数学3 数列・極限 問題 22 解説

方針・初手
線分上の点の位置を実数直線上の座標として捉え、漸化式を立てる。(1) は線分の中点の座標を順に求めることで立式できる。(2)、(3) は問題の指示通り数学的帰納法を用いる。(4) は (2)、(3) の結果から不等式を作り、はさみうちの原理を利用して極限を求める。
解法1
(1)
点 $\text{A}$ を原点とし、半直線 $\text{AB}$ を正の向きとする数直線を考える。点 $\text{A}$ の座標は $0$、点 $\text{B}$ の座標は $1$ となる。 このとき、$\text{AP}_n = a_n$ より、点 $\text{P}_n$ の座標は $a_n$ である。
点 $\text{Q}_n$ は線分 $\text{P}_n\text{B}$ の中点であるから、その座標は
$$\frac{a_n + 1}{2}$$
となる。 さらに、点 $\text{P}_{n+1}$ は線分 $\text{AQ}_n$ の中点であるから、その座標 $a_{n+1}$ は
$$a_{n+1} = \frac{0 + \frac{a_n + 1}{2}}{2} = \frac{1}{4}a_n + \frac{1}{4}$$
と表される。
(2)
すべての自然数 $n$ について $a_n < \frac{1}{3}$ であること(これを条件 $p$ とする)を数学的帰納法で証明する。
(i) $n=1$ のとき 問題の条件より $\frac{1}{4} < a_1 < \frac{1}{3}$ であるから、条件 $p$ は成り立つ。
(ii) $n=k$ ($k$ は自然数) のとき、条件 $p$ が成り立つと仮定する。すなわち、
$$a_k < \frac{1}{3}$$
とする。$n=k+1$ のときを考えると、(1) の結果より
$$a_{k+1} = \frac{1}{4}a_k + \frac{1}{4} < \frac{1}{4} \cdot \frac{1}{3} + \frac{1}{4} = \frac{1}{12} + \frac{3}{12} = \frac{1}{3}$$
となるため、$n=k+1$ のときも条件 $p$ は成り立つ。
(i)、(ii) より、すべての自然数 $n$ について $a_n < \frac{1}{3}$ が成り立つ。
(3)
$S_n = \sum_{k=1}^n \frac{1}{4^k}$ について、$S_1 = \frac{1}{4}$ である。また、
$$\begin{aligned} S_{k+1} &= \sum_{i=1}^{k+1} \frac{1}{4^i} \\ &= \frac{1}{4} + \frac{1}{4^2} + \dots + \frac{1}{4^{k+1}} \\ &= \frac{1}{4} + \frac{1}{4} \left( \frac{1}{4} + \dots + \frac{1}{4^k} \right) \\ &= \frac{1}{4} + \frac{1}{4}S_k \end{aligned}$$
が成り立つ。
すべての自然数 $n$ について $a_n > S_n$ であること(これを条件 $q$ とする)を数学的帰納法で証明する。
(i) $n=1$ のとき 問題の条件より $a_1 > \frac{1}{4}$ であり、$S_1 = \frac{1}{4}$ であるから、$a_1 > S_1$ となり、条件 $q$ は成り立つ。
(ii) $n=k$ のとき、条件 $q$ が成り立つと仮定する。すなわち、
$$a_k > S_k$$
とする。$n=k+1$ のときを考えると、(1) の結果と $S_n$ の漸化式を用いて差をとると、
$$\begin{aligned} a_{k+1} - S_{k+1} &= \left( \frac{1}{4}a_k + \frac{1}{4} \right) - \left( \frac{1}{4}S_k + \frac{1}{4} \right) \\ &= \frac{1}{4}(a_k - S_k) \end{aligned}$$
となる。仮定より $a_k - S_k > 0$ であるから、$a_{k+1} - S_{k+1} > 0$、すなわち $a_{k+1} > S_{k+1}$ が成り立つ。よって、$n=k+1$ のときも条件 $q$ は成り立つ。
(i)、(ii) より、すべての自然数 $n$ について $a_n > S_n$ が成り立つ。
(4)
(2)、(3) の結果より、すべての自然数 $n$ について
$$S_n < a_n < \frac{1}{3}$$
が成り立つ。 ここで、$S_n$ は初項 $\frac{1}{4}$、公比 $\frac{1}{4}$ の等比数列の初項から第 $n$ 項までの和であるから、
$$S_n = \frac{\frac{1}{4}\left\{1 - \left(\frac{1}{4}\right)^n\right\}}{1 - \frac{1}{4}} = \frac{1}{3}\left\{1 - \left(\frac{1}{4}\right)^n\right\}$$
となる。$n \to \infty$ のとき $\left(\frac{1}{4}\right)^n \to 0$ であるから、
$$\lim_{n \to \infty} S_n = \frac{1}{3}$$
である。したがって、はさみうちの原理より、
$$\lim_{n \to \infty} a_n = \frac{1}{3}$$
となる。
解法2
(4) の別解
(1) で得られた漸化式 $a_{n+1} = \frac{1}{4}a_n + \frac{1}{4}$ は、特性方程式 $\alpha = \frac{1}{4}\alpha + \frac{1}{4}$ を解くと $\alpha = \frac{1}{3}$ となるため、
$$a_{n+1} - \frac{1}{3} = \frac{1}{4} \left( a_n - \frac{1}{3} \right)$$
と変形できる。よって、数列 $\left\{ a_n - \frac{1}{3} \right\}$ は初項 $a_1 - \frac{1}{3}$、公比 $\frac{1}{4}$ の等比数列となり、一般項は
$$a_n - \frac{1}{3} = \left( a_1 - \frac{1}{3} \right) \left( \frac{1}{4} \right)^{n-1}$$
すなわち
$$a_n = \frac{1}{3} + \left( a_1 - \frac{1}{3} \right) \left( \frac{1}{4} \right)^{n-1}$$
と求まる。ここで $n \to \infty$ とすると $\left( \frac{1}{4} \right)^{n-1} \to 0$ であるから、
$$\lim_{n \to \infty} a_n = \frac{1}{3}$$
となる。
解説
図形的な点の配置を座標に翻訳して漸化式を立てる典型問題である。(2) および (3) では指定通りに数学的帰納法を用いて不等式を示すが、(3) ではシグマで表された数列 $S_n$ の隣接項間の関係(漸化式)を導いておくことで、(1) で求めた $a_n$ の漸化式と構造を揃えてスムーズに証明できる。(4) は (2) と (3) の結果を組み合わせれば「はさみうちの原理」により即座に極限が求まる、という親切な誘導になっている。解法2のように漸化式を直接解くことも可能であり、検算としても有効である。
答え
(1) $a_{n+1} = \frac{1}{4}a_n + \frac{1}{4}$
(2) 本文に示した通り。
(3) 本文に示した通り。
(4) $\frac{1}{3}$
自分の記録
誤りを報告
問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





