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大阪大学 2025年 文系 第2問 解説

数学B/数列数学2/式と証明テーマ/漸化式テーマ/数学的帰納法
大阪大学 2025年 文系 第2問 解説

方針・初手

(1) は、与えられている漸化式 $a_{n+1} = \frac{2n-1}{2n} a_n$ を代入し、左辺を計算して右辺と一致することを示す代数計算の問題である。 (2) は、(1) で示した等式を利用して和 $S_m = \sum_{k=1}^m a_k a_{m-k+1}$ が一定であることを示す。等式を適用したのち、シグマのインデックス(添字)をずらして和の形を整えることで、$S_m$ と $S_{m+1}$ の漸化式(あるいは等しいという関係)を導出するのが定石である。

解法1

(1)

与えられた漸化式 $a_{n+1} = \frac{2n-1}{2n} a_n$ より、正の整数 $k, l$ に対して

$$ a_{k+1} = \frac{2k-1}{2k} a_k $$

$$ a_{l+1} = \frac{2l-1}{2l} a_l $$

が成り立つ。これらを等式の左辺に代入すると、

$$ \begin{aligned} &\frac{k}{k+l-1} a_{k+1} a_l + \frac{l}{k+l-1} a_k a_{l+1} \\ &= \frac{k}{k+l-1} \left( \frac{2k-1}{2k} a_k \right) a_l + \frac{l}{k+l-1} a_k \left( \frac{2l-1}{2l} a_l \right) \\ &= \frac{2k-1}{2(k+l-1)} a_k a_l + \frac{2l-1}{2(k+l-1)} a_k a_l \\ &= \frac{(2k-1) + (2l-1)}{2(k+l-1)} a_k a_l \\ &= \frac{2k+2l-2}{2(k+l-1)} a_k a_l \\ &= \frac{2(k+l-1)}{2(k+l-1)} a_k a_l \\ &= a_k a_l \end{aligned} $$

となり、右辺と一致する。 よって、正の整数 $k, l$ に対して

$$ \frac{k}{k+l-1} a_{k+1} a_l + \frac{l}{k+l-1} a_k a_{l+1} = a_k a_l $$

が成り立つことが示された。

(2)

$S_m = \sum_{k=1}^{m} a_k a_{m-k+1}$ とおく。

$m=1$ のとき、

$$ S_1 = a_1 a_1 = 1 \cdot 1 = 1 $$

となり、等式は成り立つ。

$m=2$ のとき、与えられた漸化式より $a_2 = \frac{1}{2} a_1 = \frac{1}{2}$ であるから、

$$ S_2 = a_1 a_2 + a_2 a_1 = 1 \cdot \frac{1}{2} + \frac{1}{2} \cdot 1 = 1 $$

となり、等式は成り立つ。

$m \ge 2$ のとき、(1) で示した等式において $l = m-k+1$ とする。このとき $1 \le k \le m$ より $l$ は正の整数であり、等式を適用できる。$k+l-1 = m$ となるから、

$$ a_k a_{m-k+1} = \frac{k}{m} a_{k+1} a_{m-k+1} + \frac{m-k+1}{m} a_k a_{m-k+2} $$

が成り立つ。この両辺について、$k=1$ から $m$ までの和をとると、

$$ S_m = \frac{1}{m} \sum_{k=1}^{m} k a_{k+1} a_{m-k+1} + \frac{1}{m} \sum_{k=1}^{m} (m-k+1) a_k a_{m-k+2} $$

となる。右辺第2項のシグマについて $j = k-1$ とおくと、

$$ \sum_{k=1}^{m} (m-k+1) a_k a_{m-k+2} = \sum_{j=0}^{m-1} (m-j) a_{j+1} a_{m-j+1} $$

となるから、和の変数を $k$ に戻して両辺を $m$ 倍すると、

$$ m S_m = \sum_{k=1}^{m} k a_{k+1} a_{m-k+1} + \sum_{k=0}^{m-1} (m-k) a_{k+1} a_{m-k+1} $$

$m \ge 2$ であるから、各シグマから $k=m$ の項と $k=0$ の項をそれぞれ分離し、残りをまとめることができる。 $k=m$ の項は $m a_{m+1} a_1 = m a_{m+1}$ $k=0$ の項は $m a_1 a_{m+1} = m a_{m+1}$ 残る共通の範囲 $1 \le k \le m-1$ の和をまとめると、

$$ \begin{aligned} m S_m &= m a_{m+1} + m a_{m+1} + \sum_{k=1}^{m-1} \{ k + (m-k) \} a_{k+1} a_{m-k+1} \\ &= 2m a_{m+1} + m \sum_{k=1}^{m-1} a_{k+1} a_{m-k+1} \end{aligned} $$

両辺を $m$ で割ると、

$$ S_m = 2 a_{m+1} + \sum_{k=1}^{m-1} a_{k+1} a_{m-k+1} $$

を得る。

一方、$S_{m+1} = \sum_{k=1}^{m+1} a_k a_{m+2-k}$ について、同様に $k=1$ と $k=m+1$ の項を分離すると、

$$ S_{m+1} = a_1 a_{m+1} + \sum_{k=2}^{m} a_k a_{m+2-k} + a_{m+1} a_1 $$

$a_1 = 1$ より、

$$ S_{m+1} = 2 a_{m+1} + \sum_{k=2}^{m} a_k a_{m+2-k} $$

右辺のシグマについて $j = k-1$ とおくと、

$$ \sum_{k=2}^{m} a_k a_{m+2-k} = \sum_{j=1}^{m-1} a_{j+1} a_{m-j+1} $$

となるから、変数を $k$ に戻すと、

$$ S_{m+1} = 2 a_{m+1} + \sum_{k=1}^{m-1} a_{k+1} a_{m-k+1} $$

となる。

これより、$m \ge 2$ のとき

$$ S_m = S_{m+1} $$

が成り立つ。 $S_1 = 1, S_2 = 1$ であり、$m \ge 2$ において $S_m = S_{m+1}$ であるから、すべての正の整数 $m$ に対して $S_m = 1$ が成り立つことが示された。

解説

(1) は漸化式の定義を忠実に用いるだけの素直な証明である。 (2) は、数列の部分和を変形して漸化式を導く典型的な難問である。(1) の等式には $a_{k+1}$ や $a_{l+1}$ といった添字が1つ進んだ項が含まれているため、これを用いて和 $S_m$ を展開することで、$S_{m+1}$ と比較可能な形を作り出せるという点が本質である。 計算途中でインデックスを平行移動($j=k-1$ など)させる処理は、場合の数・確率や漸化式の和の計算において頻出のテクニックである。端の項($k=0$ や $k=m$)を分離する際、$m=1$ のときは $\sum_{k=1}^{m-1}$ のような和が存在しなくなるため、本解答のように $m=1, 2$ を手計算で個別に検証し、$m \ge 2$ の場合に絞って一般の変形を行うと論理的な隙がなくなる。

答え

(1)

題意の等式に漸化式 $a_{n+1} = \frac{2n-1}{2n}a_n$ を代入し、整理することで両辺が一致することを示した。

(2)

$S_m = \sum_{k=1}^m a_k a_{m-k+1}$ とおき、(1) を用いて $m \ge 2$ のとき $S_m = S_{m+1}$ となることを導いた。$S_1=1, S_2=1$ とあわせて、すべての正の整数 $m$ で $S_m = 1$ が成り立つことを示した。

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