数学A 整数問題 問題 11 解説

方針・初手
平方数を $3$ で割った余りに注目する。整数 $n$ について、$n$ を $3$ で割った余りは $0,1,2$ のいずれかであり、その平方の余りは $0$ または $1$ に限られる。この性質を $a^2+b^2=c^2$ に適用する。
解法1
任意の整数 $n$ について、$3$ で割った余りごとに $n^2$ の余りを調べる。
(i)
$n\equiv 0 \pmod 3$ のとき
$$ n^2\equiv 0^2\equiv 0 \pmod 3 $$
(ii)
$n\equiv 1 \pmod 3$ のとき
$$ n^2\equiv 1^2\equiv 1 \pmod 3 $$
(iii)
$n\equiv 2 \pmod 3$ のとき
$$ n^2\equiv 2^2=4\equiv 1 \pmod 3 $$
したがって、平方数を $3$ で割った余りは $0$ または $1$ である。
ここで、背理法を用いる。$a,b$ のどちらも $3$ の倍数でないと仮定する。このとき
$$ a\not\equiv 0 \pmod 3,\qquad b\not\equiv 0 \pmod 3 $$
であるから、
$$ a^2\equiv 1 \pmod 3,\qquad b^2\equiv 1 \pmod 3 $$
となる。よって
$$ a^2+b^2\equiv 1+1\equiv 2 \pmod 3 $$
一方、条件より $a^2+b^2=c^2$ であるから、
$$ c^2\equiv 2 \pmod 3 $$
となる。しかし、平方数を $3$ で割った余りは $0$ または $1$ に限られるため、これは不可能である。
したがって、$a,b$ のどちらも $3$ の倍数でないという仮定は誤りである。ゆえに、$a,b$ のうち少なくとも一方は $3$ の倍数である。
解説
この問題の要点は、ピタゴラス型の等式そのものを直接変形するのではなく、$3$ で割った余りだけを考えることである。
平方数の余りは、法 $3$ では $0,1$ のどちらかに限られる。そのため、$a,b$ がともに $3$ の倍数でないなら、$a^2$ と $b^2$ はどちらも $1$ 余る。すると和は $2$ 余るが、平方数が $2$ 余ることはない。この矛盾により結論が従う。
答え
$a,b$ のうち少なくとも一方は $3$ の倍数である。
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