数学B 数学的帰納法 問題 2 解説

方針・初手
両辺を $2^n$ で割ると、指数関数と二次式の大小比較になる。小さい $n$ を直接調べたうえで、$n\geqq 3$ では不等式が成り立たないことを帰納的に示す。
解法1
与えられた不等式は
$$ 5^n<2^n n(n+2) $$
である。両辺を正の数 $2^n$ で割ると、
$$ \left(\frac{5}{2}\right)^n<n(n+2) $$
となる。
まず小さい自然数を調べる。
$n=1$ のとき、
$$ \left(\frac{5}{2}\right)^1=\frac{5}{2}<3=1(1+2) $$
より成り立つ。
$n=2$ のとき、
$$ \left(\frac{5}{2}\right)^2=\frac{25}{4}<8=2(2+2) $$
より成り立つ。
$n=3$ のとき、
$$ \left(\frac{5}{2}\right)^3=\frac{125}{8}>15=3(3+2) $$
より成り立たない。
あとは $n\geqq 3$ で常に
$$ \left(\frac{5}{2}\right)^n\geqq n(n+2) $$
となることを示せばよい。
$n=k\geqq 3$ で
$$ \left(\frac{5}{2}\right)^k\geqq k(k+2) $$
が成り立つと仮定する。このとき
$$ \begin{aligned} \left(\frac{5}{2}\right)^{k+1} &= \frac{5}{2}\left(\frac{5}{2}\right)^k \geqq \frac{5}{2}k(k+2) \end{aligned} $$
である。
ここで
$$ \begin{aligned} \frac{5}{2}k(k+2)-(k+1)(k+3) &= \frac{3k^2+2k-6}{2} \end{aligned} $$
であり、$k\geqq 3$ なら
$$ 3k^2+2k-6>0 $$
だから、
$$ \frac{5}{2}k(k+2)>(k+1)(k+3) $$
が成り立つ。したがって
$$ \left(\frac{5}{2}\right)^{k+1}>(k+1)(k+3) $$
である。
よって数学的帰納法により、すべての $n\geqq 3$ について
$$ \left(\frac{5}{2}\right)^n\geqq n(n+2) $$
となる。したがって、もとの不等式は $n\geqq 3$ では成り立たない。
以上より、条件を満たす自然数は $n=1,2$ である。
解説
指数関数 $\left(\frac{5}{2}\right)^n$ と二次式 $n(n+2)$ の大小比較である。指数関数は最終的には二次式より大きくなるが、この問題では「一度成り立たなくなったら以後ずっと成り立たない」ことを帰納法で厳密に示すのが要点である。
直接計算で $n=1,2,3$ を確認し、$n=3$ 以降を帰納法で押さえると、条件漏れなく処理できる。
答え
$$ n=1,2 $$
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