トップ 基礎問題 数学2 図形と式 領域 問題 4

数学2 領域 問題 4 解説

数学2 領域 問題 4 解説

方針・初手

(1)は、与えられた直線と点 $(a,b)$ の距離が $t$ の値に依らず一定値 $r$ となるように $a, b, r$ を定める方針をとる。接点は、円の中心から直線に下ろした垂線の足として求めることができる。 (2)は、直線の式を $t$ についての方程式とみなし、$t \geqq 1$ の範囲に少なくとも1つの実数解をもつような $(x,y)$ の条件を求める(逆手流・ファクシミリの原理)。最高次の係数に $x$ が含まれるため、$x=-1$ の場合分けを忘れないことが重要である。

解法1

(1) 円 $C$ の中心を $(a,b)$、半径を $r$($r>0$)とおく。 直線 $(1-t^2)x - 2ty - (1+t^2) = 0$ と点 $(a,b)$ の距離が $t$ の値によらず $r$ となるので、点と直線の距離の公式より

$$\frac{|(1-t^2)a - 2tb - (1+t^2)|}{\sqrt{(1-t^2)^2 + (-2t)^2}} = r$$

分母は $\sqrt{1-2t^2+t^4+4t^2} = \sqrt{(1+t^2)^2} = 1+t^2$ であるから、

$$\frac{|-(a+1)t^2 - 2bt + a-1|}{1+t^2} = r$$

$$|-(a+1)t^2 - 2bt + a-1| = r(1+t^2)$$

これが $t$ についての恒等式となる条件を考える。

$-(a+1)t^2 - 2bt + a-1 = r(1+t^2)$ または $-(a+1)t^2 - 2bt + a-1 = -r(1+t^2)$

係数を比較して、 $-(a+1) = r$ かつ $-2b = 0$ かつ $a-1 = r$ または $-(a+1) = -r$ かつ $-2b = 0$ かつ $a-1 = -r$

前者の場合、$r = a-1 = -a-1$ より $2a = 0$ すなわち $a = 0$。このとき $r = -1$ となり、$r>0$ に反するため不適である。 後者の場合、$-r = a-1 = -a-1$ より $a = 0$。このとき $r = 1$ となり適する。 また、いずれの場合も $b = 0$ である。 したがって、円 $C$ は中心 $(0,0)$、半径 $1$ の円であり、その方程式は

$$x^2 + y^2 = 1$$

接点は、円の中心 $(0,0)$ からこの直線に下ろした垂線の足である。 原点を通り、直線 $(1-t^2)x - 2ty = 1+t^2$ に垂直な直線の方程式は $2tx + (1-t^2)y = 0$ である。 この2直線の交点を求める。 $t = \pm 1$ のとき、元の直線は $y = -1$ ($t=1$) または $y = 1$ ($t=-1$)、垂線は $x = 0$ となり、交点は $(0, \mp 1)$ である。 $t \neq \pm 1$ のとき、$y = -\frac{2t}{1-t^2}x$ を元の直線に代入して、

$$(1-t^2)x - 2t \left( -\frac{2t}{1-t^2}x \right) = 1+t^2$$

$$\frac{(1-t^2)^2 + 4t^2}{1-t^2}x = 1+t^2$$

$$\frac{(1+t^2)^2}{1-t^2}x = 1+t^2$$

$1+t^2 \neq 0$ より $x = \frac{1-t^2}{1+t^2}$。 これを $y$ の式に代入して $y = -\frac{2t}{1+t^2}$。 この式は $t = \pm 1$ のときも成り立つ。 よって、接点の座標は $\left( \frac{1-t^2}{1+t^2}, -\frac{2t}{1+t^2} \right)$ である。

(2) 直線の方程式を $t$ について整理すると、

$$(x+1)t^2 + 2yt - (x-1) = 0$$

点 $(x,y)$ が直線の通過する範囲にあるための条件は、この $t$ についての方程式が $t \geqq 1$ において少なくとも1つの実数解をもつことである。 $f(t) = (x+1)t^2 + 2yt - x + 1$ とおく。

(i) $x+1 = 0$ すなわち $x = -1$ のとき 方程式は $2yt + 2 = 0 \iff yt = -1$ となる。 $t \geqq 1$ に実数解をもつ条件は、$y \neq 0$ かつ $t = -\frac{1}{y} \geqq 1$ である。 これを解くと、$-1 \leqq y < 0$ となる。

(ii) $x+1 \neq 0$ すなわち $x \neq -1$ のとき $f(t) = 0$ は2次方程式となる。判別式を $D$、軸を $t = \alpha$ とすると、

$$\frac{D}{4} = y^2 - (x+1)(-x+1) = x^2 + y^2 - 1$$

$$\alpha = -\frac{y}{x+1}$$

端点の値は $f(1) = (x+1) + 2y - x + 1 = 2y + 2$ である。 $f(t)=0$ が $t \geqq 1$ に少なくとも1つの実数解をもつのは、次の(ア)または(イ)のときである。

