トップ 京都大学 1977年 文系 第3問

京都大学 1977年 文系 第3問 解説

数学A/場合の数テーマ/場合分け
京都大学 1977年 文系 第3問 解説

方針・初手

問題の条件 (2) における「適当な $n-1$ 個を選べば」という表現の解釈がポイントである。これは「どのように $n-1$ 個を選んでも」ではなく、「条件を満たすようにうまく $n-1$ 個を選ぶことが可能である(存在する)」という意味である。

したがって、$n$ 個の数 $a_1, a_2, \cdots, a_n$ から1つだけ数を除外したとき、残りの $n-1$ 個がすべて互いに異なる状態を作れればよいことになる。この観点から、$a_1, \cdots, a_n$ に含まれる同じ値の個数(重複の仕方)で場合分けを行う。

解法1

条件 (2) を満たすのは、$n$ 個の数 $a_1, \cdots, a_n$ から1つを取り除いたとき、残りの $n-1$ 個がすべて互いに異なる状態にできる場合である。 これが可能となるのは、次の2つの場合のみである。

(i) $n$ 個の数 $a_1, \cdots, a_n$ がすべて互いに異なる場合。

(ii) $n$ 個の数の中に、等しい値のペアがちょうど1組(2個)だけあり、他の $n-2$ 個はそのペアの値とも、互いにもすべて異なる場合。

なお、3個以上の等しい値が含まれる場合や、等しい値のペアが2組以上含まれる場合は、1つを取り除いても必ず同じ値が複数残ってしまうため、条件を満たさない。

(i) の場合 $m$ 個の自然数から異なる $n$ 個を選び、一列に並べる順列の総数に等しいため、

$$_m \mathrm{P} _n = \frac{m!}{(m-n)!}$$

通りである。

(ii) の場合 まず、$a_1, \cdots, a_n$ の $n$ 個の枠のうち、等しい値を入れる2か所の選び方は $_n \mathrm{C} _2$ 通りある。

次に、その2か所に入れる値を $m$ 個の自然数から1つ選ぶ方法は $m$ 通りある。

最後に、残りの $n-2$ 個の枠には、残っている $m-1$ 個の自然数から異なる $n-2$ 個を選んで並べるため、その方法は $_{m-1} \mathrm{P} _{n-2}$ 通りある。

したがって、この場合の選び方は、

$$_n \mathrm{C} _2 \times m \times _{m-1} \mathrm{P} _{n-2} = \frac{n(n-1)}{2} \times m \times \frac{(m-1)!}{\{ (m-1) - (n-2) \}!}$$

$$= \frac{n(n-1)}{2} \frac{m!}{(m-n+1)!}$$

通りである。

(i)(ii) は互いに排反であるから、求める選び方の総数はこれらの和となる。

$$\frac{m!}{(m-n)!} + \frac{n(n-1)}{2} \frac{m!}{(m-n+1)!}$$

共通因数 $\frac{m!}{(m-n+1)!}$ でくくって整理すると、

$$\frac{m!}{(m-n+1)!} \left\{ (m-n+1) + \frac{n(n-1)}{2} \right\}$$

$$= \frac{m! \{ 2(m-n+1) + n^2 - n \}}{2(m-n+1)!}$$

$$= \frac{m! (n^2 - 3n + 2m + 2)}{2(m-n+1)!}$$

となる。

解説

「適当な」という言葉を「任意の(すべての)」と混同しないことが最大のポイントである。数学において「適当な〜に対して」は、英語の「for some(ある〜が存在して)」に相当する。

この解釈さえ正しくできれば、「重複が一切ない場合」と「1か所だけ1回分の重複がある場合」の2パターンのみが該当することに気づき、基本的な順列と組み合わせの計算に落とし込むことができる。計算結果は階乗を用いた式や、順列記号のままの形など、いくつか表現方法があるが、論理的に正しければ問題ない。

答え

$$\frac{m! (n^2 - 3n + 2m + 2)}{2(m-n+1)!} \ (\text{通り})$$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。