数学3 数列・極限 問題 34 解説

方針・初手
(1) は与えられた漸化式を繰り返し用いて、一般項を推測・決定する典型的な問題である。分母分子で規則的に約分が起こることに着目する。 (2) は定義に従って代入して計算する。(1) で求めた具体的な式を代入してもよいが、与えられた漸化式を用いるとより簡潔に計算できる。 (3) は (2) の結果を利用して、和を階差の形(望遠鏡和)に帰着させる。 (4) は (3) で求めた部分和 $S_n$ の $n \to \infty$ における極限を求める。
解法1
(1)
$n \ge 2$ のとき、与えられた漸化式 $a_{n+1} = \frac{n}{n+5} a_n$ を繰り返し用いると、
$$\begin{aligned} a_n &= \frac{n-1}{n+4} a_{n-1} \\ &= \frac{n-1}{n+4} \cdot \frac{n-2}{n+3} a_{n-2} \\ &\ \ \vdots \\ &= \frac{n-1}{n+4} \cdot \frac{n-2}{n+3} \cdots \frac{2}{7} \cdot \frac{1}{6} a_1 \end{aligned}$$
分母と分子の積を整理すると、
$$a_n = \frac{(n-1)! \cdot 5!}{(n+4)!} a_1 = \frac{120}{(n+4)(n+3)(n+2)(n+1)n} a_1$$
$a_1 = 1$ であるから、
$$a_n = \frac{120}{n(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)}$$
この式は $n=1$ のとき $a_1 = \frac{120}{120} = 1$ となり、$n=1$ の場合も成り立つ。
(2)
定義より $b_n = \frac{n+4}{4} a_n$ である。 また、$b_{n+1}$ については、与えられた漸化式 $a_{n+1} = \frac{n}{n+5} a_n$ を用いると、
$$b_{n+1} = \frac{(n+1)+4}{4} a_{n+1} = \frac{n+5}{4} \cdot \frac{n}{n+5} a_n = \frac{n}{4} a_n$$
したがって、
$$b_n - b_{n+1} = \frac{n+4}{4} a_n - \frac{n}{4} a_n = \frac{4}{4} a_n = a_n$$
よって、与式に代入すると、
$$b_n - b_{n+1} - a_n = a_n - a_n = 0$$
(3)
(2) の結果より、$a_k = b_k - b_{k+1}$ であるから、
$$\begin{aligned} S_n &= \sum_{k=1}^n a_k \\ &= \sum_{k=1}^n (b_k - b_{k+1}) \\ &= (b_1 - b_2) + (b_2 - b_3) + \cdots + (b_n - b_{n+1}) \\ &= b_1 - b_{n+1} \end{aligned}$$
ここで、
$$b_1 = \frac{1+4}{4} a_1 = \frac{5}{4} \cdot 1 = \frac{5}{4}$$
また、(1) および (2) の途中経過より、
$$b_{n+1} = \frac{n}{4} a_n = \frac{n}{4} \cdot \frac{120}{n(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)} = \frac{30}{(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)}$$
ゆえに、
$$S_n = \frac{5}{4} - \frac{30}{(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)}$$
(4)
求める無限級数の和は $\lim_{n \to \infty} S_n$ である。 (3) の結果より、 $\lim_{n \to \infty} \frac{30}{(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)} = 0$ であるから、
$$\lim_{n \to \infty} S_n = \lim_{n \to \infty} \left( \frac{5}{4} - \frac{30}{(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)} \right) = \frac{5}{4}$$
解説
部分分数分解の拡張を用いた無限級数の和の基本問題であり、誘導が非常に丁寧である。 (1) で漸化式を展開して一般項を求める手法は、項が一つずつずれて約分されることを利用する典型的な処理である。 (2) は $a_n$ の具体的な式を用いて通分計算を行ってもよいが、$a_{n+1}$ を $a_n$ で表す漸化式を利用した方が圧倒的に計算量が少なく済む。 (3) は数列の和における「階差の形を作り出して中間項を消去する(望遠鏡和)」という定石そのものである。この問題では (2) によってその階差の形があらかじめ与えられているため、和をとるだけで結果が得られる。
答え
(1) $a_n = \frac{120}{n(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)}$
(2) $0$
(3) $S_n = \frac{5}{4} - \frac{30}{(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)}$
(4) $\frac{5}{4}$
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