数学A 整数問題 問題 102 解説

方針・初手
条件 $P$ は、すべての整数 $n$ について $f(n)\equiv 0 \pmod{5}$ となることを意味する。
(1) は因数分解して「5個の連続する整数の積」に持ち込む。(2) は差分を順に計算する。(3) は、$f(n)$ が常に $5$ の倍数なら、その差分 $g_1(n),g_2(n),g_3(n),g_4(n)$ も常に $5$ の倍数になることを用いる。
解法1
(1)
$$ \begin{aligned} f(x) &=x^5-5x^3+4x \\ &=x(x^4-5x^2+4) \\ &=x(x^2-1)(x^2-4) \\ &=x(x-1)(x+1)(x-2)(x+2) \end{aligned} $$
したがって
$$ f(x)=(x-2)(x-1)x(x+1)(x+2) $$
である。
整数 $n$ に対して、
$$ f(n)=(n-2)(n-1)n(n+1)(n+2) $$
となる。これは $5$ 個の連続する整数の積である。
任意の $5$ 個の連続する整数の中には、必ず $5$ の倍数がちょうど $1$ 個含まれる。よって、その積である $f(n)$ は $5$ の倍数である。
したがって、この $f(x)$ は条件 $P$ を満たす。
(2)
まず
$$ g_1(x)=f(x+1)-f(x) $$
を計算する。
$$ \begin{aligned} g_1(x) &=(x+1)^4-x^4+a{(x+1)^3-x^3}+b{(x+1)^2-x^2}+c \\ &=(4x^3+6x^2+4x+1)+a(3x^2+3x+1)+b(2x+1)+c \\ &=4x^3+(6+3a)x^2+(4+3a+2b)x+(1+a+b+c) \end{aligned} $$
次に
$$ g_2(x)=g_1(x+1)-g_1(x) $$
である。$g_1(x)$ の各項の差を取ると、
$$ \begin{aligned} g_2(x) &=4{(x+1)^3-x^3}+(6+3a){(x+1)^2-x^2}+(4+3a+2b) \\ &=4(3x^2+3x+1)+(6+3a)(2x+1)+(4+3a+2b) \\ &=12x^2+(24+6a)x+(14+6a+2b) \end{aligned} $$
さらに
$$ g_3(x)=g_2(x+1)-g_2(x) $$
より、
$$ \begin{aligned} g_3(x) &=12{(x+1)^2-x^2}+(24+6a) \\ &=12(2x+1)+(24+6a) \\ &=24x+36+6a \end{aligned} $$
最後に
$$ g_4(x)=g_3(x+1)-g_3(x) $$
より、
$$ g_4(x)=24 $$
である。
したがって、
$$ \begin{aligned} g_1(x)&=4x^3+(6+3a)x^2+(4+3a+2b)x+(1+a+b+c),\\ g_2(x)&=12x^2+(24+6a)x+(14+6a+2b),\\ g_3(x)&=24x+36+6a,\\ g_4(x)&=24 \end{aligned} $$
である。
(3)
背理法で示す。
整数を係数とする $4$ 次式
$$ f(x)=x^4+ax^3+bx^2+cx+d $$
が条件 $P$ を満たすと仮定する。
このとき、すべての整数 $n$ について
$$ f(n)\equiv 0 \pmod{5} $$
である。
したがって、
$$ g_1(n)=f(n+1)-f(n) $$
も、すべての整数 $n$ について $5$ の倍数である。
同様に、$g_2,g_3,g_4$ は順に差分で定義されているので、すべての整数 $n$ について
$$ g_2(n)\equiv g_3(n)\equiv g_4(n)\equiv 0 \pmod{5} $$
でなければならない。
ところが、(2) より
$$ g_4(x)=24 $$
である。よって、すべての整数 $n$ について
$$ g_4(n)=24 $$
となる。
しかし
$$ 24\equiv 4 \pmod{5} $$
であり、$24$ は $5$ の倍数ではない。これは $g_4(n)$ が常に $5$ の倍数であることに矛盾する。
したがって、整数を係数とする $4$ 次式で $x^4$ の係数が $1$ であるものは、条件 $P$ を満たさない。
解説
この問題の中心は、条件 $P$ を合同式
$$ f(n)\equiv 0 \pmod{5} $$
として扱うことである。
(1) では、因数分解によって $f(n)$ を $5$ 個の連続整数の積に変形するのが最短である。連続する $5$ 個の整数には必ず $5$ の倍数が含まれるため、積は必ず $5$ の倍数になる。
(3) では、差分を取る操作が有効である。$f(n)$ がすべて $5$ の倍数なら、隣り合う値の差も $5$ の倍数になる。この性質を繰り返すと、$4$ 次式の第 $4$ 差分も $5$ の倍数でなければならない。
一方、最高次係数が $1$ の $4$ 次式の第 $4$ 差分は常に $4!=24$ になる。$24$ は $5$ の倍数ではないため、条件 $P$ は成立しない。
答え
(1)
$$ f(x)=x(x-1)(x+1)(x-2)(x+2) $$
また、整数 $n$ に対して
$$ f(n)=(n-2)(n-1)n(n+1)(n+2) $$
は $5$ 個の連続整数の積なので、必ず $5$ の倍数である。したがって条件 $P$ を満たす。
(2)
$$ \begin{aligned} g_1(x)&=4x^3+(6+3a)x^2+(4+3a+2b)x+(1+a+b+c),\\ g_2(x)&=12x^2+(24+6a)x+(14+6a+2b),\\ g_3(x)&=24x+36+6a,\\ g_4(x)&=24 \end{aligned} $$
(3)
条件 $P$ を満たすなら $g_4(n)$ もすべての整数 $n$ について $5$ の倍数でなければならない。しかし $g_4(x)=24$ であり、$24$ は $5$ の倍数ではない。よって、整数を係数とする $4$ 次式で $x^4$ の係数が $1$ であるものは条件 $P$ を満たさない。
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