トップ 基礎問題 数学2 図形と式 領域 問題 5

数学2 領域 問題 5 解説

数学2 領域 問題 5 解説

方針・初手

円と直線の交点間の距離(弦の長さ)は、円の中心から直線までの距離と三平方の定理を用いて求める方法と、方程式を連立させて交点の座標を直接求める方法がある。 領域の面積は、境界となる円と直線の交点の位置関係から中心角を求め、扇形の面積と三角形の面積を利用して計算する。

解法1

円 $x^2+y^2=4$ の中心を $O(0, 0)$、半径を $r=2$ とする。

円の中心 $O$ から直線 $x+\sqrt{3}y-2\sqrt{3}=0$ までの距離を $d$ とすると、点と直線の距離の公式より

$$d = \frac{|0 + \sqrt{3} \cdot 0 - 2\sqrt{3}|}{\sqrt{1^2 + (\sqrt{3})^2}} = \frac{2\sqrt{3}}{\sqrt{4}} = \sqrt{3}$$

円と直線の交点を $A, B$ とし、線分 $AB$ の中点を $M$ とすると、$\triangle OAM$ は $\angle OMA = 90^\circ$ の直角三角形である。 三平方の定理より、$AM^2 + OM^2 = OA^2$ であるから

$$AM = \sqrt{OA^2 - OM^2} = \sqrt{r^2 - d^2} = \sqrt{2^2 - (\sqrt{3})^2} = \sqrt{1} = 1$$

弦 $AB$ の長さは $AM$ の2倍であるため

$$AB = 2AM = 2$$

これが求める2点間の距離である。

次に、連立不等式

$$\begin{cases} x^2+y^2 \leqq 4 \\ x+\sqrt{3}y-2\sqrt{3} \leqq 0 \end{cases}$$

の表す領域の面積を求める。

第1式の表す領域は円 $x^2+y^2=4$ の内部および境界であり、第2式の表す領域は直線 $x+\sqrt{3}y-2\sqrt{3}=0$ の下側(原点側)および境界である。

$\triangle OAM$ において、$OA=2, OM=\sqrt{3}, AM=1$ であるから、$\angle AOM = \frac{\pi}{6}$ とわかる。 したがって、弦 $AB$ に対する中心角は

$$\angle AOB = 2 \angle AOM = \frac{\pi}{3}$$

である。

直線 $x+\sqrt{3}y-2\sqrt{3}=0$ によって円は2つの領域に分割されるが、不等式の表す領域は原点 $(0,0)$ を含む。($0+0-2\sqrt{3} \leqq 0$ を満たすため) 直線によって切り取られる小さい方の弓形は原点を含まない側にあるため、求める領域の面積 $S$ は、円全体の面積から小さい方の弓形の面積を引いたものである。

小さい方の弓形の面積は、中心角 $\frac{\pi}{3}$ の扇形の面積から $\triangle OAB$ の面積を引いて

$$\frac{1}{2} \cdot 2^2 \cdot \frac{\pi}{3} - \frac{1}{2} \cdot 2^2 \cdot \sin\frac{\pi}{3} = \frac{2}{3}\pi - \sqrt{3}$$

よって、求める面積 $S$ は

$$S = \pi \cdot 2^2 - \left(\frac{2}{3}\pi - \sqrt{3}\right) = \frac{10}{3}\pi + \sqrt{3}$$

となる。

解法2

円と直線の方程式を連立し、交点の座標を直接求める。 直線の方程式 $x+\sqrt{3}y-2\sqrt{3}=0$ より

$$x = -\sqrt{3}y + 2\sqrt{3}$$

これを円の方程式 $x^2+y^2=4$ に代入して

$$(-\sqrt{3}y + 2\sqrt{3})^2 + y^2 = 4$$

$$3y^2 - 12y + 12 + y^2 = 4$$

$$4y^2 - 12y + 8 = 0$$

両辺を4で割って整理すると

$$y^2 - 3y + 2 = 0$$

$$(y-1)(y-2) = 0$$

よって、$y=1, 2$ を得る。

$y=1$ のとき、$x = -\sqrt{3} + 2\sqrt{3} = \sqrt{3}$ $y=2$ のとき、$x = -2\sqrt{3} + 2\sqrt{3} = 0$

ゆえに、2つの交点の座標は $A(\sqrt{3}, 1)$ と $B(0, 2)$ である。 したがって、2点間の距離は

$$AB = \sqrt{(\sqrt{3} - 0)^2 + (1 - 2)^2} = \sqrt{3 + (-1)^2} = \sqrt{4} = 2$$

次に、連立不等式の表す領域の面積について考える。

原点を $O(0,0)$ とすると、ベクトルは $\vec{OA} = (\sqrt{3}, 1)$, $\vec{OB} = (0, 2)$ である。 内積 $\vec{OA} \cdot \vec{OB}$ を計算すると

$$\vec{OA} \cdot \vec{OB} = \sqrt{3} \cdot 0 + 1 \cdot 2 = 2$$

また、$|\vec{OA}| = 2$, $|\vec{OB}| = 2$ であるから、なす角 $\angle AOB$ について

$$\cos\angle AOB = \frac{\vec{OA} \cdot \vec{OB}}{|\vec{OA}||\vec{OB}|} = \frac{2}{2 \cdot 2} = \frac{1}{2}$$

$0 < \angle AOB < \pi$ より $\angle AOB = \frac{\pi}{3}$ である。

不等式 $x+\sqrt{3}y-2\sqrt{3} \leqq 0$ は原点 $(0,0)$ を満たすため、求める領域は弦 $AB$ と弧 $AB$(大きい方)で囲まれた図形である。 したがって、面積 $S$ は、中心角 $\frac{5}{3}\pi$ の扇形の面積と $\triangle OAB$ の面積の和として計算できる。

扇形の面積は

$$\frac{1}{2} \cdot 2^2 \cdot \frac{5}{3}\pi = \frac{10}{3}\pi$$

$\triangle OAB$ の面積は

$$\frac{1}{2} \cdot 2 \cdot 2 \cdot \sin\frac{\pi}{3} = \sqrt{3}$$

これらを足し合わせて、求める面積は

$$\frac{10}{3}\pi + \sqrt{3}$$

となる。

解説

円と直線の交点間の距離を求める際、交点の座標が不要であれば「中心と直線の距離」および「三平方の定理」を用いる解法1が計算量も少なく推奨される。本問の場合、交点の座標もきれいな値になるため、解法2のように直接交点を求めても計算量はそれほど多くならない。 領域の面積の計算においては、不等式が表す領域がどちら側か(原点を含むかどうか)を正しく判定することが重要である。また、扇形や三角形の面積公式を用いて図形的に処理する手法は、積分を用いるよりもはるかに簡明に結果を得ることができる。

答え

(エ) $2$

(オ) $\frac{10}{3}\pi + \sqrt{3}$

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