数学A 合同式 問題 8 解説

方針・初手
$f(x)=x^4-x^2+1$ で割った余りを考えるので、
$$ x^4-x^2+1\equiv 0 \pmod{f(x)} $$
すなわち
$$ x^4\equiv x^2-1 \pmod{f(x)} $$
を基本関係として使う。特にこれから $x^6\equiv -1$ が得られるため、以後は指数を周期的に処理できる。
解法1
$f(x)$ で割った余りを合同式で表す。
まず
$$ x^4\equiv x^2-1 \pmod{f(x)} $$
である。両辺に $x^2$ をかけると、
$$ x^6\equiv x^4-x^2 \pmod{f(x)} $$
となる。ここで再び $x^4\equiv x^2-1$ を用いると、
$$ x^6\equiv (x^2-1)-x^2=-1 \pmod{f(x)} $$
である。
したがって、(1) の余りは
$$ -1 $$
である。
次に (2) を考える。上で得た
$$ x^6\equiv -1 \pmod{f(x)} $$
より、
$$ x^{12}\equiv 1 \pmod{f(x)} $$
である。
$2021$ を $12$ で割ると、
$$ 2021=12\cdot 168+5 $$
だから、
$$ x^{2021}=x^{12\cdot 168+5}\equiv x^5 \pmod{f(x)} $$
である。
ただし余りは $f(x)$ の次数 $4$ より低い次数にしなければならないので、$x^5$ をさらに整理する。
$$ x^5=x\cdot x^4\equiv x(x^2-1)=x^3-x \pmod{f(x)} $$
したがって、(2) の余りは
$$ x^3-x $$
である。
最後に (3) を示す。
$t=x^2-1$ とおくと、
$$ f(x)=x^4-x^2+1=(x^2-1)^2+(x^2-1)+1=t^2+t+1 $$
である。
$n$ が $3$ の倍数であるから、ある自然数 $m$ を用いて
$$ n=3m $$
と書ける。
このとき
$$ (x^2-1)^n-1=t^{3m}-1 $$
である。
ここで
$$ t^3-1=(t-1)(t^2+t+1) $$
より、$t^3-1$ は $t^2+t+1$ で割り切れる。
さらに
$$ t^{3m}-1=(t^3)^m-1 $$
であり、$A^m-1$ は $A-1$ で割り切れるから、
$$ (t^3)^m-1 $$
は
$$ t^3-1 $$
で割り切れる。
よって $t^{3m}-1$ は $t^2+t+1$ で割り切れる。
$t=x^2-1$ に戻すと、$t^2+t+1=f(x)$ であるから、
$$ (x^2-1)^n-1 $$
は $f(x)$ で割り切れる。
解法2
(3) は合同式でも示せる。
$t=x^2-1$ とおくと、
$$ f(x)=t^2+t+1 $$
である。したがって、$f(x)$ を法として
$$ t^2+t+1\equiv 0 $$
が成り立つ。
この両辺から
$$ t^2+t\equiv -1 $$
であり、両辺に $t-1$ をかけるより、
$$ (t^2+t+1)(t-1)=t^3-1\equiv 0 $$
すなわち
$$ t^3\equiv 1 \pmod{f(x)} $$
である。
$n$ が $3$ の倍数なので $n=3m$ とおくと、
$$ (x^2-1)^n=t^n=t^{3m}=(t^3)^m\equiv 1^m=1 \pmod{f(x)} $$
となる。
よって
$$ (x^2-1)^n-1\equiv 0 \pmod{f(x)} $$
であり、$(x^2-1)^n-1$ は $f(x)$ で割り切れる。
解説
この問題の中心は、割る多項式
$$ f(x)=x^4-x^2+1 $$
から得られる関係
$$ x^4\equiv x^2-1 \pmod{f(x)} $$
を使って、高い次数を低い次数へ落とすことである。
特に
$$ x^6\equiv -1,\qquad x^{12}\equiv 1 $$
が得られるため、累乗の余りは指数を $12$ で考えると処理しやすい。
また (3) では、$x^2-1$ をひとまとまりとして見るのが重要である。
$$ f(x)=(x^2-1)^2+(x^2-1)+1 $$
と変形できるため、$t=x^2-1$ とおけば $t^2+t+1$ の問題になる。これは $t^3-1=(t-1)(t^2+t+1)$ と結びつくので、$n$ が $3$ の倍数であることを自然に利用できる。
答え
(1)
$$ -1 $$
(2)
$$ x^3-x $$
(3)
$n$ が $3$ の倍数のとき、
$$ (x^2-1)^n-1 $$
は
$$ f(x)=x^4-x^2+1 $$
で割り切れる。
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