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京都大学 2007年 理系 第4問(乙) 解説

数学C/平面ベクトル数学1/図形計量数学A/図形の性質テーマ/図形総合
京都大学 2007年 理系 第4問(乙) 解説

方針・初手

「点 $O$ が $\triangle ABC$ の外心であること」と「点 $O$ が $\triangle PQR$ の外心であること」を数式に翻訳します。

外心の定義である「各頂点からの距離が等しい」という性質を用います。ベクトルを利用して内積の条件に帰着させるか、幾何的に三平方の定理を用いて辺の長さの条件に帰着させるアプローチが有効です。

解法1

点 $O$ を始点とする位置ベクトルを考える。

$\overrightarrow{OA} = \vec{a},\ \overrightarrow{OB} = \vec{b},\ \overrightarrow{OC} = \vec{c}$ とする。

点 $O$ は $\triangle ABC$ の外心であるから、外接円の半径を $R$ とすると、

$$ |\vec{a}| = |\vec{b}| = |\vec{c}| = R $$

点 $P, Q, R$ はそれぞれ辺 $AB, BC, CA$ を $2:3$ に内分する点であるから、

$$ \overrightarrow{OP} = \frac{3\vec{a} + 2\vec{b}}{5}, \quad \overrightarrow{OQ} = \frac{3\vec{b} + 2\vec{c}}{5}, \quad \overrightarrow{OR} = \frac{3\vec{c} + 2\vec{a}}{5} $$

点 $O$ は $\triangle PQR$ の外心でもあるから、$|\overrightarrow{OP}|^2 = |\overrightarrow{OQ}|^2 = |\overrightarrow{OR}|^2$ が成り立つ。各辺を展開すると、

$$\begin{aligned} |3\vec{a} + 2\vec{b}|^2 &= 9|\vec{a}|^2 + 12\vec{a}\cdot\vec{b} + 4|\vec{b}|^2 = 13R^2 + 12\vec{a}\cdot\vec{b} \end{aligned}$$

中辺・右辺も同様に計算すると、

$$ 13R^2 + 12\vec{a}\cdot\vec{b} = 13R^2 + 12\vec{b}\cdot\vec{c} = 13R^2 + 12\vec{c}\cdot\vec{a} $$

これを整理すると、

$$ \vec{a}\cdot\vec{b} = \vec{b}\cdot\vec{c} = \vec{c}\cdot\vec{a} \quad \cdots (*) $$

ここで、$\triangle ABC$ の辺の長さの2乗を考えると、

$$ AB^2 = |\vec{b} - \vec{a}|^2 = 2R^2 - 2\vec{a}\cdot\vec{b} $$

$$ BC^2 = |\vec{c} - \vec{b}|^2 = 2R^2 - 2\vec{b}\cdot\vec{c} $$

$$ CA^2 = |\vec{a} - \vec{c}|^2 = 2R^2 - 2\vec{c}\cdot\vec{a} $$

式 $(*)$ より $\vec{a}\cdot\vec{b} = \vec{b}\cdot\vec{c} = \vec{c}\cdot\vec{a}$ であるから、

$$ AB^2 = BC^2 = CA^2 $$

辺の長さは正であるから $AB = BC = CA$ となり、$\triangle ABC$ は正三角形である。

解法2

$\triangle ABC$ の辺の長さを $BC=a, CA=b, AB=c$ とし、外接円の半径を $R$ とする。

点 $O$ から辺 $AB$ に下ろした垂線の足を $M$ とすると、$M$ は辺 $AB$ の中点であり、三平方の定理より

$$ OM^2 = R^2 - \frac{c^2}{4} $$

点 $P$ は辺 $AB$ を $2:3$ に内分するので $AP = \dfrac{2}{5}c$。$AM = \dfrac{1}{2}c$ であるから、

$$ PM = AM - AP = \frac{1}{2}c - \frac{2}{5}c = \frac{1}{10}c $$

$$ OP^2 = OM^2 + PM^2 = R^2 - \frac{c^2}{4} + \frac{c^2}{100} = R^2 - \frac{6c^2}{25} $$

同様に、

$$ OQ^2 = R^2 - \frac{6a^2}{25}, \quad OR^2 = R^2 - \frac{6b^2}{25} $$

$OP^2 = OQ^2 = OR^2$ より $a^2 = b^2 = c^2$、すなわち $a = b = c$。

したがって、$\triangle ABC$ は正三角形である。

解説

「外心」という条件をどう処理するかが鍵となる問題です。「外心=各頂点からの距離が等しい」という性質を数式化します。

解法1のようにベクトルを用いると、機械的な計算で内積の等式に持ち込み、辺の長さの比較へスムーズに移行できます。解法2のように初等幾何を用いる場合、弦の中点と中心を結ぶ線分が弦と垂直に交わる性質(三平方の定理)を用いると、計算量を抑えつつスッキリと証明できます。

答え

正三角形

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