(ア) $t \geqq 1$ に2つの実数解(重解を含む)をもつとき 条件は、$D \geqq 0$ かつ $\alpha \geqq 1$ かつ $(x+1)f(1) \geqq 0$ である。

$$D \geqq 0 \iff x^2 + y^2 \geqq 1$$

$$(x+1)f(1) \geqq 0 \iff (x+1)(2y+2) \geqq 0 \iff (x+1)(y+1) \geqq 0$$

$$\alpha \geqq 1 \iff -\frac{y}{x+1} \geqq 1$$

$x+1 > 0$ (すなわち $x > -1$)のとき、$-\frac{y}{x+1} \geqq 1 \iff y \leqq -x-1$ である。このとき $(x+1)(y+1) \geqq 0$ より $y \geqq -1$ が必要となる。 $x+1 < 0$ (すなわち $x < -1$)のとき、$-\frac{y}{x+1} \geqq 1 \iff y \geqq -x-1$ である。このとき $(x+1)(y+1) \geqq 0$ より $y \leqq -1$ が必要となるが、$-x-1 > 0$ であるため $y \geqq -x-1 > 0$ となり矛盾する。 したがって、(ア)を満たす領域は 「$x > -1$ かつ $x^2 + y^2 \geqq 1$ かつ $-1 \leqq y \leqq -x-1$」となる。

(イ) $t \geqq 1$ と $t < 1$ に1つずつ実数解をもつ、または $t=1$ を解にもち他方の解が $t < 1$ となるとき $t=1$ を解にもたない場合、条件は $f(1)$ と $x+1$ が異符号であることである。 すなわち $(x+1)f(1) < 0 \iff (x+1)(y+1) < 0$。 これを解くと「$x > -1$ かつ $y < -1$」または「$x < -1$ かつ $y > -1$」となる。

$t=1$ を解にもつ場合、$f(1) = 2y+2 = 0 \iff y = -1$ である。 このとき $f(t) = (x+1)t^2 - 2t - x + 1 = 0$ となり、$t=1$ 以外の解は解と係数の関係より $t = \frac{-x+1}{x+1}$ となる。 これが $t < 1$ となる条件は $\frac{-x+1}{x+1} < 1$ である。 $x > -1$ のときは $-x+1 < x+1 \iff x > 0$。 $x < -1$ のときは $-x+1 > x+1 \iff x < 0$(これは $x < -1$ において常に成立する)。 よって $t=1$ を解にもつ場合の条件は「$x > 0$ かつ $y = -1$」または「$x < -1$ かつ $y = -1$」となる。

以上(i)(ii)の条件をまとめると、求める領域は以下のように整理できる。 ・$x > -1$ のとき、「$x^2+y^2 \geqq 1$ かつ $-1 \leqq y \leqq -x-1$」または「$y < -1$」または「$y = -1$ かつ $x > 0$」 ・$x = -1$ のとき、$-1 \leqq y < 0$ ・$x < -1$ のとき、$y \geqq -1$

さらに、$x > -1$ の条件を簡潔にまとめる。$y < -1$ と「$y = -1$ かつ $x > 0$」は、$x > 0$ においては $y \leqq -1$ とまとまる。また、$-1 \leqq y \leqq -x-1$ の部分は $-1 < x \leqq 0$ に存在し、境界として $y = -1$ も含むため、円の外部とあわせて表現すると「$-1 < x \leqq 0$ かつ $x^2+y^2 \geqq 1$ かつ $y \leqq 0$」となる。

解説

(1) は「$t$ についての恒等式」として円との距離を考える方針が論理的で分かりやすい。直線を $t$ の式として整理してもうまくいかないため、図形的な意味に帰着させる発想が求められる。また、三角関数の媒介変数表示 $t = \tan(\frac{\theta}{2})$ を知っていれば、直線の式が $\cos\theta \cdot x - \sin\theta \cdot y = 1$ と変形できることに気づき、直感的に単位円の接線であることがわかる。 (2) は「ファクシミリの原理(逆手流)」と呼ばれる定石の通過領域問題である。$t$ の2次方程式の解の配置問題に帰着させる。最高次の係数 $x+1$ が $0$ になる場合を忘れずに場合分けすることが重要である。また、領域の境界において、直線 $x = -1$ の $y \geqq 0$ の部分や点 $(-1, 0)$ が除外されるなど、細かい端点の処理で差がつく問題である。

答え

(1)

円 $C$ の方程式:$x^2 + y^2 = 1$

接点の座標:$\left( \frac{1-t^2}{1+t^2}, -\frac{2t}{1+t^2} \right)$

(2)

求める直線の通過する範囲は、以下の不等式で表される領域である。

$x < -1$ のとき、$y \geqq -1$

$x = -1$ のとき、$-1 \leqq y < 0$

$-1 < x \leqq 0$ のとき、$x^2 + y^2 \geqq 1$ かつ $y \leqq 0$

$x > 0$ のとき、$y \leqq -1$

図示する領域の境界線は以下の通りであり、これらに囲まれた指定の側となる。

直線 $y = -1$ の $x \leqq -1$ および $x \geqq 0$ の部分(実線、境界を含む。点 $(0, -1)$ を含む)

円 $x^2 + y^2 = 1$ の $-1 < x \leqq 0$ かつ $y \leqq 0$ の部分(実線、境界を含む)

直線 $x = -1$ の $y \geqq 0$ の部分(破線、境界を含まない。点 $(-1, 0)$ は白丸で含まない)

直線 $x = -1$ の $-1 \leqq y < 0$ の部分(実線、境界を含む)

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