トップ 基礎問題 数学3 極限 数列・極限 問題 35

数学3 数列・極限 問題 35 解説

数学3 数列・極限 問題 35 解説

方針・初手

与えられた漸化式の係数に着目する。$a_{n+1}$ の係数 $(n+3)$ と $a_{n-1}$ の係数 $(n+1)$ の和が、$a_n$ の係数の符号違いである $2n+4$ に一致することから、$a_{n+1} - a_n$ と $a_n - a_{n-1}$ の形を作り出せることに気づくのが第一歩である。これにより、階差数列 $b_n$ についての漸化式に帰着される。 $b_n$ の一般項が求まれば、階差数列の和を利用して $a_n$ を求めることができる。最後の極限は、ネイピア数 $e$ の定義式 $\lim_{x \to \pm\infty} \left(1 + \frac{1}{x}\right)^x = e$ に帰着させる典型的な変形を用いる。

解法1

(1)

与えられた漸化式は以下の通りである。

$$(n+3)a_{n+1} - (2n+4)a_n + (n+1)a_{n-1} = 0 \quad (n \geqq 2)$$

この式の $-(2n+4)a_n$ を $-(n+3)a_n - (n+1)a_n$ に分割し、項をまとめる。

$$(n+3)(a_{n+1} - a_n) - (n+1)(a_n - a_{n-1}) = 0$$

ここで、$b_n = a_{n+1} - a_n$ とおくと、$b_{n-1} = a_n - a_{n-1}$ であるから、上の式は次のように表される。

$$(n+3)b_n - (n+1)b_{n-1} = 0$$

これを $b_n$ について解くと、以下のようになる。

$$b_n = \frac{n+1}{n+3} b_{n-1} \quad (n \geqq 2)$$

(2)

(1)で求めた漸化式の両辺に $(n+2)$ を掛けると、次の関係が得られる。

$$(n+3)(n+2)b_n = (n+2)(n+1)b_{n-1} \quad (n \geqq 2)$$

これは、数列 $\{(n+3)(n+2)b_n\}$ がすべての $n \geqq 1$ において一定の値をとることを示している。

$$(n+3)(n+2)b_n = (1+3)(1+2)b_1 = 12b_1$$

したがって、$b_n$ は次のように求められる。

$$b_n = \frac{12}{(n+3)(n+2)} b_1$$

(3)

条件より $a_1 = \frac{1}{3}, a_2 = \frac{1}{2}$ であるから、$b_1$ は次のようになる。

$$b_1 = a_2 - a_1 = \frac{1}{2} - \frac{1}{3} = \frac{1}{6}$$

これを(2)の結果に代入する。

$$b_n = \frac{12}{(n+3)(n+2)} \cdot \frac{1}{6} = \frac{2}{(n+2)(n+3)}$$

部分分数分解を行うと、以下のようになる。

$$b_n = 2 \left( \frac{1}{n+2} - \frac{1}{n+3} \right)$$

$n \geqq 2$ のとき、$a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k$ であるから、

$$\begin{aligned} a_n &= \frac{1}{3} + \sum_{k=1}^{n-1} 2 \left( \frac{1}{k+2} - \frac{1}{k+3} \right) \\ &= \frac{1}{3} + 2 \left\{ \left( \frac{1}{3} - \frac{1}{4} \right) + \left( \frac{1}{4} - \frac{1}{5} \right) + \cdots + \left( \frac{1}{n+1} - \frac{1}{n+2} \right) \right\} \\ &= \frac{1}{3} + 2 \left( \frac{1}{3} - \frac{1}{n+2} \right) \\ &= 1 - \frac{2}{n+2} \\ &= \frac{n}{n+2} \end{aligned}$$

この式に $n=1$ を代入すると $a_1 = \frac{1}{1+2} = \frac{1}{3}$ となり、初期条件と一致する。 したがって、すべての自然数 $n$ について以下が成り立つ。

$$a_n = \frac{n}{n+2}$$

(4)

求める極限は $\lim_{n \to \infty} (a_n)^n$ である。(3)の結果を代入し、ネイピア数 $e$ の定義を利用できるように式を変形する。

$$\lim_{n \to \infty} (a_n)^n = \lim_{n \to \infty} \left( \frac{n}{n+2} \right)^n$$

括弧の中を $1 + (\text{0に収束する式})$ の形にする。

$$\frac{n}{n+2} = \frac{n+2-2}{n+2} = 1 - \frac{2}{n+2}$$

したがって、極限の式は次のように変形できる。

$$\begin{aligned} \lim_{n \to \infty} \left( 1 - \frac{2}{n+2} \right)^n &= \lim_{n \to \infty} \left[ \left\{ 1 + \left(-\frac{2}{n+2}\right) \right\}^{-\frac{n+2}{2}} \right]^{-\frac{2n}{n+2}} \end{aligned}$$

ここで、$n \to \infty$ のとき $-\frac{2}{n+2} \to 0$ であるから、大括弧の中身は $e$ に収束する。 また、指数の部分は次のように収束する。

$$\lim_{n \to \infty} \left( -\frac{2n}{n+2} \right) = \lim_{n \to \infty} \frac{-2}{1 + \frac{2}{n}} = -2$$

以上より、求める極限値は $e^{-2}$ となる。

解説

(1)の漸化式変形は、各項の係数の和が $0$ になることに着目して階差数列を作り出す典型的な手法である。一般に $p_n a_{n+1} + q_n a_n + r_n a_{n-1} = 0$ において $p_n + q_n + r_n = 0$ が成り立つ場合、$a_{n+1} - a_n$ と $a_n - a_{n-1}$ の関係式に帰着できる。 (2)では逐次代入を用いて一般項を求めてもよいが、両辺に $(n+2)$ を掛けて定数となる数列を見つける工夫を用いると、計算量を減らし簡潔に記述できる。 (4)の極限は、$\left(1 + \frac{1}{\infty}\right)^\infty$ の不定形であるため、$e$ の定義に持ち込む定番の処理である。指数の調整を正確に行うことが求められる。

答え

(1) $b_n = \frac{n+1}{n+3} b_{n-1}$

(2) $b_n = \frac{12}{(n+3)(n+2)} b_1$

(3) $a_n = \frac{n}{n+2}$

(4) $\frac{1}{e^2}$

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