トップ 基礎問題 数学3 極限 数列・極限 問題 39

数学3 数列・極限 問題 39 解説

数学3 数列・極限 問題 39 解説

方針・初手

分数型の漸化式によって定められる数列の性質を証明する問題である。

(1) については、すべての自然数 $n$ について成り立つことを示すため、数学的帰納法を用いるのが自然である。その際、$a_{n+1} - 4$ を計算し、因数分解や平方完成の形を作ることで符号を判定する。

(2) は、数列の単調減少性を示す問題である。隣接する項の差 $a_{n+1} - a_n$ を計算し、(1) の結果を利用してこれが負になることを示す。

(3) は、数列が $4$ に収束するスピードを評価する問題である。$a_{n+1} - 4$ を $a_n - 4$ を用いて表し、不等式で評価を繰り返すことで目的の式を導く。(1) の証明過程で得られる式が利用できる。

解法1

(1)

数学的帰納法によって示す。

(I) $n = 1$ のとき

$$a_1 = 5 > 4$$

であるから、成り立つ。

(II) $n = k$ ($k$ は自然数)のとき、$a_k > 4$ が成り立つと仮定する。

$n = k+1$ のとき、$a_{k+1} - 4$ を計算すると、

$$\begin{aligned} a_{k+1} - 4 &= \frac{a_k}{2} + \frac{8}{a_k} - 4 \\ &= \frac{a_k^2 - 8a_k + 16}{2a_k} \\ &= \frac{(a_k - 4)^2}{2a_k} \end{aligned}$$

帰納法の仮定より $a_k > 4$ であるから、$2a_k > 0$ かつ $a_k - 4 > 0$ である。

よって、

$$\frac{(a_k - 4)^2}{2a_k} > 0$$

となるため、$a_{k+1} - 4 > 0$ すなわち $a_{k+1} > 4$ が成り立つ。

(I)(II) より、すべての自然数 $n$ に対して $a_n > 4$ が成り立つ。

(2)

$a_{n+1} - a_n$ を計算すると、

$$\begin{aligned} a_{n+1} - a_n &= \left( \frac{a_n}{2} + \frac{8}{a_n} \right) - a_n \\ &= -\frac{a_n}{2} + \frac{8}{a_n} \\ &= \frac{-a_n^2 + 16}{2a_n} \\ &= -\frac{(a_n - 4)(a_n + 4)}{2a_n} \end{aligned}$$

(1) の結果より、すべての自然数 $n$ について $a_n > 4$ が成り立つため、$a_n - 4 > 0$、$a_n + 4 > 0$、$2a_n > 0$ である。

したがって、

$$-\frac{(a_n - 4)(a_n + 4)}{2a_n} < 0$$

となり、$a_{n+1} - a_n < 0$ が成り立つ。

よって、すべての自然数 $n$ に対して $a_{n+1} < a_n$ が成り立つ。

(3)

(1) の証明過程から、任意の自然数 $n$ に対して以下の等式が成り立つ。

$$a_{n+1} - 4 = \frac{(a_n - 4)^2}{2a_n}$$

これを変形すると、

$$a_{n+1} - 4 = \frac{a_n - 4}{2a_n} (a_n - 4) = \left( \frac{1}{2} - \frac{2}{a_n} \right) (a_n - 4)$$

(1) より $a_n > 4$ であるから、$\frac{2}{a_n} > 0$ である。

したがって、

$$\frac{1}{2} - \frac{2}{a_n} < \frac{1}{2}$$

が成り立つ。さらに、(1) より $a_n - 4 > 0$ であるため、両辺に $a_n - 4$ を掛けても不等号の向きは変わらず、

$$a_{n+1} - 4 < \frac{1}{2}(a_n - 4)$$

が得られる。また、$a_{n+1} - 4 > 0$ より、

$$0 < a_{n+1} - 4 < \frac{1}{2}(a_n - 4)$$

である。この不等式を繰り返し用いると、

$$a_n - 4 < \frac{1}{2}(a_{n-1} - 4) < \left(\frac{1}{2}\right)^2 (a_{n-2} - 4) < \cdots < \left(\frac{1}{2}\right)^{n-1} (a_1 - 4)$$

となる($n=1$ のときは等号が成り立つため、全体としては $\leqq$ で評価できる)。

$a_1 = 5$ より $a_1 - 4 = 1$ であるから、

$$a_n - 4 \leqq \left(\frac{1}{2}\right)^{n-1} \cdot 1 = \frac{1}{2^{n-1}}$$

が成り立つ。

よって、すべての自然数 $n$ に対して $a_n - 4 \leqq \frac{1}{2^{n-1}}$ が成り立つことが示された。

解法2

(1) の別解として、相加・相乗平均の関係を用いる方法を示す。

すべての自然数 $n$ について $a_n > 0$ であることを、まず数学的帰納法で示す。 $a_1 = 5 > 0$ であり、$a_k > 0$ と仮定すると $a_{k+1} = \frac{a_k}{2} + \frac{8}{a_k} > 0$ となるため、すべての自然数 $n$ で $a_n > 0$ である。

$a_n > 0$ より $\frac{a_n}{2} > 0$、$\frac{8}{a_n} > 0$ であるため、相加・相乗平均の関係より

$$a_{n+1} = \frac{a_n}{2} + \frac{8}{a_n} \geqq 2 \sqrt{\frac{a_n}{2} \cdot \frac{8}{a_n}} = 2 \sqrt{4} = 4$$

等号が成立するのは $\frac{a_n}{2} = \frac{8}{a_n}$ すなわち $a_n^2 = 16$ のときであり、$a_n > 0$ より $a_n = 4$ のときである。 ここで、もしある $n$ で $a_n = 4$ となったとすると、$a_{n-1}$ も $4$ となり、これを繰り返すと $a_1 = 4$ となって $a_1 = 5$ に矛盾する。 したがって、任意の $n$ において $a_n \neq 4$ であり、等号は成立しない。

よって、$a_{n+1} > 4$ となり、さらに $a_1 = 5 > 4$ であることから、すべての自然数 $n$ に対して $a_n > 4$ が成り立つ。

解説

ニュートン法によって方程式 $x^2 - 16 = 0$ の正の解(すなわち $\sqrt{16}=4$)の近似値を求める漸化式を題材とした、極限や不等式評価の典型問題である。

(1) では、漸化式から $a_{n+1} - \alpha$ の形を作り、因数分解することで符号を調べる手法が基本となる。相加・相乗平均の関係を用いた解法2も鮮やかであるが、(3) で $a_{n+1} - 4$ と $a_n - 4$ の関係式が必要になることを見越すと、解法1のように式変形を行っておくのが合理的である。

(3) の不等式評価は、$\frac{a_n - 4}{2a_n}$ を定数で上から抑える操作がポイントとなる。$a_n > 4$ という条件を巧みに用いて評価を行う。この不等式によって $\lim_{n \to \infty} a_n = 4$ となることが保証される。

答え

(1) 題意の通り証明された。

(2) 題意の通り証明された。

(3) 題意の通り証明された。

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