数学B 漸化式の応用 問題 8 解説

方針・初手
雄蜂は母である雌蜂だけをもつので、1世代さかのぼると「♂ は ♀ に置き換わる」。
雌蜂は雌蜂と雄蜂の両方を親にもつので、1世代さかのぼると「♀ は ♀♂ に置き換わる」。
したがって、各世代の記号列は、直前の世代の記号列に対して
$$ ♀ \longrightarrow ♀♂,\qquad ♂ \longrightarrow ♀ $$
という置き換えを行えばよい。
解法1
現在を $0$ 世代前とすると、記号列は次のように増えていく。
現在:
♂
1世代前:
♀
2世代前:
♀ ♂
3世代前:
♀ ♂ ♀
ここから同じ置き換えを続ける。
4世代前は、3世代前の
♀ ♂ ♀
に対して、左から順に
$$ ♀ \longrightarrow ♀♂,\qquad ♂ \longrightarrow ♀,\qquad ♀ \longrightarrow ♀♂ $$
を行うので、
4世代前:
♀ ♂ ♀ ♀ ♂
となる。
同様に、5世代前は
5世代前:
♀ ♂ ♀ ♀ ♂ ♀ ♂ ♀
である。
さらに、6世代前は
6世代前:
♀ ♂ ♀ ♀ ♂ ♀ ♂ ♀ ♀ ♂ ♀ ♀ ♂
である。
次に、総数を求める。$n$ 世代前の雌蜂の数を $F_n$、雄蜂の数を $M_n$、合計を $T_n$ とする。
雄蜂は雌蜂だけを親にもつので、次の世代の雄蜂の数は、現在の雌蜂の数に等しい。また、雌蜂も雄蜂もそれぞれ1匹の雌蜂を親にもつので、次の世代の雌蜂の数は、現在の総数に等しい。
よって
$$ F_{n+1}=F_n+M_n,\qquad M_{n+1}=F_n $$
である。
したがって、合計 $T_n=F_n+M_n$ について
$$ T_{n+1}=F_{n+1}+M_{n+1} $$
であり、
$$ T_{n+1}=(F_n+M_n)+F_n=T_n+F_n $$
となる。
また、$F_n=T_{n-1}$ であるから、
$$ T_{n+1}=T_n+T_{n-1} $$
を得る。
現在を $T_0$ として数えると、
$$ T_0=1,\qquad T_1=1 $$
である。よって総数は
$$ 1,\ 1,\ 2,\ 3,\ 5,\ 8,\ 13,\ 21,\ 34,\ 55,\ 89,\ 144,\ 233,\cdots $$
となる。
したがって、12世代前の総数は
$$ T_{12}=233 $$
である。
また、問題の指定通り $a_1=a_2=1$ として数列 ${a_n}$ で表すと、
$$ a_{n+2}=a_{n+1}+a_n\qquad(n\geqq 1) $$
である。
このとき、現在の総数が $a_1$、1世代前の総数が $a_2$ に対応するので、12世代前の総数は
$$ a_{13}=233 $$
である。
解説
この問題の本質は、蜂の性別によって親の数が異なることを、記号の置き換え規則として処理する点にある。
雌蜂は親が2匹なので「♀♂」に増え、雄蜂は親が1匹なので「♀」に変わる。この操作を繰り返すと、総数は前2項の和になる。したがって、総数はフィボナッチ数列になる。
ただし、問題文では $a_1=a_2=1$ と指定されているため、現在を第1項、1世代前を第2項と対応させるのが自然である。この対応により、12世代前は $a_{13}$ になる。
答え
(1)
4世代前:
♀ ♂ ♀ ♀ ♂
5世代前:
♀ ♂ ♀ ♀ ♂ ♀ ♂ ♀
6世代前:
♀ ♂ ♀ ♀ ♂ ♀ ♂ ♀ ♀ ♂ ♀ ♀ ♂
(2)
12世代前の雄蜂と雌蜂を合わせた総数は
$$ 233 $$
である。
(3)
数列 ${a_n}$ は
$$ a_1=a_2=1,\qquad a_{n+2}=a_{n+1}+a_n\qquad(n\geqq 1) $$
で表される。
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