トップ 基礎問題 数学3 極限 数列・極限 問題 42

数学3 数列・極限 問題 42 解説

数学3 数列・極限 問題 42 解説

方針・初手

コッホ雪片と呼ばれる有名な図形(フラクタル図形)の面積と周長(辺の数)を求める問題である。 図形 $A_{n-1}$ から $A_n$ を作るときの規則性に着目し、辺の数と面積の増分を漸化式を用いて立式する。 (1) では1回の操作で1つの辺がいくつの辺に分割されるかを考える。 (2) では追加される小さな正三角形の「個数」と「1個あたりの面積」の積を求め、階差数列を利用して $S_n$ を求める。

解法1

(1)

図形 $A_n$ の辺の数を $L_n$ とおく。 初期状態の図形 $A_0$ は正三角形であるため、その辺の数は

$$L_0 = 3$$

である。 図形 $A_{n-1}$ から $A_n$ を作るとき、$A_{n-1}$ の1つの線分は三等分され、真ん中の線分が2つの線分(小さな正三角形の2辺)に置き換わる。これにより、1つの線分から4つの線分が生じるため、辺の数は4倍になる。 したがって、数列 $\{L_n\}$ について次の漸化式が成り立つ。

$$L_n = 4 L_{n-1} \quad (n = 1, 2, \dots)$$

数列 $\{L_n\}$ は初項 $L_0 = 3$、公比 $4$ の等比数列であるから、一般項は

$$L_n = 3 \cdot 4^n$$

となる。

(2)

図形 $A_n$ は、図形 $A_{n-1}$ に小さな正三角形を付け加えてできる。 $n$ 回目の操作で新たに追加される小さな正三角形の個数は、$A_{n-1}$ の辺の数に等しいため、$L_{n-1}$ 個である。 また、新しく追加される正三角形の相似比は、前回の図形における正三角形($n=1$ の場合は $A_0$)の相似比の $\frac{1}{3}$ 倍である。 相似比が $\frac{1}{3}$ 倍になると、面積は $\left(\frac{1}{3}\right)^2 = \frac{1}{9}$ 倍になる。 $A_0$ の面積が $1$ であるから、$n$ 回目の操作で追加される小さな正三角形1個あたりの面積 $s_n$ は、初項 $1$、公比 $\frac{1}{9}$ の等比数列の第 $n+1$ 項として表され、

$$s_n = 1 \cdot \left(\frac{1}{9}\right)^n = \frac{1}{9^n}$$

となる。 したがって、$n \geqq 1$ のとき、$A_n$ の面積 $S_n$ は、$A_{n-1}$ の面積に新たに追加されたすべての正三角形の面積を足したものになるから、

$$S_n = S_{n-1} + L_{n-1} \cdot s_n$$

すなわち、面積の増分は

$$S_n - S_{n-1} = 3 \cdot 4^{n-1} \cdot \frac{1}{9^n} = \frac{3}{4} \cdot \frac{4^n}{9^n} = \frac{3}{4} \left(\frac{4}{9}\right)^n$$

となる。これは数列 $\{S_n\}$ の階差数列である。 $n \geqq 1$ のとき、$S_0 = 1$ を用いて $S_n$ を求めると、

$$S_n = S_0 + \sum_{k=1}^n \frac{3}{4} \left(\frac{4}{9}\right)^k$$

$$S_n = 1 + \frac{3}{4} \cdot \frac{\frac{4}{9} \left\{ 1 - \left(\frac{4}{9}\right)^n \right\}}{1 - \frac{4}{9}}$$

$$S_n = 1 + \frac{3}{4} \cdot \frac{4}{5} \left\{ 1 - \left(\frac{4}{9}\right)^n \right\}$$

$$S_n = 1 + \frac{3}{5} \left\{ 1 - \left(\frac{4}{9}\right)^n \right\}$$

(この式は $n=0$ のときも $S_0 = 1$ となり成り立つ) ここで、$\left| \frac{4}{9} \right| < 1$ より $\lim_{n \to \infty} \left(\frac{4}{9}\right)^n = 0$ であるから、

$$\lim_{n \to \infty} S_n = 1 + \frac{3}{5}(1 - 0) = \frac{8}{5}$$

となる。

解説

図形を再帰的に構築していく「コッホ曲線」に関連する有名問題である。 各段階において、「辺の数はどう変わるか」「追加される図形の1個あたりの面積はどう変わるか」「追加される図形の個数はいくつになるか」を順番に整理して立式することがポイントである。 辺の長さが $\frac{1}{3}$ になると、面積はその2乗の $\frac{1}{9}$ になることを見落とさないように注意したい。 また、極限を求める際に、公比が $-1$ より大きく $1$ より小さい等比数列の極限が $0$ に収束する性質を利用している。

答え

(1) $3 \cdot 4^n$

(2) $\frac{8}{5}$

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