数学3 数列・極限 問題 10 解説

方針・初手
(1) 曲線 $C$ の方程式から導関数を求め、点 $A_{n+1}$ における法線の方程式を立てる。この法線が点 $P_n$ を通るという条件を立式し、$x_n$ と $x_{n+1}$ の関係式を導く。
(2) (1)で得られた漸化式は累乗の形をしているため、両辺の対数をとることで等差数列や等比数列の知識が使える線形な隣接2項間漸化式に帰着させる。
解法1
(1)
曲線 $C: y = \frac{1}{2}x^2 - 1$ $(x > 0)$ において、$y' = x$ である。 点 $A_{n+1}$ は曲線 $C$ 上にあり、その $x$ 座標は $x_{n+1}$ であるから、座標は $\left( x_{n+1}, \frac{1}{2}x_{n+1}^2 - 1 \right)$ と表せる。 また、点 $A_{n+1}$ における接線の傾きは $x_{n+1}$ となる。
問題の条件 $x > 0$ より $x_{n+1} > 0$ であるため、点 $A_{n+1}$ における法線の傾きは $-\frac{1}{x_{n+1}}$ となる。 したがって、点 $A_{n+1}$ における法線の方程式は以下のようになる。
$$y - \left( \frac{1}{2}x_{n+1}^2 - 1 \right) = -\frac{1}{x_{n+1}}(x - x_{n+1})$$
この法線が点 $P_n(x_n, 0)$ を通るため、$x=x_n, y=0$ を代入して成り立つ。
$$-\left( \frac{1}{2}x_{n+1}^2 - 1 \right) = -\frac{1}{x_{n+1}}(x_n - x_{n+1})$$
両辺を展開して整理する。
$$-\frac{1}{2}x_{n+1}^2 + 1 = -\frac{x_n}{x_{n+1}} + 1$$
$$\frac{1}{2}x_{n+1}^2 = \frac{x_n}{x_{n+1}}$$
$$x_n = \frac{1}{2}x_{n+1}^3$$
(2)
(1) の結果より、$x_{n+1}^3 = 2x_n$ である。 条件より $x_1 > \sqrt{2} > 0$ であり、漸化式から帰納的にすべての自然数 $n$ について $x_n > 0$ となるため、両辺の底を $2$ とする対数をとることができる。
$$\log_2 x_{n+1}^3 = \log_2 (2x_n)$$
$$3 \log_2 x_{n+1} = 1 + \log_2 x_n$$
$$\log_2 x_{n+1} = \frac{1}{3} \log_2 x_n + \frac{1}{3}$$
この隣接2項間漸化式の特性方程式 $\alpha = \frac{1}{3}\alpha + \frac{1}{3}$ を解くと $\alpha = \frac{1}{2}$ となるので、式は次のように変形できる。
$$\log_2 x_{n+1} - \frac{1}{2} = \frac{1}{3} \left( \log_2 x_n - \frac{1}{2} \right)$$
これは、数列 $\left\{ \log_2 x_n - \frac{1}{2} \right\}$ が初項 $\log_2 x_1 - \frac{1}{2}$、公比 $\frac{1}{3}$ の等比数列であることを示している。したがって一般項は以下のようになる。
$$\log_2 x_n - \frac{1}{2} = \left( \log_2 x_1 - \frac{1}{2} \right) \left( \frac{1}{3} \right)^{n-1}$$
$$\log_2 x_n = \frac{1}{2} + \left( \log_2 x_1 - \frac{1}{2} \right) \left( \frac{1}{3} \right)^{n-1}$$
対数の定義から $x_n$ を表すと以下の通りとなる。
$$x_n = 2^{\frac{1}{2} + \left( \log_2 x_1 - \frac{1}{2} \right) \left( \frac{1}{3} \right)^{n-1}}$$
次に、$n \to \infty$ のときの極限を求める。 $0 < \frac{1}{3} < 1$ より $\lim_{n \to \infty} \left( \frac{1}{3} \right)^{n-1} = 0$ であるから、指数の極限は以下のようになる。
$$\lim_{n \to \infty} \left\{ \frac{1}{2} + \left( \log_2 x_1 - \frac{1}{2} \right) \left( \frac{1}{3} \right)^{n-1} \right\} = \frac{1}{2}$$
よって、求める極限は以下の通りとなる。
$$\lim_{n \to \infty} x_n = 2^{\frac{1}{2}} = \sqrt{2}$$
解説
法線の方程式を正確に立てることが第一歩である。法線の傾きは接線の傾きと掛けて $-1$ になる関係を利用するが、$x_{n+1} \neq 0$ であること(分母が $0$ にならないこと)の確認を忘れないようにしたい。 漸化式が累乗の形で与えられた場合、両辺の対数をとって一次の線形漸化式に帰着させるのが定石である。この際、対数の真数条件を満たすため、すべての $n$ に対して $x_n > 0$ であることを明記することが数学的な正確性の観点から重要となる。 なお、問題文にある「異なる点列」という条件は、$x_1 > \sqrt{2}$ より公比を持った部分が $0$ にならず、常に $x_n$ が単調に変化することで担保されている。
答え
(1)
$x_n = \frac{1}{2}x_{n+1}^3$ (または $x_{n+1}^3 = 2x_n$ など)
(2)
$$x_n = 2^{\frac{1}{2} + \left( \log_2 x_1 - \frac{1}{2} \right) \left( \frac{1}{3} \right)^{n-1}}$$
$$\lim_{n \to \infty} x_n = \sqrt{2}$$
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