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数学B 数列・確率 問題 28 解説

数学B 数列・確率 問題 28 解説

方針・初手

各試行では、赤玉を取り出したときだけ袋の中の赤玉の個数が $1$ 個減る。白玉を取り出したときは、白玉を取り出して白玉を入れるので、赤玉の個数は変わらない。

したがって、袋の中の赤玉の個数を状態として考えればよい。ただし、$P_{i,n}$ は「$n$ 回目の試行前に赤玉が $i$ 個あり、かつ $n$ 回目に赤玉を取り出す確率」であることに注意する。

解法1

袋の中の玉の総数は常に $N+3$ 個である。

$n$ 回目の試行前に赤玉が $i$ 個ある確率を $Q_{i,n}$ とおく。このとき、$n$ 回目に赤玉を取り出す確率は $\dfrac{i}{N+3}$ なので、

$$ P_{i,n}=\frac{i}{N+3}Q_{i,n} $$

である。

まず、赤玉が $3$ 個ある状態について考える。$n$ 回目の試行前に赤玉が $3$ 個あり、白玉を取り出したときだけ、$(n+1)$ 回目の試行前にも赤玉は $3$ 個である。白玉の個数は $N$ 個なので、

$$ Q_{3,n+1}=\frac{N}{N+3}Q_{3,n} $$

である。よって、

$$ \begin{aligned} P_{3,n+1} &= \frac{3}{N+3}Q_{3,n+1} \\ \frac{3}{N+3}\cdot \frac{N}{N+3}Q_{3,n} \\ \frac{N}{N+3}P_{3,n} \end{aligned} $$

となる。

次に、赤玉が $2$ 個ある状態を考える。$(n+1)$ 回目の試行前に赤玉が $2$ 個であるのは、次の二通りである。

(i)

$n$ 回目の試行前に赤玉が $2$ 個あり、白玉を取り出す。

(ii)

$n$ 回目の試行前に赤玉が $3$ 個あり、赤玉を取り出す。

したがって、

$$ \begin{aligned} Q_{2,n+1} &= \frac{N+1}{N+3}Q_{2,n} + \frac{3}{N+3}Q_{3,n} \end{aligned} $$

である。両辺に $\dfrac{2}{N+3}$ をかけると、

$$ \begin{aligned} P_{2,n+1} &= \frac{N+1}{N+3}P_{2,n} + \frac{2}{N+3}P_{3,n} \end{aligned} $$

を得る。

同様に、赤玉が $1$ 個ある状態を考える。$(n+1)$ 回目の試行前に赤玉が $1$ 個であるのは、次の二通りである。

(i)

$n$ 回目の試行前に赤玉が $1$ 個あり、白玉を取り出す。

(ii)

$n$ 回目の試行前に赤玉が $2$ 個あり、赤玉を取り出す。

したがって、

$$ \begin{aligned} Q_{1,n+1} &= \frac{N+2}{N+3}Q_{1,n} + \frac{2}{N+3}Q_{2,n} \end{aligned} $$

である。両辺に $\dfrac{1}{N+3}$ をかけると、

$$ \begin{aligned} P_{1,n+1} &= \frac{N+2}{N+3}P_{1,n} + \frac{1}{N+3}P_{2,n} \end{aligned} $$

を得る。

以上より、求める漸化式は

$$ \begin{aligned} P_{1,n+1}&=\frac{N+2}{N+3}P_{1,n}+\frac{1}{N+3}P_{2,n},\\ P_{2,n+1}&=\frac{N+1}{N+3}P_{2,n}+\frac{2}{N+3}P_{3,n},\\ P_{3,n+1}&=\frac{N}{N+3}P_{3,n} \end{aligned} $$

である。

次に、

$$ P_n=P_{1,n}+P_{2,n}+P_{3,n} $$

であるから、上の三式を辺々加えると、

$$ \begin{aligned} P_{n+1} &= \left(\frac{N+2}{N+3}P_{1,n}+\frac{1}{N+3}P_{2,n}\right) + \left(\frac{N+1}{N+3}P_{2,n}+\frac{2}{N+3}P_{3,n}\right) + \frac{N}{N+3}P_{3,n}\\ &= \frac{N+2}{N+3}P_{1,n} + \frac{N+2}{N+3}P_{2,n} + \frac{N+2}{N+3}P_{3,n}\\ &= \frac{N+2}{N+3}P_n \end{aligned} $$

となる。よって、

$$ P_{n+1}=\frac{N+2}{N+3}P_n $$

である。

初回の試行前には赤玉が $3$ 個あるので、

$$ P_1=\frac{3}{N+3} $$

である。したがって、等比数列の形より、

$$ \begin{aligned} P_n &= P_1\left(\frac{N+2}{N+3}\right)^{n-1} \\ \frac{3}{N+3}\left(\frac{N+2}{N+3}\right)^{n-1} \end{aligned} $$

である。

解説

この問題では、$P_{i,n}$ が単なる「赤玉が $i$ 個ある確率」ではなく、「赤玉が $i$ 個あり、かつその回に赤玉を取り出す確率」である点が重要である。

そのまま状態遷移を書くと混乱しやすいので、いったん $Q_{i,n}$ を「$n$ 回目の試行前に赤玉が $i$ 個ある確率」とおくと整理しやすい。最後に $P_{i,n}=\dfrac{i}{N+3}Q_{i,n}$ に戻せば、問題で求められている形の漸化式が得られる。

また、三つの漸化式を加えると係数がすべて $\dfrac{N+2}{N+3}$ にそろうため、$P_n$ は等比数列として処理できる。

答え

(1)

$$ \begin{aligned} P_{1,n+1}&=\frac{N+2}{N+3}P_{1,n}+\frac{1}{N+3}P_{2,n},\\ P_{2,n+1}&=\frac{N+1}{N+3}P_{2,n}+\frac{2}{N+3}P_{3,n},\\ P_{3,n+1}&=\frac{N}{N+3}P_{3,n} \end{aligned} $$

(2)

$$ P_{n+1}=\frac{N+2}{N+3}P_n $$

また、

$$ P_1=\frac{3}{N+3} $$

より、

$$ P_n=\frac{3}{N+3}\left(\frac{N+2}{N+3}\right)^{n-1} $$

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