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京都大学 1974年 文系 第3問 解説

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京都大学 1974年 文系 第3問 解説

方針・初手

多項定理を用いて展開式の一般項を書き下し、次数が296となるような項の組み合わせを求める。文字の数が多いため、条件式から変数を減らし、絞り込みやすい形に変形するのがポイントである。

解法1

多項定理より、$(x^3 + \sqrt{2}x^2 + \sqrt[3]{3}x + 1)^{100}$ の展開式における一般項は、非負整数 $p, q, r, s$ を用いて次のように表される。

$$ \frac{100!}{p!q!r!s!} (x^3)^p (\sqrt{2}x^2)^q (\sqrt[3]{3}x)^r 1^s $$

ただし、$p, q, r, s$ は以下の条件を満たす。

$$ p + q + r + s = 100 \quad \cdots \text{(1)} $$

一般項を整理すると、次のようになる。

$$ \frac{100!}{p!q!r!s!} (\sqrt{2})^q (\sqrt[3]{3})^r x^{3p + 2q + r} $$

これが $x^{296}$ の項となる条件は、指数の部分を比較して、以下の式が成り立つことである。

$$ 3p + 2q + r = 296 \quad \cdots \text{(2)} $$

(1), (2) から $p$ を消去して $q, r, s$ の条件を導く。(1) の両辺を3倍して (2) を引くと、

$$ 3(p + q + r + s) - (3p + 2q + r) = 300 - 296 $$

$$ q + 2r + 3s = 4 \quad \cdots \text{(3)} $$

$q, r, s$ は非負整数であるから、(3) を満たす組 $(q, r, s)$ を絞り込むことができる。 $s \geqq 0$ より、$3s \leqq 4$ であるから、$s = 0, 1$ のいずれかである。

(i)

$s = 0$ のとき

(3) より $q + 2r = 4$ となる。 $r \geqq 0$ より $2r \leqq 4$ すなわち $r = 0, 1, 2$ である。

(ii)

$s = 1$ のとき

(3) より $q + 2r = 1$ となる。 $r \geqq 0$ より $2r \leqq 1$ すなわち $r = 0$ である。

以上より、$(p, q, r, s)$ の組は以下の4通りである。

$$ (96, 4, 0, 0), (97, 2, 1, 0), (98, 0, 2, 0), (98, 1, 0, 1) $$

それぞれの組に対応する係数を計算する。

(ア)

$(p, q, r, s) = (96, 4, 0, 0)$ のとき

$$ \frac{100!}{96!4!0!0!} (\sqrt{2})^4 (\sqrt[3]{3})^0 = \frac{100 \cdot 99 \cdot 98 \cdot 97}{4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1} \times 4 = 15684900 $$

(イ)

$(p, q, r, s) = (97, 2, 1, 0)$ のとき

$$ \frac{100!}{97!2!1!0!} (\sqrt{2})^2 (\sqrt[3]{3})^1 = \frac{100 \cdot 99 \cdot 98}{2 \cdot 1} \times 2 \times \sqrt[3]{3} = 970200 \sqrt[3]{3} $$

(ウ)

$(p, q, r, s) = (98, 0, 2, 0)$ のとき

$$ \frac{100!}{98!0!2!0!} (\sqrt{2})^0 (\sqrt[3]{3})^2 = \frac{100 \cdot 99}{2 \cdot 1} \times 1 \times \sqrt[3]{9} = 4950 \sqrt[3]{9} $$

(エ)

$(p, q, r, s) = (98, 1, 0, 1)$ のとき

$$ \frac{100!}{98!1!0!1!} (\sqrt{2})^1 (\sqrt[3]{3})^0 = \frac{100 \cdot 99}{1} \times \sqrt{2} \times 1 = 9900 \sqrt{2} $$

求める係数はこれら4つの項の係数の和となる。

解説

多項定理の基本的な適用問題だが、項数が4つあるため文字の数が多くなる。そのままでは組を求めるのが難しいため、「次数に関する式」と「個数に関する式」をうまく組み合わせて、係数が大きく非負整数という制約を強く受けやすい変数(ここでは $s, r, q$)だけの方程式を導き出す工夫が重要だ。今回は $3 \times \text{(個数の式)} - \text{(次数の式)}$ を計算することで、$p$ を消去しつつ右辺を小さな値(4)に抑えることができた。

答え

$$ 15684900 + 9900\sqrt{2} + 970200\sqrt[3]{3} + 4950\sqrt[3]{9} $$

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