数学A 場合の数 問題 23 解説

方針・初手
点 $(5,3)$ に到達するには、右方向に正味 $5$、上方向に正味 $3$ だけ進む必要がある。
最短では右に $5$ 回、上に $3$ 回の合計 $8$ 回で到達する。したがって、移動回数が $8$ より少ない場合は不可能であり、また余分な移動は「右左」または「上下」のように $2$ 回単位で打ち消し合うため、移動回数の偶奇も重要である。
解法1
右、左、上、下への移動回数をそれぞれ $r,l,u,d$ とする。
点 $(5,3)$ に到達する条件は、
$$ r-l=5,\qquad u-d=3 $$
であり、さらに $n$ 回移動するから、
$$ r+l+u+d=n $$
である。
$a_6$ について
点 $(5,3)$ までの最短距離は
$$ 5+3=8 $$
である。よって、$6$ 回の移動では到達できない。
したがって、
$$ a_6=0 $$
である。
$a_9$ について
$(5,3)$ までの最短移動回数は $8$ 回である。最短経路に余分な移動を加える場合、余分な移動は行って戻る形になるため、$2$ 回単位で増える。
したがって、到達可能な移動回数は
$$ 8,10,12,\dots $$
のように偶数回に限られる。
$9$ 回は奇数回なので到達できない。
よって、
$$ a_9=0 $$
である。
$a_{10}$ について
$10$ 回で点 $(5,3)$ に到達する場合を数える。
条件
$$ r-l=5,\qquad u-d=3 $$
より、
$$ r=l+5,\qquad u=d+3 $$
である。これを
$$ r+l+u+d=10 $$
に代入すると、
$$ (l+5)+l+(d+3)+d=10 $$
となる。整理して、
$$ 2l+2d+8=10 $$
より、
$$ l+d=1 $$
である。
したがって、場合は次の $2$ 通りである。
(i)
$l=1,\ d=0$ のとき
このとき、
$$ r=6,\qquad u=3 $$
である。つまり、右 $6$ 回、左 $1$ 回、上 $3$ 回、下 $0$ 回を並べる。
その並べ方は、
$$ \frac{10!}{6!1!3!}=840 $$
である。
(ii)
$l=0,\ d=1$ のとき
このとき、
$$ r=5,\qquad u=4 $$
である。つまり、右 $5$ 回、左 $0$ 回、上 $4$ 回、下 $1$ 回を並べる。
その並べ方は、
$$ \frac{10!}{5!4!1!}=1260 $$
である。
よって、
$$ a_{10}=840+1260=2100 $$
である。
解説
この問題では、各方向への移動回数を文字でおくのが基本である。
点 $(5,3)$ に着くには、右と左の差が $5$、上と下の差が $3$ になればよい。つまり、移動の順番ではなく、まず各方向への移動回数の組を決め、その後でそれらを何通りに並べられるかを数える。
また、最短移動回数が $8$ 回であり、余分な移動は必ず $2$ 回単位で増えることから、$6$ 回や $9$ 回では到達できないことがすぐに分かる。
答え
(1)
$$ a_6=0 $$
(2)
$$ a_9=0 $$
(3)
$$ a_{10}=2100 $$
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