。したがって
$$ n!+k $$
も $k$ で割り切れる。
また、$n\geqq 3$ かつ $2\leqq k\leqq n$ より
$$ n!+k>k $$
である。よって $n!+k$ は $1$ と自分自身以外の約数 $k$ をもつので合成数である。
したがって、$n!+2,n!+3,\ldots,n!+n$ はすべて合成数であり、
$$ n!+1<p\leqq n!+n $$
を満たす素数 $p$ は存在しない。
よって命題 (1) は真である。
(2)
$n\geqq 3$ より
$$ n!-1\geqq 3!-1=5 $$
であるから、$n!-1$ は $2$ 以上の自然数である。よって $n!-1$ は少なくとも1つの素因数をもつ。その素因数を $p$ とする。
すると
$$ p\mid n!-1 $$
である。
ここで、もし $p\leqq n$ ならば、$p$ は $n!$ の因数であるから
$$ p\mid n! $$
も成り立つ。したがって
$$ p\mid n!-(n!-1)=1 $$
となるが、素数 $p$ が $1$ を割り切ることはない。これは矛盾である。
よって
$$ p>n $$
である。
また、$p$ は $n!-1$ の素因数なので
$$ p\leqq n!-1 $$
である。
したがって
$$ n<p\leqq n!-1 $$
を満たす素数 $p$ が存在する。
よって命題 (2) も真である。
解説
この問題は、階乗 $n!$ が $1,2,\ldots,n$ のすべてで割り切れることを使う典型問題である。
(1) では、$n!+k$ が $k$ で割り切れるため、区間内の数がすべて合成数になる。ただし $n!+1$ は範囲に含まれていない点に注意する。
(2) では、$n!-1$ の素因数を考えるのが自然である。$n!$ と $n!-1$ は互いに素であり、特に $n$ 以下の素数はすべて $n!$ を割り切るため、$n!-1$ の素因数にはなれない。したがって、その素因数は必ず $n$ より大きい。
答え
(1)
真である。
(2)
真である。
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