数学A 整数問題 問題 89 解説

方針・初手
いずれも式を因数分解し、積が素数になる条件を使う。整数 $a,b$ について、$ab$ が正の素数なら、一方が $1$ で他方が素数でなければならない。
解法1
(1)
$$ n^2-1=(n-1)(n+1) $$
である。
$n$ は自然数なので、$n+1>n-1$ である。$n^2-1$ が素数になるには、因数の一方が $1$ でなければならない。
$n+1=1$ は自然数 $n$ では成り立たない。したがって
$$ n-1=1 $$
より
$$ n=2 $$
である。
このとき
$$ n^2-1=2^2-1=3 $$
となり、確かに素数である。
よって、求める自然数は
$$ n=2 $$
である。
(2)
与えられた式を因数分解すると、
$$ 3m^2+mn-2n^2=(3m-2n)(m+n) $$
である。
条件 $0\leqq n\leqq m$ より、
$$ 3m-2n\geqq m\geqq 0,\qquad m+n\geqq 0 $$
である。
$(m,n)=(0,0)$ のとき値は $0$ であり、素数ではない。したがって、素数になる場合には、2つの因数は正の整数であり、一方が $1$ でなければならない。
(i) $m+n=1$ のとき
$0\leqq n\leqq m$ を満たす非負整数解は
$$ (m,n)=(1,0) $$
のみである。
このとき
$$ 3m^2+mn-2n^2=3 $$
であり、素数である。
(ii) $3m-2n=1$ のとき
$$ 3m-2n=1 $$
より
$$ n=\frac{3m-1}{2} $$
である。
さらに $n\leqq m$ より
$$ \frac{3m-1}{2}\leqq m $$
だから、
$$ m\leqq 1 $$
である。
$m$ は非負整数なので $m=0,1$ を調べる。$m=0$ では $n=-\frac12$ となり不適である。$m=1$ では $n=1$ である。
よって
$$ (m,n)=(1,1) $$
を得る。
このとき
$$ 3m^2+mn-2n^2=3+1-2=2 $$
であり、素数である。
以上より、求める組は
$$ (m,n)=(1,0),(1,1) $$
である。
(3)
与えられた式を因数分解する。
$$ \begin{aligned} & m^4-3m^2n^2-4n^4-6m^2-16n^2-16 \\ &= (m^2+n^2+2)(m^2-4n^2-8) \end{aligned} $$
である。
ここで
$$ m^2+n^2+2\geqq 2 $$
である。
したがって、積が正の素数になるためには、もう一方の因数が $1$ でなければならない。すなわち、
$$ m^2-4n^2-8=1 $$
である。
これを整理すると、
$$ m^2-4n^2=9 $$
すなわち
$$ (m-2n)(m+2n)=9 $$
である。
$m,n$ は $0$ 以上の整数なので、
$$ m+2n\geqq 0 $$
である。また積が $9$ で正だから、両方の因数は正である。
さらに
$$ m-2n\leqq m+2n $$
であるから、正の因数の組は
$$ (m-2n,\ m+2n)=(1,9),(3,3) $$
の2通りである。
(i) $(m-2n,\ m+2n)=(1,9)$ のとき
$$ \begin{cases} m-2n=1\\ m+2n=9 \end{cases} $$
より、
$$ 2m=10 $$
だから
$$ m=5 $$
である。これを $m-2n=1$ に代入して、
$$ 5-2n=1 $$
より
$$ n=2 $$
である。
このとき
$$ m^2+n^2+2=25+4+2=31 $$
であり、素数である。
したがって
$$ (m,n)=(5,2) $$
は適する。
(ii) $(m-2n,\ m+2n)=(3,3)$ のとき
$$ \begin{cases} m-2n=3\\ m+2n=3 \end{cases} $$
より、
$$ 4n=0 $$
だから
$$ n=0 $$
である。したがって
$$ m=3 $$
である。
このとき
$$ m^2+n^2+2=9+0+2=11 $$
であり、素数である。
したがって
$$ (m,n)=(3,0) $$
は適する。
以上より、求める組は
$$ (m,n)=(3,0),(5,2) $$
である。
解説
この問題の中心は、素数そのものを直接調べるのではなく、式を積の形に分解することである。
(1) は
$$ n^2-1=(n-1)(n+1) $$
という基本因数分解を使えば、一方の因数が $1$ になる場合だけを調べればよい。
(2) は
$$ 3m^2+mn-2n^2=(3m-2n)(m+n) $$
と因数分解できることが重要である。条件 $0\leqq n\leqq m$ により、両因数が非負になるため、積が素数になる条件をそのまま使える。
(3) は一見複雑だが、$m^2$ と $n^2$ をひとかたまりとして見れば、
$$ (m^2+n^2+2)(m^2-4n^2-8) $$
と分解できる。第1因数は常に $2$ 以上なので、第2因数が $1$ になる必要がある。そこから差の平方の形にして、
$$ (m-2n)(m+2n)=9 $$
を解けばよい。
答え
(1)
$$ n=2 $$
(2)
$$ (m,n)=(1,0),(1,1) $$
(3)
$$ (m,n)=(3,0),(5,2) $$
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