数学A 整数問題 問題 32 解説

方針・初手
平方数を $3$ で割った余りを調べる。自然数 $n$ は $3$ で割った余りによって $0,1,2$ の3通りに分類できるので、それぞれの場合に $n^2$ の余りを計算する。
その結果を用いて、$a^2+b^2=c^2$ を $3$ で割った余りで考える。
解法1
まず、(1)を示す。
自然数 $n$ を $3$ で割った余りで分類する。
(i)
$n$ が $3$ の倍数であるとき
$n=3k$ とおけるから、
$$ n^2=(3k)^2=9k^2=3\cdot 3k^2 $$
より、$n^2$ は $3$ の倍数である。
(ii)
$n$ を $3$ で割った余りが $1$ であるとき
$n=3k+1$ とおけるから、
$$ n^2=(3k+1)^2=9k^2+6k+1=3(3k^2+2k)+1 $$
より、$n^2$ を $3$ で割った余りは $1$ である。
(iii)
$n$ を $3$ で割った余りが $2$ であるとき
$n=3k+2$ とおけるから、
$$ n^2=(3k+2)^2=9k^2+12k+4=3(3k^2+4k+1)+1 $$
より、$n^2$ を $3$ で割った余りは $1$ である。
以上より、自然数 $n$ に対して、$n^2$ は $3$ の倍数、または $3$ で割った余りが $1$ である。
次に、(2)を示す。
$a^2+b^2=c^2$ を満たす自然数 $a,b,c$ について考える。
背理法で示す。$a,b$ のどちらも $3$ の倍数でないと仮定する。
(1)より、自然数の平方を $3$ で割った余りは $0$ または $1$ である。さらに、$a,b$ はどちらも $3$ の倍数でないから、$a^2,b^2$ はどちらも $3$ で割った余りが $1$ である。
したがって、
$$ a^2+b^2 $$
を $3$ で割った余りは
$$ 1+1=2 $$
である。
一方、$a^2+b^2=c^2$ だから、$c^2$ を $3$ で割った余りも $2$ でなければならない。
しかし、(1)より、平方数 $c^2$ を $3$ で割った余りは $0$ または $1$ であり、$2$ にはならない。これは矛盾である。
よって、$a,b$ のどちらも $3$ の倍数でないという仮定は誤りである。
したがって、$a,b$ のうち少なくとも $1$ つは $3$ の倍数である。
解説
この問題の中心は、平方数を $3$ で割った余りが $0$ または $1$ に限られるという事実である。
(2)では、$a,b$ がともに $3$ の倍数でないと仮定すると、$a^2$ と $b^2$ はどちらも $3$ で割った余りが $1$ になる。そのため、左辺 $a^2+b^2$ の余りは $2$ になるが、右辺 $c^2$ は平方数なので余り $2$ にはならない。この矛盾が決定的である。
答え
(1)
任意の自然数 $n$ について、$n^2$ は $3$ の倍数、または $3$ で割った余りが $1$ である。
(2)
$a^2+b^2=c^2$ を満たす自然数 $a,b,c$ について、$a,b$ のうち少なくとも $1$ つは $3$ の倍数である。
自分の記録
誤りを報告
問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





