数学A 整数問題 問題 101 解説

方針・初手
両辺の定積分を計算して整理すると、条件 $(*)$ は $a,b,c$ の代数方程式に変わる。特に $a \neq b$ のときは $b-a$ で割れるので、まずその形まで因数分解する。
解法1
条件 $(*)$ より、
$$ \int_a^c (x^2+bx),dx=\int_b^c (x^2+ax),dx $$
である。両辺を計算すると、
$$ \begin{aligned} \left[\frac{x^3}{3}+\frac{b x^2}{2}\right]_a^c &= \left[\frac{x^3}{3}+\frac{a x^2}{2}\right]_b^c \end{aligned} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} \frac{c^3-a^3}{3}+\frac{b(c^2-a^2)}{2} &= \frac{c^3-b^3}{3}+\frac{a(c^2-b^2)}{2} \end{aligned} $$
となる。
両辺から共通する $\frac{c^3}{3}$ を消し、さらに両辺に $6$ をかけると、
$$ -2a^3+2b^3+3bc^2-3ba^2-3ac^2+3ab^2=0 $$
すなわち、
$$ 3(b-a)c^2+2(b^3-a^3)+3ab(b-a)=0 $$
である。
ここで
$$ b^3-a^3=(b-a)(b^2+ab+a^2) $$
より、
$$ (b-a){3c^2+2(a^2+ab+b^2)+3ab}=0 $$
となる。したがって、
$$ (b-a)(3c^2+2a^2+5ab+2b^2)=0 $$
である。
$a\neq b$ のとき $b-a\neq 0$ だから、
$$ 3c^2+2a^2+5ab+2b^2=0 $$
である。よって、
$$ c^2=-\frac{2a^2+5ab+2b^2}{3} $$
である。また、
$$ 2a^2+5ab+2b^2=(2a+b)(a+2b) $$
だから、
$$ c^2=-\frac{(2a+b)(a+2b)}{3} $$
とも表せる。
次に $c=3$ とする。このとき $c^2=9$ なので、
$$ -\frac{(2a+b)(a+2b)}{3}=9 $$
より、
$$ (2a+b)(a+2b)=-27 $$
である。
ここで
$$ u=2a+b,\qquad v=a+2b $$
とおくと、
$$ uv=-27 $$
である。また、
$$ a=\frac{2u-v}{3},\qquad b=\frac{-u+2v}{3} $$
であり、
$$ b-a=v-u $$
である。したがって $a<b$ は $u<v$ と同値である。
$uv=-27$ かつ $u<v$ を満たす整数の組 $(u,v)$ は、
$$ (-27,1),\ (-9,3),\ (-3,9),\ (-1,27) $$
である。
このうち $a,b$ が整数になるには、$\frac{2u-v}{3}$ と $\frac{-u+2v}{3}$ がともに整数でなければならない。実際に調べると、
$$ \begin{array}{c|c|c} (u,v) & a=\frac{2u-v}{3} & b=\frac{-u+2v}{3} \\ \hline (-27,1) & -\frac{55}{3} & \frac{29}{3} \\ (-9,3) & -7 & 5 \\ (-3,9) & -5 & 7 \\ (-1,27) & -\frac{29}{3} & \frac{55}{3} \end{array} $$
である。
よって、条件を満たす整数の組 $(a,b)$ は、
$$ (a,b)=(-7,5),\ (-5,7) $$
である。
最後に、$a,b,c$ が $(*)$ と $a\neq b$ を満たすとする。すでに示した式より、
$$ 3c^2=-(2a+b)(a+2b) $$
である。
この式を $3$ で割った余りで考える。左辺は $3$ の倍数なので、
$$ (2a+b)(a+2b)\equiv 0 \pmod{3} $$
である。
ここで、法 $3$ では $2\equiv -1$ だから、
$$ 2a+b\equiv b-a \pmod{3} $$
かつ
$$ a+2b\equiv a-b \pmod{3} $$
である。したがって、
$$ (2a+b)(a+2b)\equiv (b-a)(a-b)=-(a-b)^2 \pmod{3} $$
である。
よって、
$$ (a-b)^2\equiv 0 \pmod{3} $$
となる。平方数が $3$ で割り切れるなら元の数も $3$ で割り切れるので、
$$ a-b\equiv 0 \pmod{3} $$
である。つまり、
$$ a\equiv b \pmod{3} $$
である。
このとき、
$$ 2a+b\equiv 3a\equiv 0 \pmod{3} $$
かつ
$$ a+2b\equiv 3a\equiv 0 \pmod{3} $$
である。したがって $(2a+b)(a+2b)$ は $9$ の倍数である。
よって、
$$ 3c^2=-(2a+b)(a+2b) $$
の右辺は $9$ の倍数だから、$3c^2$ は $9$ の倍数である。したがって $c^2$ は $3$ の倍数であり、ゆえに $c$ は $3$ の倍数である。
解説
この問題の中心は、定積分の等式をそのまま扱うのではなく、計算して因数分解することである。特に
$$ (b-a)(3c^2+2a^2+5ab+2b^2)=0 $$
まで整理できるかが要点である。
$a\neq b$ があるため $b-a$ で割れる。ここから
$$ c^2=-\frac{(2a+b)(a+2b)}{3} $$
が得られ、以後は整数問題になる。
$c=3$ の場合は $(2a+b)(a+2b)=-27$ という積の形になるので、因数の組を調べればよい。ただし、因数の組から戻した $a,b$ が整数になるとは限らないため、逆変換で整数条件を確認する必要がある。
(3) では、単に
$$ 3c^2=-(2a+b)(a+2b) $$
から $3\mid c$ と結論してはいけない。まず法 $3$ で $a\equiv b$ を導き、その結果として両因数がともに $3$ の倍数になることを使うのが重要である。
答え
(1)
$$ c^2=-\frac{2a^2+5ab+2b^2}{3} $$
または
$$ c^2=-\frac{(2a+b)(a+2b)}{3} $$
(2)
$$ (a,b)=(-7,5),\ (-5,7) $$
(3)
$$ c \text{ は } 3 \text{ の倍数である。} $$
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