京都大学 1964年 文系 第3問 解説

方針・初手
点 $P$ の位置を比で表し、線分 $BQ, QR, RP$ を同じ文字で書ける形に整理する。 後半は、それら3本が三角形の3辺になる条件を比の条件に言い換えて考える。
解法1
辺 $AC$ 上の点 $P$ の位置について、$AP : PC = k : 1-k$ (ただし $0 < k < 1$)とおく。
$\triangle PBC$ と直線 $AL$ に対してメネラウスの定理を用いると、
$$ \frac{PQ}{QB} \cdot \frac{BL}{LC} \cdot \frac{CA}{AP} = 1 $$
が成り立つ。ここで、$BL : LC = 1 : 2$、$CA : AP = 1 : k$ であるから、
$$ \frac{PQ}{QB} \cdot \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{k} = 1 $$
$$ \frac{PQ}{QB} = 2k $$
すなわち、$BQ : QP = 1 : 2k$ となる。したがって、
$$ BQ = \frac{1}{2k+1} BP $$
である。
同様に、$\triangle PBC$ と直線 $AM$ に対してメネラウスの定理を用いると、
$$ \frac{PR}{RB} \cdot \frac{BM}{MC} \cdot \frac{CA}{AP} = 1 $$
が成り立つ。ここで、$BM : MC = 2 : 1$、$CA : AP = 1 : k$ であるから、
$$ \frac{PR}{RB} \cdot \frac{2}{1} \cdot \frac{1}{k} = 1 $$
$$ \frac{PR}{RB} = \frac{k}{2} $$
すなわち、$BR : RP = 2 : k$ となる。したがって、
$$ RP = \frac{k}{k+2} BP $$
$$ BR = \frac{2}{k+2} BP $$
である。
点 $R$ は線分 $BP$ 上にある。$BQ$ と $BR$ の大小を比較すると、
$$ BR - BQ = \left( \frac{2}{k+2} - \frac{1}{2k+1} \right) BP = \frac{3k}{(k+2)(2k+1)} BP $$
$k > 0$ より $BR - BQ > 0$ となるため、$BQ < BR$ であり、4点 $B, Q, R, P$ はこの順に並ぶ。よって、
$$ QR = BR - BQ = \frac{3k}{(k+2)(2k+1)} BP $$
となる。
(イ) 3線分 $BQ, QR, RP$ の長さを比較する。 分母を揃えるため、$L = \frac{BP}{(k+2)(2k+1)}$ とおくと($L > 0$)、
$$ BQ = (k+2) L $$
$$ QR = 3k L $$
$$ RP = k(2k+1) L = (2k^2+k) L $$
と表せる。$0 < k < 1$ の範囲において、これらの係数の大小を調べる。
$BQ$ と $QR$ の比較:
$$ (k+2) - 3k = -2k+2 = 2(1-k) > 0 $$
よって $QR < BQ$ である。
$QR$ と $RP$ の比較:
$$ 3k - (2k^2+k) = -2k^2+2k = 2k(1-k) > 0 $$
よって $RP < QR$ である。
以上より、$RP < QR < BQ$ である。
(ロ) 3線分 $BQ, QR, RP$ を3辺とする三角形が存在するための条件は、「最大辺の長さが他の2辺の長さの和よりも小さい」ことである。 (イ) の結果より最大辺は $BQ$ であるから、求める条件は
$$ BQ < QR + RP $$
となる。これに先ほど求めた長さを代入すると、
$$ k+2 < 3k + 2k^2+k $$
$$ 2k^2 + 3k - 2 > 0 $$
$$ (2k-1)(k+2) > 0 $$
$k+2 > 0$ であるから、$2k-1 > 0$ すなわち
$$ k > \frac{1}{2} $$
はじめの設定 $0 < k < 1$ と合わせると、
$$ \frac{1}{2} < k < 1 $$
となる。これは、点 $P$ が辺 $AC$ の中点より点 $C$ 側にあることを意味する。
解法2
$\vec{AB} = \vec{b}$, $\vec{AC} = \vec{c}$ とする。 点 $L, M$ は辺 $BC$ の3等分点であるから、
$$ \vec{AL} = \frac{2\vec{b} + \vec{c}}{3} $$
$$ \vec{AM} = \frac{\vec{b} + 2\vec{c}}{3} $$
である。また、点 $P$ は辺 $AC$ 上にあるので、$\vec{AP} = k\vec{c}$ ($0 < k < 1$)と表せる。
点 $Q$ は直線 $AL$ 上にあるので、実数 $p$ を用いて $\vec{AQ} = p\vec{AL} = \frac{2}{3}p\vec{b} + \frac{1}{3}p\vec{c}$ と表せる。 同時に、点 $Q$ は線分 $BP$ 上にあるので、実数 $q$ ($0 < q < 1$)を用いて
$$ \vec{AQ} = (1-q)\vec{b} + q\vec{AP} = (1-q)\vec{b} + qk\vec{c} $$
と表せる。$\vec{b}, \vec{c}$ は1次独立であるから、係数を比較して
$$ \frac{2}{3}p = 1-q, \quad \frac{1}{3}p = qk $$
第2式より $q = \frac{p}{3k}$。これを第1式に代入して
$$ \frac{2}{3}p = 1 - \frac{p}{3k} $$
$$ p \left( \frac{2}{3} + \frac{1}{3k} \right) = 1 \implies p \cdot \frac{2k+1}{3k} = 1 \implies p = \frac{3k}{2k+1} $$
よって $q = \frac{1}{2k+1}$ となる。 これは点 $Q$ が線分 $BP$ を $q : (1-q) = 1 : 2k$ に内分することを示すので、$BQ = \frac{1}{2k+1}BP$ を得る。
同様に、点 $R$ は直線 $AM$ 上にあるので、実数 $u$ を用いて $\vec{AR} = u\vec{AM} = \frac{1}{3}u\vec{b} + \frac{2}{3}u\vec{c}$ と表せる。 また、点 $R$ は線分 $BP$ 上にあるので、実数 $v$ ($0 < v < 1$)を用いて
$$ \vec{AR} = (1-v)\vec{b} + v\vec{AP} = (1-v)\vec{b} + vk\vec{c} $$
と表せる。係数を比較して
$$ \frac{1}{3}u = 1-v, \quad \frac{2}{3}u = vk $$
第2式より $v = \frac{2u}{3k}$。これを第1式に代入して
$$ \frac{1}{3}u = 1 - \frac{2u}{3k} $$
$$ u \left( \frac{1}{3} + \frac{2}{3k} \right) = 1 \implies u = \frac{3k}{k+2} $$
よって $v = \frac{2}{k+2}$ となる。 これは点 $R$ が線分 $BP$ を $v : (1-v) = 2 : k$ に内分することを示すので、$BR = \frac{2}{k+2}BP$ を得る。
これ以降の線分 $BQ, QR, RP$ の長さの計算と大小比較、および三角形の成立条件の計算は解法1と同様である。
解説
線分の比を求める問題である。メネラウスの定理を用いると計算を短くまとめやすい。ベクトルを用いた解法でも同じ比が求まる。 (ロ) において三角形の成立条件を考える際、「最大辺 $<$ 他の2辺の和」という条件を用いることで、3つの不等式を解く手間を省くことができる。大小関係を (イ) で求めていることが自然な誘導となっている。
答え
(イ)
$RP < QR < BQ$
(ロ) 辺 $AC$ の中点を $N$ とするとき、点 $P$ は線分 $NC$ 上にある(ただし両端の点 $N, C$ は除く)。
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