数学2 軌跡 問題 26 解説

方針・初手
放物線と直線の接する条件を立式する。(1) は二次方程式の判別式 $D=0$、または接点を設定して恒等式を用いる方法が考えられる。(2) は $x$ 軸との交点条件から新たな判別式 $D>0$ を解く。(3) は接点 $\text{P}, \text{Q}$ および頂点 $\text{R}$ の座標を $a$ で表し、重心 $\text{G}(X,Y)$ をパラメータ $\frac{1}{a}$ を用いて表した後、パラメータを消去して軌跡を求める。
解法1
(1)
放物線 $C: y=ax^2+bx+c$ と直線 $\ell_1: y=-3x+3$ が接する条件は、二次方程式 $ax^2+(b+3)x+c-3=0$ の判別式を $D_1$ とすると $D_1=0$ となることである。
$$D_1 = (b+3)^2 - 4a(c-3) = 0$$
同様に、$C$ と $\ell_2: y=x+3$ が接する条件は、二次方程式 $ax^2+(b-1)x+c-3=0$ の判別式を $D_2$ とすると $D_2=0$ となることである。
$$D_2 = (b-1)^2 - 4a(c-3) = 0$$
2つの式から $4a(c-3)$ を消去すると、
$$(b+3)^2 = (b-1)^2$$
これを解くと、
$$b^2+6b+9 = b^2-2b+1$$
$$8b = -8$$
$$b = -1$$
これを $D_1=0$ に代入して、
$$(-1+3)^2 - 4a(c-3) = 0$$
$$4 - 4a(c-3) = 0$$
$$a(c-3) = 1$$
$a \neq 0$ であるから、
$$c-3 = \frac{1}{a}$$
$$c = \frac{1}{a}+3$$
(2)
(1) の結果より、放物線 $C$ の方程式は $y = ax^2 - x + \frac{1}{a} + 3$ となる。 $C$ が $x$ 軸と異なる2点で交わる条件は、二次方程式 $ax^2 - x + \frac{1}{a} + 3 = 0$ の判別式を $D_3$ とすると $D_3 > 0$ となることである。
$$D_3 = (-1)^2 - 4a\left(\frac{1}{a}+3\right) = 1 - 4 - 12a = -3 - 12a > 0$$
よって、
$$12a < -3$$
$$a < -\frac{1}{4}$$
ここで $a < -\frac{1}{4} < 0$ であることに注意して $\frac{1}{a}$ の範囲を求める。逆数をとると不等号の向きが変わり、
$$-4 < \frac{1}{a} < 0$$
(3)
$C$ と $\ell_1$ の接点 $\text{P}$ の $x$ 座標は、重解をもつ二次方程式 $ax^2 + 2x + \frac{1}{a} = 0$ の解である。
$$a\left(x + \frac{1}{a}\right)^2 = 0$$
したがって、 $x = -\frac{1}{a}$ である。このとき $y$ 座標は $\ell_1$ 上にあるから $y = -3\left(-\frac{1}{a}\right)+3 = \frac{3}{a}+3$ となる。よって $\text{P}\left(-\frac{1}{a}, \frac{3}{a}+3\right)$ である。
同様に、$C$ と $\ell_2$ の接点 $\text{Q}$ の $x$ 座標は、$ax^2 - 2x + \frac{1}{a} = 0$ すなわち $a\left(x - \frac{1}{a}\right)^2 = 0$ の解であるから $x = \frac{1}{a}$ である。$y$ 座標は $y = \frac{1}{a}+3$ となり、$\text{Q}\left(\frac{1}{a}, \frac{1}{a}+3\right)$ である。
また、放物線 $C$ の方程式を平方完成すると、
$$y = a\left(x - \frac{1}{2a}\right)^2 - \frac{1}{4a} + \frac{1}{a} + 3 = a\left(x - \frac{1}{2a}\right)^2 + \frac{3}{4a} + 3$$
よって、頂点 $\text{R}$ の座標は $\text{R}\left(\frac{1}{2a}, \frac{3}{4a}+3\right)$ である。
$\triangle\text{PQR}$ の重心 $\text{G}(X, Y)$ の座標は、
$$X = \frac{1}{3} \left(-\frac{1}{a} + \frac{1}{a} + \frac{1}{2a}\right) = \frac{1}{6a}$$
$$Y = \frac{1}{3} \left(\frac{3}{a}+3 + \frac{1}{a}+3 + \frac{3}{4a}+3\right) = \frac{1}{3} \left(\frac{19}{4a} + 9\right) = \frac{19}{12a} + 3$$
$\frac{1}{a} = 6X$ を $Y$ の式に代入すると、
$$Y = \frac{19}{12} (6X) + 3 = \frac{19}{2} X + 3$$
(2) より $-4 < \frac{1}{a} < 0$ であるから、
$$-4 < 6X < 0$$
$$-\frac{2}{3} < X < 0$$
ゆえに、重心 $\text{G}$ の軌跡は直線 $y = \frac{19}{2}x + 3$ の $-\frac{2}{3} < x < 0$ の部分である。
解法2
(1)の別解
放物線 $C: y=ax^2+bx+c$ と直線 $\ell_1: y=-3x+3$ が接点 $\text{P}(p, -3p+3)$ をもつとする。 $C$ から $\ell_1$ を引いた式は $a(x-p)^2$ と因数分解できるため、以下の恒等式が成り立つ。
$$ax^2+bx+c - (-3x+3) = a(x-p)^2$$
展開して係数を比較すると、
$$b+3 = -2ap$$
$$c-3 = ap^2$$
同様に、直線 $\ell_2: y=x+3$ が接点 $\text{Q}(q, q+3)$ をもつとすると、以下の恒等式が成り立つ。
$$ax^2+bx+c - (x+3) = a(x-q)^2$$
係数を比較して、
$$b-1 = -2aq$$
$$c-3 = aq^2$$
$c-3 = ap^2 = aq^2$ であり、$a \neq 0$ かつ $\ell_1, \ell_2$ は傾きが異なる直線であるため接点の $x$ 座標も異なる。よって $p \neq q$ であるから $p = -q$ となる。
$b+3 = -2ap$ と $b-1 = -2aq$ の両辺を足すと、
$$2b+2 = -2a(p+q) = 0$$
これより $b = -1$ を得る。
$b = -1$ を用いると $2 = -2ap$ から $p = -\frac{1}{a}$ となる。 これを $c-3 = ap^2$ に代入して、
$$c-3 = a\left(-\frac{1}{a}\right)^2 = \frac{1}{a}$$
$$c = \frac{1}{a}+3$$
解説
2つの接線が与えられた放物線の未定係数を決定する典型的な問題である。解法1のように判別式 $D=0$ を2つ立てて連立する方針が確実で計算も容易である。解法2のように差をとって $(x-\alpha)^2$ の形を利用する恒等式の考え方は、(3) で必要になる接点の $x$ 座標を同時に求められるため、見通しが良くなる。
(2) において $\frac{1}{a}$ の値の範囲を求める際、負の数の逆数をとる不等式の扱いに注意が必要である。不安な場合は $\frac{1}{a} = t$ とおいて $a = \frac{1}{t}$ を $a < -\frac{1}{4}$ に代入し、$t$ の不等式として安全に解くのがよい。
(3) は計算量が多くなるが、(2) で求めた $\frac{1}{a}$ をひとつの塊として扱うことで計算を簡略化できる。
答え
(1) $b = -1$, $c = \frac{1}{a} + 3$
(2) $-4 < \frac{1}{a} < 0$
(3) 直線 $y = \frac{19}{2}x + 3$ の $-\frac{2}{3} < x < 0$ の部分
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